【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、回復の兆しがみられたものの、新たな変異株による感染再拡大の懸念やロシアのウクライナ侵攻の影響による資源価格や物価の上昇、為替相場の急激な変動等により、引続き景気の先行きは不透明な状況が続いております。上記のような経済の状況において、当社製品の主な市場であります超硬耐摩耗工具の出荷額は、359億円(対前年度比4億円増・1.2%増)と2021年度を上回りました。こうした状況の中、当社グループは中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の2年目となる2022年度(2023年3月期)について、「革新」を年度方針に掲げ、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるとともに、成長戦略である1.生産性向上・業務効率化、2.次世代自動車への対応・拡販、3.新成長エンジンの創出、4.海外事業の強化の諸施策に取り組んでまいりました。超硬製工具類では、一部の半導体関連需要が続いたことにより、関連工具の販売が堅調に推移しました。また、熱間圧延ロールの販売が市況の変化等により低調となりましたが、売上高は4,571百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。超硬製金型類では、自動車の電動化に関連する需要が続いたことにより、車載電池用金型の販売が好調に推移しました。また、光学素子成型用金型や製缶金型の販売も堅調に推移した結果、売上高は4,219百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。その他の超硬製品では、中国向け素材販売が景気低迷の影響を受け低調に推移したものの、一部の半導体関連需要が継続し関連する製品の販売が堅調に推移した結果、売上高は4,261百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。超硬以外の製品では、セラミックス工具の販売が堅調に推移したものの、自動車部品用鋼製金型や引抜鋼管の売上が低調に推移した結果、売上高は4,127百万円(前連結会計年度比3.8%減)となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は17,179百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。利益につきましては、営業利益は1,150百万円(前連結会計年度比3.3%増)、経常利益は1,225百万円(前連結会計年度比1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,292百万円(前連結会計年度比63.4%増)となりました。なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (資産の部)当連結会計年度末の資産の部は、26,253百万円(前連結会計年度末25,380百万円)となり、872百万円増加いたしました。流動資産は15,724百万円(前連結会計年度末15,331百万円)となり、393百万円増加いたしました。これは主に、仕掛品が187百万円増加、原材料及び貯蔵品が277百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は10,528百万円(前連結会計年度末10,048百万円)となり、479百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が1,158百万円増加したものの、機械装置及び運搬具(純額)が287百万円減少、繰延税金資産が225百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)当連結会計年度末の負債の部は、5,860百万円(前連結会計年度末6,076百万円)となり、216百万円減少いたしました。流動負債は4,197百万円(前連結会計年度末4,383百万円)となり、186百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が157百万円減少、未払法人税等が148百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は1,662百万円(前連結会計年度末1,692百万円)となり、29百万円減少いたしました。
(純資産の部)当連結会計年度末の純資産の部は、20,392百万円(前連結会計年度末19,303百万円)となり、1,088百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,292百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が435百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ324百万円減少し、7,193百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益1,835百万円、減価償却費920百万円、固定資産売却損益631百万円、法人税等の支払額498百万円、棚卸資産の増加額468百万円の計上などにより775百万円の収入(前年同期は2,009百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出1,329百万円、有形固定資産の売却による収入697百万円などにより712百万円の支出(前年同期は468百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは62百万円の収入(前年同期は1,541百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額435百万円などにより453百万円の支出(前年同期は456百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
耐摩耗工具関連事業
12,501
100.4
(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は当期製品製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
耐摩耗工具関連事業
17,654
104.1
2,644
121.9
(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。
製品区分
販売高(百万円)
前年同期比(%)
超硬製工具類
4,571
105.2
超硬製金型類
4,219
105.9
その他の超硬製品
4,261
100.1
超硬以外の製品
4,127
96.2
合計
17,179
101.8
(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績等は、売上高は17,179百万円、営業利益は1,150百万円、経常利益は1,225百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,292百万円となりました。当連結会計年度の売上高は、超硬製工具類につきましては、一部の半導体関連需要が続いたことにより、関連工具の販売が堅調に推移しました。超硬製金型類につきましては、車載電池用金型の販売が好調に推移し、光学素子成型用金型や製缶金型の販売も堅調に推移しました。その他の超硬製品につきましては、中国向け素材販売が景気低迷の影響を受け低調に推移したものの、一部の半導体関連需要が継続し関連する製品の販売が堅調に推移しました。超硬以外の製品につきましては、セラミックス工具の販売が堅調に推移したものの、自動車部品用鋼製金型や引抜鋼管の売上が低調に推移し、前年を下回りました。この結果、連結売上高は17,179百万円(前連結会計年度比1.8%増、目標比1.0%減)となりました。また、当社グループは中長期的な成長に向けて海外売上の拡大を目標としており、引き続き経済成長が見込まれるアジア地域を中心に積極的な販売活動を行い、海外売上高は3,395百万円(前連結会計年度比4.9%増)、アジア地域への売上高は2,989百万円(前連結会計年度比3.6%増)となり、海外売上高及びアジア地域への売上高ともに増加いたしました。当連結会計年度の営業利益は、原材料高等によるコスト増加の影響があったものの、売上高の増加に加え、生産性向上や価格改定等により営業利益は1,150百万円(前連結会計年度比3.3%増、目標比0.9%増)となりました。当連結会計年度の経常利益は、営業利益が対前連結会計年度、対目標ともに上回り、1,225百万円(前連結会計年度比1.9%増、目標比97.2%増)となりました。これに伴い当社グループが重視する経営指標の一つであります売上高経常利益率は7.1%となり、当連結会計年度の目標であった7.0%を0.1ポイント上回りました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産の譲渡による特別利益を計上したことにより、1,292百万円(前連結会計年度比63.4%増、目標比57.6%増)となり、対前連結会計年度、対目標ともに上回る結果となりました。これに伴い、当社グループが重視する経営指標の一つでありますROE(自己資本当期純利益率)は6.5%となり、当連結会計年度の目標であった4.2%を2.3ポイント上回りました。当連結会計年度におきましては、資源価格や物価上昇等コスト増加に対応すべく価格改定を進めるとともに、生産効率向上・製造原価低減の各種施策を進めた結果、当社グループの重視する経営指標である売上高経常利益率、ROEともに目標を上回りました。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおり、筋肉質な企業体質への転換、中長期の成長基盤の構築を目指して、生産性向上・業務効率化、次世代自動車への対応・拡販、新成長エンジンの創出、海外事業の強化の諸施策についてなお一層努めてまいります。なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。当社グループは事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており、また、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金についても調達することが可能と考えております。またコミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。当社におけるコミットメントライン契約の状況につきましては、以下のとおりであります。コミットメントライン契約 10億円(当連結会計年度末の借入実行残高はありません)
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a)仕掛品(完成粉末を除く)の評価仕掛品(完成粉末を除く)の評価に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(b)繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより行っております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っており、また中期経営計画の見積期間を超える期間の課税所得については、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(c)退職給付債務の算定当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、予想昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等の様々な計算基礎があります。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定は加重平均期間アプローチによる方法により算出しております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(6)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(d)減損会計における将来キャッシュ・フロー減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(1百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額により算定しております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
