【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことなどにより、ウィズコロナに向けた社会経済活動の正常化が進み、緩やかな持ち直しの動きがみられました。その一方、長期化するロシアのウクライナ侵攻やインフレ・エネルギー価格の高騰、金利上昇リスクなどが消費行動にも影響を及ぼしており、経済の先行きは不透明な状況で推移しました。住宅業界におきましては、ウッドショックをはじめとした住宅資材の不足と原材料価格の高騰から、弱含んでおります。国土交通省発表の2022年7月から2023年6月までの新設着工数(全国の持家)は240,312戸(前年比13%減)となりました。 このような環境の中、当社グループは「中期経営計画NEXTSTAGE2023」の最終年度として掲げたKPI達成に向け、事業推進いたしました。デジタルマーケティング集客は前年比133%(3か年平均151%成長)と好調であります。YouTubeチャンネル「LibWork ch」は登録者数6万人を超え、総再生回数は2,600万回を突破しました。また、オウンドメディア「リブタイムズ」はYahoo!JAPANタイムラインとの連携が開始され、急速なセッション数の増加に繋がりました。加えて、エリア拡大を進めました。大分県下最大級のショッピングモール内へモデルハウスを出店したほか、千葉県下最大級の総合住宅展示場にモデルハウスを出店し、多数の集客を得ました。前述した2棟のモデルハウスはniko and … とコラボレーションしたモデルハウスであり、このコラボ戦略は顧客層の拡大と新しい集客導線の確立にも繋がりました。なお、エリア拡大は目標としていた35拠点にはわずかに届かなかったものの、34拠点にまで拡大しました。異業種コラボレーションについては、新たに千趣会および再春館製薬所との共同商品開発を進めております。その他、サブスクリプションサービスである「マイホームロボ」にはChatGPTを新機能に加え、サービスレベルを上げたほか、住宅業界初のIPライセンス事業を開始し、「戸建プラットフォーマー」へと加速を開始しました。 一方で、エネルギー価格の高騰をはじめとした物価上昇等による消費マインドの低下を背景に、受注数は足踏み状況で推移しました。また、インフレによる製造原価高騰により、粗利率は25.8%に留まりました。事業成長のための積極的な開発投資、エリア拡大のための設備投資や人材採用等により、販売費及び一般管理費は膨らんでいることから、営業利益への影響がありました。
この結果、当連結会計年度におきましては、売上高は14,183,138千円(前年同期比3.1%増)、営業利益は299,244千円(前年同期比55.1%減)、経常利益は314,094千円(前年同期比55.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は173,540千円(前年同期比61.0%減)となりました。なお、当社グループは戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。(資産)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,234,646千円増加し、8,855,228千円となりました。流動資産については、前連結会計年度末に比べ1,000,996千円増加し、7,445,709千円となり、主な内訳は、未成工事支出金52,479千円の増加、販売用不動産744,066千円の増加、仕掛販売用不動産1,100,279千円の増加があった一方で、現金及び預金が1,000,584千円減少したことであります。また、固定資産については、展示場新設等により前連結会計年度末に比べ233,650千円増加し、1,409,519千円となりました。
(負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,319,950千円増加し、5,540,029千円となりました。流動負債については、前連結会計年度末に比べ1,443,467千円増加し、4,856,752千円となり、主な内訳は、短期借入金の増加1,388,030千円、未成工事受入金の増加75,017千円等によるものであります。また、固定負債については、前連結会計年度末に比べ123,517千円減少し683,276千円となりました。主な内訳は、長期借入金の減少142,500千円であります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ85,304千円減少し、3,315,198千円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加173,540千円、剰余金の配当による利益剰余金の減少141,203千円、自己株式の取得117,801千円の計上等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して990,584千円減少し、1,303,274千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は1,559,862千円(前年同期は138,657千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益314,094千円の計上、仕入債務の増加5,483千円、未成工事受入金の増加75,017千円があった一方で、棚卸資産の増加1,907,701千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は334,168千円(前年同期は281,716千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出316,583千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は903,447千円(前年同期は887,959千円の使用)となりました。これは短期借入れによる収入3,100,800千円、短期借入金の返済による支出1,712,770千円、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出321,138千円、自己株式の取得による支出117,640千円、配当金の支払額141,136千円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、注文住宅及び建売住宅の企画、設計、販売、施工、監理を主な事業内容とする戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。
イ 生産実績当社が営む事業では生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
ロ 受注実績当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
事業部門別の名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
建築請負事業
9,122,319
94.1
6,098,575
97.7
不動産販売事業
4,088,230
86.5
576,528
50.6
合計
13,210,550
91.6
6,675,104
90.5
(注) 金額は販売価格によっております。
ハ 販売実績当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門別の名称
当連結会計年度(自
2022年7月1日至
2023年6月30日)
前年同期比(%)
建築請負事業(千円)
9,164,988
107.7
不動産販売事業(千円)
4,650,024
95.2
その他(千円)
368,126
100.5
合計(千円)
14,183,138
103.1
(注) 主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績等当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。(売上高)当連結会計年度においては、物価上昇等により購買意欲が低下している市況の中、受注数及び販売棟数は前連結会計年度から足踏み状況で推移した一方で、新築販売単価の上昇により、売上高は、14,183,138千円となりました。
(営業利益)当連結会計年度においては、インフレによる資材価格高騰の影響を受け、利益を圧迫し新築注文住宅の粗利率は25.8%に留まりました。また、前連結会計年度に引き続きエリア拡大のため設備投資や人材投資を積極的に実施したことに伴い、人件費及び採用費、減価償却費、ネット広告費などが生じた結果、売上原価は、10,930,146千円、販売費及び一般管理費は2,953,748千円となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は299,244千円となりました。
(経常利益)営業外収益は、受取手数料及び助成金収入などにより52,805千円となりました。また営業外費用は、支払利息及び貸倒引当金繰入額の計上などにより37,954千円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は314,094千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、173,540千円となりました。
ロ 財政状態財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
ハ 資本の財源及び資金の流動性当社グループにおける資金需要の主なものは、販売用不動産の取得及び一般管理費などの運転資金、並びに常設展示場や賃貸用不動産建設などの設備投資資金、その他新規事業投資資金があります。当社グループは現在、これらの資金需要につきましては主に内部資金により充当しておりますが、資金の適正保有水準を維持するため、内部資金に加えて金融機関からの有利子負債による調達も一部行っております。当連結会計年度におきましては、33.0億円を借入金により調達した一方で、借入金20.3億円の返済、社債1.0億円の償還を行いました。また、当社グループは必要資金の安定的かつ機動的な調達を行うため取引金融機関と24.6億円の当座貸越契約を締結しております。
ニ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、住宅性能やデザイン性の向上による高品質高付加価値の住宅提供を行い収益の安定的な成長を目指すとともに、その基盤として一定の財務安全性の維持に努めてまいります。そのため、「自己資本当期純利益率」の向上を目標とし、派生する指標として、収益性の観点から「売上高経常利益率」、「棚卸資産回転期間」、財務安全性の観点から「自己資本比率」を重要な経営指標としております。当連結会計年度における「自己資本当期純利益率」は5.2%、「売上高経常利益率」は2.2%、「棚卸資産回転期間」は157日、「自己資本比率」は37.4%となりました。
ホ 経営戦略の現状と見通し今後の見通しにつきましては、ウィズコロナ時代に突入し、各種の規制緩和により需要拡大が継続すると考えられ、企業収益を取り巻く環境は経済活動正常化へと向かい、景気は緩やかな回復すると見込まれます。その一方で、世界的なインフレの高止まりや金融引き締めによる内需の下振れに加えて、ウクライナ情勢の長期化による資源価格やエネルギー価格の高騰など、景気の先行きについては不透明な状況が続くことが予想されます。また、当社を取り巻く環境としても、建築資材や人件費は依然高騰を続けており、厳しい状況が続くと考えられます。このような環境の中、当社グループは新たに「中期経営計画NEXTSTAGE 2026」を掲げました。以下の3つを全社方針として、業績拡大を目指してまいります。 1.戸建プラットフォーマーへ加速化 2.戸建住宅事業におけるエリア・顧客層・販売チャネル拡大と収益率の改善・拡大 3.「家」を再定義する-未来の家をつくる(3Dプリンターハウス)当社グループは、プランの初期提案をAIがわずか5分でおこなう営業支援のサブスクリプションサービス「マイホームロボ」に加え、住宅業界では初のIPライセンス事業を開始するほか、さまざまな住宅ソリューションサービスを全国の工務店・ビルダーに提供し、戸建プラットフォーマーへ加速化しております。戸建住宅事業においては、エリア拡大は重点エリアに絞ることで、効率的かつシナジー効果を高めるほか、異業種コラボレーションにより顧客層の拡大を目指してまいります。加えて、通販会社との共同商品開発およびその通販チャネルを活用したD2C販売を開始してまいります。また当社は、熊本県を中心に戸建住宅メーカー等への木材供給等を主力事業とする製材加工販売会社である幸の国木材工業株式会社を子会社化しました。同社から木材の安定供給を受けられるほか、グループ全体の原価コスト削減へ直結でき、さらに受託の独自工法の開発への取り組み等、当社グループの経営ビジョンの1つである住宅版SPAモデル・垂直統合モデルの確立に繋げてまいります。そのほか、「家」を再定義する3Dプリンターハウス事業については、当社のMISSIONである「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」を体現すべく、今までにない未来の家を開発いたします。今後の3年間のうちに、モデルハウスの公開から一般販売および全国でのフランチャイズ展開を目指してまいります。上記により、当社グループの連結業績予想は、売上高17,000百万円(前連結会計年度比19.9%増)、営業利益590百万円(同97.2%増)、経常利益600百万円(同91.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益370百万円(同113.2%増)を見込んでおります。なお、当社は株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題の一つであると考えており、中長期的な事業展開に備えた内部留保の充実を図るとともに、安定的な配当の実施に努めていくことを基本方針としております。次期の1株当たり配当金は、普通配当1.6円を四半期毎に予定しており、年間配当は6.4円を予定しております。
