【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、7月以降に新型コロナウイルス感染再拡大があったものの、社会経済活動の正常化は進み、回復基調で推移しました。一方、国際情勢に起因する原材料やエネルギー価格の高騰、円安の進行を背景とする先行き不透明な状況が継続しています。衣料品小売業界においても、個人消費に改善が見られるものの、原材料高、円安の進行や物価上昇による消費者マインドの低下懸念など、厳しい経営環境も続いています。
このような状況の下、当社は2023年3月期のグループ経営方針に「感動提供 すてきな接客 すてきな商品 ヒトのチカラ モノのチカラ」を掲げています。創業以来、経営をはじめ日々の営業活動においても常にお客様視点を判断軸とし、ヒト(接客・サービス)、モノ(商品)、ウツワ(施設・空間・環境)をバランス良く磨き上げることで、お客様に感動を提供してきたことが当社の強みであると認識しています。この強みに一層磨きをかけ、当社の価値創造の基盤となるお客様価値を高めることを起点に、全てのステークホルダーの価値をバランス良く向上させることを目指しています。
「感動提供」の実現に向けて、既存店を回復させることを重点戦略に定め、「感動接客-販売力の底上げ」、「感動クリエイション-商品力の底上げ」、「新たなUAへの挑戦-積極的なトライアンドエラー」に取り組んでいます。
「感動接客」では、お客様の体験価値を高める取り組みを軸に推進しています。当社が強みとする、日々のきめ細かな接客をご評価いただき、お客様からの感謝の件数が前期比で増加、クレーム件数は減少しました。引き続きOMO施策も積極化し、通販サイトでスタッフスタイリングの投稿を増やした結果、コンテンツ経由の売上が計画を上回りました。また、定価販売比率の向上を目指し、店舗在庫を適正化するとともに商品の魅力を的確に伝えています。これらの結果、単体の小売+ネット通販既存店売上高前年同期比は115.5%となりました。
「感動クリエイション」では、品番数を削減しマーチャンダイジングの精度を上げるとともに、1点当たりの商品のクオリティを高めました。これらの施策と販売部門の定価販売比率向上への取り組みが相乗効果を発揮した結果、定価販売比率が前年同期比で大幅に向上し、単体の小売+ネット通販既存店客単価前年同期比が114.5%となりました。
「新たなUAへの挑戦」では、若年層向け商品や新たな法人企画を展開するなど、チャレンジする風土が醸成されつつあります。並行して、新たな挑戦を踏まえた次期中期経営計画の策定を進めています。
これらの重点戦略を下支えしつつ、当社の持続的成長も担保するベース戦略として「ES(*)推進」、「DX推進」、「サステナビリティ推進」の3つの戦略も実行しています。
(*)ES :(Employee Satisfactionの略。従業員満足を指す。)
感動提供の源となる従業員に対する「ES推進」では、従業員のモチベーション向上策を推進しています。昇格制度や報酬設計を見直したほか、従業員の学びへの関心の高まりを背景に教育の拡充を検討しています。加えて、適材適所の配置や異動の活性化に向けたシステムを導入するなど、各種人事施策を検討、実行しています。
「DX推進」では、生産背景の生産性向上を目指し、マーチャンダイジングから生産、物流までをデータで一元管理する仕組みの導入を進めています。自社通販サイトでは、セッション数やアプリのダウンロード数が増加するなど、規模の拡大を図っています。引き続きシステム改修や在庫配分の見直しを進めるなど、課題解決にも取り組んでいます。SNSによるマーケティングにも注力しています。専門チームが主要SNSを活用したPR戦略立案から運用までを担い、お客様とのコミュニケーションを深めています。
当社がお客様や社会から永続的なご支持を得るための「サステナビリティ推進」では、サステナビリティ活動のブランド化を推進しています。当社の活動を「SARROWS」と名付けPRを開始しました。サステナビリティに積極的に取り組んでいる会社であることを、お客様をはじめとするステークホルダーに印象付けることで、当社の企業活動に共感いただくことを目的としています。
出退店については、引き続き慎重に精査を行ったうえで、トレンドマーケットで1店舗の退店、ミッド・トレンドマーケットで1店舗の出店を実施した結果、当第2四半期連結累計期間末の小売店舗数は190店舗、アウトレットを含む総店舗数は216店舗となりました。
連結子会社の状況については、株式会社コーエン(決算月:1月)、海外子会社の台湾聯合艾諾股份有限公司(決算月:1月)とも増収となりました。出退店については、株式会社コーエンは2店舗の出店、3店舗の退店により当第2四半期連結累計期間末の店舗数は86店舗、台湾聯合艾諾股份有限公司は1店舗の出店により当第2四半期連結累計期間末の店舗数は8店舗となっています。
以上により、グループ全体での新規出店数は4店舗、退店数は4店舗、当第2四半期連結累計期間末の店舗数は310店舗となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比13.9%増の57,453百万円となりました。売上総利益は前年同期比20.4%増の29,852百万円となり、売上総利益率は前年同期から2.8ポイント増の52.0%となりました。これは在庫の調達をコントロールし、値引きを抑制したことなどによるものです。販売費及び一般管理費は各項目で売上回復に伴う変動費の増などにより前年同期比3.7%増の28,466百万円となりました。
以上により、当第2四半期連結累計期間の営業利益は1,385百万円(前年同期は営業損失2,648百万円)、経常利益は1,710百万円(前年同期は経常損失2,182百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は1,074百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,994百万円)となりました。
② 財政状態の分析(資産)流動資産は、前連結会計年度末と比較して881百万円(2.3%)増加の39,356百万円となりました。これは、商品が2,502百万円、貯蔵品が238百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が1,616百万円、未収入金が311百万円それぞれ減少したことなどによります。 固定資産は、前連結会計年度末と比較して995百万円(4.7%)減少の20,233百万円となりました。これは、基幹システム刷新に向けた準備などにより無形固定資産が98百万円増加した一方、不採算店舗の見極めによる減損損失の計上や減価償却などにより有形固定資産が293百万円減少したこと、店舗の退店により差入保証金が420百万円減少したこと、および繰延税金資産が252百万円、投資その他の資産のその他が127百万円それぞれ減少したことなどによります。(負債)流動負債は、前連結会計年度末と比較して781百万円(3.1%)減少の24,655百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が3,147百万円、賞与引当金が352百万円それぞれ増加した一方、短期借入金が2,200百万円、未払金が1,317百万円、未払法人税等が200百万円、流動負債のその他が586百万円それぞれ減少したことなどによります。 固定負債は、前連結会計年度末と比較して6百万円(0.2%)増加の4,203百万円となりました。これは、出店などに伴い資産除去債務が6百万円増加したことなどによります。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末と比較して661百万円(2.2%)増加の30,730百万円となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により1,074百万円増加した一方、配当金の支払により341百万円減少したことなどによります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,616百万円減少し、3,977百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果得られた資金は2,531百万円(前年同期は927百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益1,595百万円、減価償却費435百万円、売上債権の減少額462百万円、仕入債務の増加額2,878百万円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額2,740百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果使用した資金は1,506百万円(前年同期は700百万円の支出)となりました。これは主に、基幹システム刷新に向けた準備などに伴う無形固定資産の取得による支出390百万円、自社ネット通販サイトリニューアルに伴う長期前払費用の取得による支出1,283百万円があったこと等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果使用した資金は2,541百万円(前年同期は225百万円の支出)となりました。これは、短期借入金の純減少額2,200百万円および配当金の支払額341百万円があったこと等によるものであります。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動特記事項はありません。
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