【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化や欧米との金利差による円安の加速により資源・エネルギーの輸入価格が高騰するなど厳しい状況にありました。
わが国のみがき棒鋼及び冷間圧造用鋼線業界の主要需要家である自動車業界では、昨年からの半導体不足が解消されないことに加え、中国ロックダウンによる部品供給不足により、自動車生産は当初予想より大幅なマイナスが続いております。
また、鋼材価格は前期に引き続き大幅な値上げ(35千円/トン)が実施され、ガスなどのエネルギー及び副資材も大幅な値上げとなりました。
このような経営環境下、当社グループは全社を挙げて販売数量の確保、固定費の抑制及び生産性の向上により内部コストの圧縮を推し進めるとともに、鋼材価格の値上げに伴う製品販売価格の改定及び加工賃の是正に努め、収益の確保に取り組みました。
これらの結果、販売数量は81千トン(前年同四半期比5.4%減)となりましたが、売上高は17,739百万円(前年同四半期比14.9%増)となり、損益につきましては、加工賃の是正などによる収益改善効果もあり、営業利益は916百万円(前年同四半期比12.4%増)、経常利益は978百万円(前年同四半期比10.8%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は612百万円(前年同四半期比19.0%増)となりました。
事業部門ごとの経営成績は、次のとおりであります。
まず、みがき棒鋼部門におきましては、販売数量は52千トン、売上高は11,865百万円(前年同四半期比13.5%増)となりました。
次に、冷間圧造用鋼線部門におきましては、販売数量は29千トン、売上高は5,873百万円(前年同四半期比17.8%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は19,315百万円となり、前連結会計年度末に比べ884百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が291百万円、有形固定資産が123百万円それぞれ減少いたしましたが、電子記録債権が355百万円、商品及び製品が265百万円、投資有価証券が500百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債の残高は9,378百万円となり、前連結会計年度末に比べ431百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が325百万円、賞与引当金が105百万円それぞれ減少いたしましたが、支払手形及び買掛金が451百万円、短期借入金が235百万円、退職給付に係る負債が60百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は9,936百万円となり、前連結会計年度末に比べ452百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が増加したことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。