【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間における世界経済は、コロナ後のリバウンド需要がけん引している一方、製造業・デジタル関連財の貿易停滞、インフレ率の高止まり等引き続き不透明な状況が続きました。米国では、雇用情勢が良好につき個人消費は底堅く推移していますが、資金調達環境の悪化から設備投資の低迷、製造業が調整局面を迎える等先行きの不透明感が増しております。中国では、ゼロコロナ政策解除後、不動産市況・サービス消費の回復が一巡し、製造業の回復鈍化、輸出の減速の動き、デフレマインド等により景気回復ペースは緩やかとなっております。東南アジアでは、インバウンド需要の回復、サービス業の雇用者回復により内需シェアが高い国々で経済成長が続いておりますが、先行きは外需の不振で不透明感が増しております。国内経済では、新型コロナウイルスの5類感染症移行後、経済活動の正常化が進み、インバウンド需要や消費活動で回復の動きがみられます。一方、製造業における生産活動での一進一退の動きや、外需低迷により輸出が伸び悩んでおります。
このような経済情勢の下、当第2四半期連結累計期間における売上高は2,771億75百万円と前年同四半期比4.2%の減収、利益面においては営業利益が169億6百万円と11.6%の減益、前年同四半期に比べ東南アジアでの倉庫火災に伴う保険金受取や円安による為替差益の剥落により経常利益が181億4百万円と17.1%の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益が114億60百万円と17.4%の減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① 物流事業港湾国際では、国内の海上コンテナ取扱いの減少や、これに伴うヤード内作業・保管作業が減少しました。また、国内外での海上・航空運賃の下落および輸出入取扱いが低調に推移しました。3PL一般では、3PL作業の新規取扱等の増加はありましたが、一般物流では、中国域内での自動車部品・消費財の輸送作業等が低調に推移し、国内では化成品・消費財の取扱いが減少となりました。構内では、中東での一部追加コストの計上がありましたが、国内客先の単価改定の進展や、南米での構内作業の増加、昨年度対応した中東での装置不具合対応コストの剥落で堅調に推移しました。以上の結果、物流事業全体の売上高は1,413億33百万円と前年同四半期比6.4%の減収、セグメント利益(営業利益)は43億76百万円と前年同四半期比10.3%の減益となりました。なお、当第2四半期連結累計期間の売上高に占める割合は51.0%であります。
② 機工事業設備工事では、昨年度完工した鉄鋼関連改修工事・化学関連建設工事やインフラ設備の建設工事等の剥落に加え、メンテナンスでは国内SDM(大型定期修理工事)の工事量がマイナー年による影響で減少しました。以上の結果、機工事業全体の売上高は1,225億57百万円と前年同四半期比3.0%の減収、セグメント利益(営業利益)は113億96百万円と前年同四半期比14.3%の減益となりました。なお、当第2四半期連結累計期間の売上高に占める割合は44.2%であります。
③ その他鉄鋼・化学関連工事への機材・資材貸出しの増加や、システム開発案件の受注・機器販売が増加しました。以上の結果、その他全体の売上高は132億83百万円と前年同四半期比10.5%の増収、セグメント利益(営業利益)は10億29百万円と前年同四半期比23.2%の増益となりました。 なお、当第2四半期連結累計期間の売上高に占める割合は4.8%であります。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産当第2四半期連結会計期間末における流動資産は2,366億27百万円であり、前連結会計年度末に比べ140億1百万円、5.6%減少しました。主な要因は、季節資金等の支払による現金及び預金の減少等によるものです。
② 固定資産当第2四半期連結会計期間末における固定資産は2,348億60百万円であり、前連結会計年度末に比べ38億28百万円、1.7%増加しました。主な要因は、時価の上昇に伴う投資有価証券の増加等によるものです。
③ 流動負債当第2四半期連結会計期間末における流動負債は1,034億53百万円であり、前連結会計年度末に比べ134億8百万円、11.5%減少しました。主な要因は、賞与引当金および未払法人税・消費税の減少等によるものです。
④ 固定負債当第2四半期連結会計期間末における固定負債は885億円であり、前連結会計年度末に比べ37億66百万円、4.1%減少しました。主な要因は、長期借入金の減少等によるものです。
⑤ 純資産当第2四半期連結会計期間末における純資産は2,795億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ70億2百万円、2.6%増加しました。主な要因は、利益剰余金および為替換算調整勘定の増加等によるものです。当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は、前連結会計年度末を2.7ポイント上回る58.6%となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ99億64百万円減少し、408億36百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加額は、30億68百万円となりました。
前年同四半期との比較では、売上債権及び契約資産は回収が進み減少したものの、仕入債務が減少したことに加え、賞与の支払額および法人税・消費税の支払額が増加したこと等により、資金の収入は160億33百万円減少しました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少額は、国内倉庫の新築、建替え等の投資支出により70億21百万円となりました。前年同四半期との比較では、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、資金の支出は11億21百万円減少しました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少額は、83億54百万円となりました。前年同四半期との比較では、短期借入れの調達額が増加したことや社債の償還による支出が無かった一方、長期借入れによる収入が減少したことや自己株式の取得による支出が増加したこと等により、資金の支出は24億89百万円増加しました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社連結グループの主な資金需要は、事業運営に必要な労務費、外注費、材料費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには当社連結グループの設備新設、改修等に係る投資であります。上記以外にも、人の力を最大限に引き出すためのDX推進や、カーボンニュートラルへの対応に加え、当社連結グループの企業価値向上に資するM&A等、新しいビジネスモデル構築のための成長投資の検討も行っております。2027年3月期を最終年度とする中期経営計画2026では、資本効率性を重視しながら、持続的成長と企業価値の最大化の実現を目指します。具体的には、中期経営計画2026の4年間で創出が見込まれる営業キャッシュ・フロー1,800億円に、負債活用600億円を加えた2,400億円を財源に、成長投資に1,600億円、株主還元に800億円を配分する計画です。株主還元については、連結配当性向は40%水準を目安とし、自己株式の取得については、連結総還元性向70%水準(中期経営計画2026の4年間)を目処に適切な時期に実施します。また、自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を目安とし、それを超える株式は原則として消却することを基本方針としております。これらの必要資金は、まずは営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金にて賄い、必要に応じ、適正な範囲内で金融機関からの借入、または社債発行等による資金調達によって対応して参ります。現金及び現金同等物を含む手許の資金流動性につきましては、資金効率の向上に努めるとともに、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保しております。また、急激な金融環境の変化や突発的な資金需要への備えとしては、迅速かつ機動的に資金調達ができるコミットメントライン契約を金融機関と締結しております。なお、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(5) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社連結グループの経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社連結グループが対処すべき課題について、重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(7) 研究開発活動特記すべき事項はありません。