【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税増税による個人消費マインドの落ち込み、天候不順や相次ぐ台風等の自然災害、原材料費・人件費・物流費の高騰等に加えて、世界経済の貿易摩擦などの影響により、先行きは不透明な状況が続いております。さらには新型コロナウイルス感染症拡大に伴う世界経済の大幅な減速は、わが国経済のみならず世界規模で長期的な影響を生じることが懸念されております。このような環境の中、当社グループの主要事業であるヒロタ事業におきましては、直営部門の収益改善・販売力強化及びブランドの再構築、流通・法人部門における取引先の販売拡大を目的とした流通専用の新商品開発プロジェクト等、経営基盤の強化に向けて取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高1,930,266千円(前年同期比23.4%減)、営業損失164,565千円(前年同期は137,113千円の営業損失)、経常損失155,503千円(前年同期は145,938千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失407,704千円(前年同期は127,503千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、当社グループは、ヒロタ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。ヒロタ事業(洋菓子のヒロタ)当連結会計年度におきましては、春から夏にかけて実施いたしました「艦隊これくしょん~艦これ~」のコラボイベントにて、既存店舗(対象商品の販売は一部限定店舗のみ)及びオンラインショップでの販促に加え、SNS等の活用を行った結果、新規顧客による売上を確保いたしました。しかしながら、例年どおりであれば繁忙期である7月が、冷夏や長梅雨等の影響を受け販売が伸びず、9月には台風15号の影響により千葉工場が12日間にわたって生産停止を余儀なくされる等、天候不順による影響を被りました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための対応要請を受け、直営店舗の休業や営業時間の短縮、予定しておりましたイベント催事の中止等の対応を行い、ホールセール部門におきましては、商談の自粛や取引先量販店のチラシの縮小や中止、小学校休校による給食採用の中止等の影響を受けております。このような状況の中、直営店舗におきましては、新商品の投入、ギフト商品の強化、催事イベントの強化等により店舗の活性化を図り収益改善に努めてまいりましたが、店舗の休業や営業時間の短縮等により売上は低調に推移しました。また、3月に新たな取り組みとして新橋駅前店の洋菓子・和菓子の併設店舗化を実施いたしました。なお、当連結会計年度期間中に新橋駅前店を含めた3店舗のリニューアルを行い、不採算店舗3店舗の退店をいたしました結果、当連結会計年度末の直営店舗数は12店舗となりました。ホールセール部門におきましては、9月の台風15号の影響により12日間にわたる千葉工場の生産停止が大きく響き売上高は昨年を大幅に下回りましたが、収益性の低い取引先を縮小し、12月から発売の流通用の新シューアイスの販売に注力してまいりました。10月からスタートしたOEM生産及びお土産商材におきましては、徐々に取引先を拡大しつつあり、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく響き売上拡大には及びませんでしたが、更なる商品開発による市場開拓を進めております。(あわ家惣兵衛)外商・納品部門におきましては、春先のコラボイベントが好調で昨年の売上を上回りましたが、直営店舗・催事におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、営業時間の短縮による売上の減少、2月22日の猫の日催事の大幅な減少、桜まつりの中止、卒業・入学等のイベント中止による商品予約のキャンセル等大きく影響を受け、減収減益となりました。この結果、ヒロタ事業(本社費用を除く)におきましては、売上高は1,930,266千円(前年同期比4.3%減)、営業損失は56,311千円(前年同期は19,160千円の営業利益)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ460,420千円減少し、498,877千円になりました。(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ221,569千円減少し、381,310千円となりました。これは主として、現金及び預金が150,286千円、売掛金が67,937千円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ234,439千円減少し、112,969千円となりました。これは主として、減損損失を計上したことによる有形固定資産が228,361千円、長期貸付金が41,802千円が減少したことによるものであります。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ87,305千円減少し、372,916千円となりました。これは主として、未払金が38,656千円、買掛金35,752千円減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ35,331千円増加し、293,510千円となりました。これは主として、連結子会社の金融機関の借入による長期借入金が75,252千円増加し、その他が30,958千円減少したことによるものであります。(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ408,446千円減少し、167,549千円の債務超過となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純損失407,704千円を計上したことにより、利益剰余金が407,704千円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ150,286千円減少し、80,085千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、187,140千円の支出(前連結会計年度は262,988千円の支出)となりました。主な増加要因は減損損失236,166千円であり、主な減少要因は、税金等調整前当期純損失404,505千円、未払金の減少額43,163千円、仕入債務の減少額35,752千円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、15,611千円の支出(前連結会計年度は22,596千円の収入)となりました。主な増加要因は、長期貸付金の回収による収入40,975千円であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出29,417千円、投資有価証券の取得による支出19,532千円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、52,465千円の収入(前連結会計年度は253,608千円の収入)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入94,857千円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出21,336千円、ファイナンス・リース債務の返済による支出13,336千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
ヒロタ事業
933,251
94.6
合計
933,251
94.6
(注) 1. 当社及び連結子会社は、ヒロタ事業の単一セグメントであります。2. 金額は、製造原価によっております。3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
ヒロタ事業
39,012
116.2
合計
39,012
116.2
(注) 1. 当社及び連結子会社は、ヒロタ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。 2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績当社グループ(当社及び連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d. 販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
ヒロタ事業
1,930,266
95.7
合計
1,930,266
95.7
(注) 1. 当社及び連結子会社は、ヒロタ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。 2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となり、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況
1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a. 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ589,682千円減少し、1,930,266千円となりました。
これはヒロタ事業において87,598千円の減少、株式会社イルムスジャパンが前連結会計年度末において連結対象外になったことによるイルムス事業の502,083千円の減少によるものであります。(営業損失)当連結会計年度における営業損失は、前連結会計年度に比べ27,452千円増加し164,565千円(前年同期は137,113千円の営業損失)となりました。これは、前連結会計年度に比べ売上原価率が1.0%増加し、売上に対する販売費及び一般管理費の比率が2.1%増加したことによるものであります。
(経常損失)当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ15,787千円増加し19,641千円(前年同期は3,853千円)となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べ2,099千円減少し10,578千円(前年同期は12,678千円)となりました。以上の結果、経常損失は、前連結会計年度に比べ9,564千円増加し155,503千円(前年同期145,938千円の経常損失)となりました。(親会社株主に帰属する当期純損失)当連結会計年度における特別損失は、主に減損損失236,166千円、ヒロタ事業における台風15号の影響による災害による損失12,143千円であり、前連結会計年度に比べ136,588千円増加し、249,634千円(前年同期は113,046千円)となりました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失407,704千円(前年同期は127,503千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
b. 財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
c. キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d. 資本の財源及び資金の流動性について当社グループの所要資金は経常運転資金とヒロタ事業における工場及び店舗の設備資金となっており、資金調達は金融機関からの長期借入による間接調達と資本市場からの調達による直接調達で行っております。当連結会計年度におきましては、当社グループの連結子会社において長期借入金94,857千円調達しており、運転資金を使途としております。
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等健全な経営基盤を維持するための財務体質の強化と、ヒロタ事業への設備修繕及び更新を実施することによる生産性の向上及び収益の安定化を図るとともに、シナジー効果の期待できる周辺領域企業との提携による事業規模拡大を目的としており、経営指標に関しましては、売上高の拡大と営業利益率の向上を目指してまいりました。当連結会計年度におきましては、業績向上に努めてまいりましたが、売上高は1,930,266千円となり前年同期比23.4%減少し、営業損失164,565千円を計上しました。
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