【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症への対策や各種政策により社会経済活動の正常化が進み、景気は持ち直しの傾向にあります。しかし、世界的な資源価格の高騰や国際情勢の緊迫、円安の急進などもあり、物価上昇による個人消費の落ち込みが懸念されることから、依然として先行き不透明な状況が続いております。また、海外においては国ごとに状況は異なりますが、タイ王国においては新型コロナウイルス感染症の沈静化を背景に、個人消費の拡大による景気持ち直しの動きが見られました。フィリピン共和国においても同様の状況であるものの、インフレの高進によって個人消費の拡大に鈍化が見られました。国内のノンバンク業界においても、資金需要に持ち直しの動きが見られるものの、国内経済同様に先行き不透明な状況が続いております。また、利息返還請求件数については減少傾向が続いておりますが、外部環境の変化等の影響を受けやすいことから、引き続き動向に留意する必要があります。このような中、当社グループは、お客さまや従業員の安全に配慮しつつ営業活動を継続するとともに、お客さまからの返済相談等に対して柔軟かつ丁寧に対応してまいりました。当社グループは、2023年3月期を初年度とする新中期経営計画を策定いたしました。これを機に、各ステークホルダーへの約束をビジョンとして掲げ、このビジョンの実現に向け3年間で取り組むことを中期方針として定めました。コロナ禍を始めとする外部環境の変化に対応しつつ、ビジョンや中期方針に沿った営業活動を引き続き推進してまいります。また、当社は2022年12月に本社を東京都千代田区から港区へ移転いたしました。働きやすい職場環境の構築とコミュニケーションの更なる活性化を通じて、本社機能の強化にも努めてまいります。当第3四半期連結累計期間における営業収益は、営業貸付金の増加や円安の為替影響により営業貸付金利息が増加したこと等を主因に、2,040億6千万円(前年同期比3.6%増)となりました。また、営業費用は、前年の利息返還損失引当金繰入額の計上(前年同期76億円)が剥落したこと等により、1,334億1千4百万円(前年同期比2.6%減)となりました。その結果、営業利益は706億4千6百万円(前年同期比17.8%増)、経常利益は707億6千6百万円(前年同期比16.9%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税等調整額の増加を主因に443億3千3百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①
ローン・クレジットカード事業国内のローン事業においては、個人消費の持ち直しの動きに伴い、当第3四半期連結会計期間末における当社の営業貸付金は、7,959億8千7百万円(前年同期末比2.2%増・前期末比1.6%増)となりました。また、クレジットカード事業においては、取扱高が増加し、割賦売掛金は993億1千6百万円(前年同期末比16.2%増・前期末比12.9%増)となりました。当第3四半期連結累計期間の業績においては、割賦売掛金の増加に伴い包括信用購入あっせん収益が増加したこと等により、営業収益は1,090億2千万円(前年同期比1.5%増)となりました。また、前年の利息返還損失引当金繰入額の計上(前年同期76億円)が剥落したこと等により営業費用は減少し、営業利益は342億5百万円(前年同期比17.7%増)となりました。
②
信用保証事業
信用保証事業においては、個人消費の持ち直しの動きに伴い、当第3四半期連結会計期間末における当社及びエム・ユー信用保証株式会社の信用保証残高は合算で1兆1,945億7千5百万円(前年同期末比2.7%増・前期末比1.8%増)となりました。 当第3四半期連結累計期間の業績においては、信用保証残高の増加や保証料率の上昇に伴い保証料収入が増加したこと等により、営業収益が490億6千8百万円(前年同期比5.0%増)となったことに加え、貸倒関連費用が減少したこと等により営業費用が減少し、営業利益は197億3千2百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
③
海外金融事業海外金融事業においては、円安の為替影響に個人消費の持ち直しの動きも加わり、タイ王国のEASY BUY Public Company Limitedにおける営業貸付金は、2,137億8千4百万円(前年同期末比17.0%増・前期末比12.4%増)となりました。 当第3四半期連結累計期間の業績においては、営業貸付金利息の増加に円安の為替影響も加わったこと等により営業収益が415億7千8百万円(前年同期比8.5%増)となり、営業利益は156億1千万円(前年同期比23.8%増)となりました。
④
債権管理回収事業債権管理回収事業においては、アイ・アール債権回収株式会社では、金融機関における不良債権処理が減少しつつあることを背景に、買取債権市場において競合環境が激化する中、事業の体質強化や収益力の向上に取り組んでまいりました。 当第3四半期連結累計期間の業績においては、買取債権回収高が減少したこと等により営業収益が41億8千8百万円(前年同期比5.4%減)となったことに加え、貸倒関連費用が増加したこと等により営業費用が増加し、営業利益は10億4千7百万円(前年同期比27.5%減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産は304億4千9百万円の増加、純資産は449億8千5百万円の増加となりました。資産、負債、純資産の増減状況は次のとおりであります。
(資産の部)資産の部については、流動資産が453億4千5百万円の増加、固定資産が148億9千6百万円の減少となり、資産合計では304億4千9百万円の増加となりました。流動資産の主な増加内容は、営業貸付金(378億8千8百万円)、割賦売掛金(113億5千3百万円)などであります。なお、営業貸付金の増加要因には為替影響が含まれております。固定資産の主な減少内容は、繰延税金資産(105億4千8百万円)、本社移転に伴う用途変更により減損損失を計上したことなどによる器具備品の減少(33億3千9百万円)などであります。また、流動資産と固定資産に計上している貸倒引当金は、合計で34億6千万円の増加となりました。
(負債の部)負債の部については、流動負債が56億2千1百万円の増加、固定負債が201億5千8百万円の減少となり、負債合計では145億3千6百万円の減少となりました。主な増減内容は、利息返還損失引当金(215億2千9百万円)、未払法人税等(106億1千5百万円)などの減少、借入金・社債などの資金調達残高(173億4百万円)などの増加であります。
(純資産の部)純資産の部については、利益剰余金の増加により株主資本が302億3千3百万円の増加、為替換算調整勘定の増加などによりその他の包括利益累計額が89億3千9百万円の増加、非支配株主持分が58億1千2百万円の増加となり、純資産合計では449億8千5百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は2.0ポイント増加し44.1%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
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