【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による規制が徐々に緩和され、社会経済活動も緩やかに持ち直しが見られましたが、急激な円安による為替相場の変動やロシア・ウクライナ情勢に起因する資源・エネルギーコスト等の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。特に自動車業界においては、世界的な半導体の需給ひっ迫や部品の供給不足により、新車生産台数が落ち込み、国内中古車市場が高止まりするなど、先行き不透明な状況が続きました。
また、中古車業界におきましては、2022年1月から2022年12月までの国内中古車登録台数は3,495,305台(前期比6.3%減)と前年を下回る結果となりました。(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計データ)一方、中古車輸出業界におきましては、2022年1月から2022年12月までの中古車輸出台数は1,235,660台(前期比0.9%増)と前年を上回る結果となりました。(出典:日本中古車輸出協同組合データ)
このような状況の中、当社グループは、従来と同様、自動車市場の拡大が見込まれる東南アジア諸国等を中心に、多国間の貿易ルートを確保、高付加価値化を図ることにより自動車市場の流通の活性化と収益拡大に努めてまいりました。
上記の結果、売上高は29,222百万円(前期比56.6%増)、営業利益は1,458百万円(前期比350.9%増)、経常利益は、1,701百万円(前期比217.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,330百万円(前期比229.9%増)となりました。
なお、当社グループは、自動車販売関連事業の単一セグメントとしております。これに伴い、以下の各項目においては、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末(2021年12月末)と比較して1,755百万円増加して15,957百万円となりました。これは主に、売掛金が1,434百万円減少した一方で、商品及び製品が2,920百万円増加したこと等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して643百万円増加して8,006百万円となりました。これは主に、短期借入金が800百万円増加したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して、1,112百万円増加して7,950百万円となり、自己資本比率は46.8%となりました。これは主に、利益剰余金が1,260百万円増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末(2021年12月末)と比べて142百万円減少し、4,334百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益1,692百万円、売上債権の減少額1,434百万円があった一方で、棚卸資産の増加額2,960百万円、契約負債(前期は前受金)の減少額421百万円、未収入金の増加額383百万円等があったことから、608百万円の支出(前期は2,752百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出17百万円、貸付けによる支出9百万円等があったことから、24百万円の支出(前期は437百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出1,030百万円、自己株式の取得による支出200百万円があった一方で、長期借入れによる収入1,000百万円、短期借入金の増加額800百万円等があったことから、491百万円の収入(前期は135百万円の支出)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を全社共通として記載しております。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
全社共通
28,532,687
185.3
合 計
28,532,687
185.3
(注)当社グループは、単一セグメントとなっております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を全社共通として記載しております。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
全社共通
29,222,584
156.6
合 計
29,222,584
156.6
(注)1.当社グループは、単一セグメントとなっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
PHB AUTO IMPORT
1,810,617
9.7
5,486,037
18.8
USS東京
2,316,363
12.4
2,178,958
7.5
TEDDY AUTO SALE CO.,LTD.
2,842,018
15.2
1,144,036
3.9
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。その他重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、その補足事項については以下のとおりであります。
貸倒引当金の計上基準
貸倒引当金については、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基準とした将来の貸倒予測率より、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
固定資産の減損
固定資産のうち減損処理にあたっては、原則として管理会計上の事業単位で資産をグルーピングしております。固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性
各納税主体の将来課税所得を過去の実績や事業計画等を勘案のうえ合理的に見積、将来の税金負担を軽減する効果を有すると考えられる部分につき回収可能と判断し繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境等の変化や関係法令の改正により将来課税所得の見積り変動が生じた場合には、繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
また新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度における経営成績の分析
a.財政状態及び経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しておりますのでご参照下さい。
b.資本の財源及び資金の流動性
⑴キャッシュ・フロー
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますのでご参照下さい。
⑵資金の需要
更なる企業価値の向上を図るための設備投資、事業投資、債務の返済及び運転資金などの資金需要に備え、資金調達及び流動性の確保に努めています。
⑶資金の調達
自己資金のほか、金融機関からの借入により行っております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照下さい。
④目標とする経営指標の達成状況
当連結会計年度における増収率は56.6%、売上高経常利益率は5.8%、自己資本利益率は19.2%となっており、引き続き当該指標の改善に邁進してまいります。
⑤次期の見通し
当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響下にあるものの、国内外の経済活動は正常化に向かい、景気の持ち直しが期待されております。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や海外経済の減速、資源価格の高騰等、国内外の経済環境は依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。
このような経済環境の中、引き続き東南アジアを中心に中古車輸出事業の販路拡大、当社と連結子会社であるアップルオートネットワーク株式会社の両社のシナジー効果を加速させ、グローバル化とIT化を目標に当社グループ全体の企業価値の向上と持続的成長を果たしていくよう努めてまいります。
次期の見通しにつきましては、売上高21,664百万円、営業利益480百万円、経常利益601百万円、親会社株主に帰属する当期純利益437百万円を見込んでおります。
なお、業績予想数値は、現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通しであり、多分に不確定な要素を含んでおります。実際の業績は、業況等の変化により、当該数値と異なることがあります。
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