【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化している新型コロナウイルス感染症により様々な社会経済活動の制限が続き、新たな変異株の発生により今後の感染再拡大の懸念がある中、原油価格・原材料価格高騰の影響により個人消費の低迷が継続しており、厳しい経営環境が続いております。また、不安定な国際政治情勢による世界経済の混乱や資源価格の高騰などの影響を受け、依然として先行きに不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社グループの主要事業であるスイーツ事業におきましては、引き続き直営部門の収益改善・販売力強化及びブランドの再構築、流通・法人部門における取引先の販売拡大を目的とした流通専用の新商品開発プロジェクト等、経営基盤の強化に向けて取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高2,187,997千円(前年同期比11.2%増)、営業損失112,897千円(前年同期は166,898千円の営業損失)、経常損失49,711千円(前年同期は141,241千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失128,379千円(前年同期は202,131千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は234,523千円減少し、販売費及び一般管理費が同額減少しております。
スイーツ事業(洋菓子のヒロタ)当連結会計年度におきましては、直営店舗において2021年4月からスタートしたアニマルキャラクターシュークリームが好調で、春と秋の動物園フェアにおいて売上獲得に貢献しており、店舗の各種イベントはクリスマスを中心に売上の回復基調が見えてきております。ホールセール部門におきましては、コロナ禍でのスーパーマーケット等の業績上昇が続き、東西流通でのシュークリーム販売が堅調に維持しております。また、売上原価において、2021年4月以降主要原材料が順次値上げとなり、対応策として仕入先変更等を実施しております。また秋からは動力光熱費等が値上傾向にあり、2021年9月と10月より直営店舗の一部商品の価格変更を、2022年2月より主力商品の量目変更を実施し、各種値上げによる費用削減政策を実施してまいりました。(あわ家惣兵衛)直営店舗におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により苦戦が続いていましたが、2021年4月と5月の柏餅が好評に推移し、11月以降イベント等の売上が回復基調となり、お歳暮・年末正月商戦でも好調を維持いたしました。外商におきましては、沖縄首里城復興商品の首里城最中や正月おせちのキャラクター饅頭などが売上に貢献しました。また、工場の生産効率化により売上原価も安定してきましたが、主要原材料等が順次値上げとなっており、2022年5月に全商品価格改定を実施しました。(トリアノン洋菓子店)直営店舗におきましては、2022年3月にアトレ吉祥寺店を出店いたしました。SDGsの取り組みとして立ち上げた新ブランド「ドゥマン・ア・トリアノン」をECサイト及びアトレ吉祥寺店に一部コーナーを設置して展開しております。また、初めての催事を2021年10月、2022年3月に中央線沿線に出店し、既存店を知るお客様より好評を得ており、売上は好調に推移いたしました。既存OEMに関しましては、コロナ禍による受注減を補うべく新規OEMを開拓し、優れた製造技術力が好評を得て売上増に繋がりました。また、主要原材料等の値上げの対策として、2022年3月に全商品価格改定を実施しました。この結果、スイーツ事業(本社費用等を除く)におきましては、売上高は2,161,225千円(前年同期比10.6%増)、主要原材料の値上げ等により営業損失は3,305千円(前年同期は14,054千円の営業損失)となりました。また、MEX商事株式会社におきましては、輸入食品・雑貨等の販売をいたしました。なお、当連結会計年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご確認ください。
② 財政状態の状況(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ425,611千円増加し、976,582千円となりました。これは主として、現金及び預金が344,757千円、その他流動資産が34,893千円増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ50,968千円減少し、362,018千円となりました。これは主として、貸倒引当金が43,077千円減少したものの、長期貸付金が43,507千円、のれんが33,707千円減少したことによるものであります。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ42,862千円増加し、470,530千円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金が17,237千円、買掛金が14,680千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ136,893千円減少し、770,053千円となりました。これは主として、連結子会社の借入金返済による長期借入金が117,060千円、リース債務(固定)が19,845千円減少したことによるものであります。(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ471,620千円増加し、102,801千円となりました。これは主として、2022年1月に株式会社ASHDを割当先とする第三者割当増資による新株の発行により資本金が300,000千円、資本剰余金300,000千円が増加し、親会社株主に帰属する当期純損失128,379千円を計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ344,757千円増加し、554,666千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、143,667千円の支出(前連結会計年度は212,824千円の支出)となりました。主な増加要因は減損損失75,175千円であり、主な減少要因は、税金等調整前当期純損失125,237千円、貸倒引当金の減少額43,077千円,売上債権の増加額24,329千円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、12,001千円の収入(前連結会計年度は82,446千円の収入)となりました。主な増加要因は、長期貸付金の回収による収入42,646千円であり、主な減少要因は、敷金及び保証金の差入による支出18,236千円、有形固定資産の取得による支出14,774千円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、476,423千円の収入(前連結会計年度は260,201千円の収入)となりました。主な増加要因は、2022年1月に株式会社ASHDを割当先とする第三者割当増資による株式の発行による収入594,780千円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出99,823千円、ファイナンス・リース債務の返済による支出18,533千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
スイーツ事業
1,226,369
122.6
合計
1,226,369
122.6
(注) 1. 当社及び連結子会社は、スイーツ事業の単一セグメントであります。2. 金額は、製造原価によっております。
b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
スイーツ事業
56,369
161.2
その他
26,481
71.8
合計
82,851
115.5
(注) 当社及び連結子会社は、スイーツ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
c. 受注実績当社グループ(当社及び連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d. 販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
スイーツ事業
2,161,225
110.6
その他
26,772
206.6
合計
2,187,997
111.2
(注)
当社及び連結子会社は、スイーツ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5
経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。なお、新型コロナウイルスの感染症の拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a. 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ221,239千円増加し、2,187,997千円となりました。これはスイーツ事業において207,425千円の増加、その他で13,813千円増加したことによるものです。(営業損失)当連結会計年度における営業損失は、前連結会計年度に比べ54,000千円減少し112,897千円(前年同期は166,898千円の営業損失)となりました。これは、前連結会計年度に比べ売上原価率が7.4%増加し、売上に対する販売費及び一般管理費の比率が10.7%減少したことによるものであります。
(経常損失)当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ36,416千円増加し74,812千円(前年同期は38,396千円)となりました。これは主として、貸倒引当金戻入額43,077千円、コロナ関連による助成金収入17,577千円によるものであります。営業外費用は、前連結会計年度に比べ1,113千円減少し11,626千円(前年同期は12,740千円)となりました。以上の結果、経常損失は、前連結会計年度に比べ91,530千円減少し49,711千円(前年同期141,241千円の経常損失)となりました。(親会社株主に帰属する当期純損失)当連結会計年度における特別損失は、前連結会計年度に比べ15,782千円増加し、75,526千円(前年同期は59,744千円)となりました。これは主として減損損失75,175千円、固定資産除却損350千円によるものであります。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失128,379千円(前年同期は202,131千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
b. 財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
c. キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d. 資本の財源及び資金の流動性について当社グループの所要資金は経常運転資金とスイーツ事業における工場及び店舗の設備資金となっており、資金調達は金融機関等からの長期借入による間接調達と資本市場からの調達による直接調達で行っております。当連結会計年度におきましては、2022年1月に株式会社ASHDを割当先とする第三者割当増資による新株の発行により600,000千円を調達しております。
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等健全な経営基盤を維持するための財務体質の強化と、スイーツ事業への設備修繕及び更新を実施することによる生産性の向上及び収益の安定化を図るとともに、シナジー効果の期待できる周辺領域企業との提携による事業規模拡大を目的としており、経営指標に関しましては、売上高の拡大と営業利益率の向上を目指してまいりました。当連結会計年度におきましては、業績向上に努めてまいりましたが、売上高は2,187,997千円となり前年同期比11.2%増加し、営業損失112,897千円を計上しました。
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