【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済につきましては、地政学リスクの高まりに伴う資源・エネルギー価格の高騰及び諸物価の上昇、欧米諸国を中心とした政策金利の引き上げや急激な為替変動、新型コロナウイルス感染症に伴う一部地域でのサプライチェーンへの影響が残る等、注視すべき状況が継続するとともに、金融引き締めによる世界的な需要収縮懸念及び金融安定性リスクの高まりが懸念される状況にあります。一方、当社が関連する情報通信市場、半導体市場、エレクトロニクス市場については、情報通信技術の拡充に伴うデータ社会への移行や脱炭素社会への取り組みを背景に、中長期的な成長が見込まれております。尚、当社が取り扱う主要貴金属価格につきましては、依然高い水準にあるもののなだらかに下落が続いており、当第3四半期連結累計期間における売上、利益に影響しております。 このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高36,713百万円(前年同四半期比15.6%増)、売上総利益12,943百万円(前年同四半期比1.4%減)、営業利益10,458百万円(前年同四半期比4.3%減)、経常利益10,389百万円(前年同四半期比5.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益7,044百万円(前年同四半期比4.5%増)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。
[電子]
海外の医療用シンチレーター(放射線に当たると、蛍光を発生する物質)に使用される単結晶育成装置向けイリジウムルツボの受注が好調に推移するとともに、単結晶育成装置向けイリジウムルツボのまとまった新規受注及びパワー半導体向け単結晶育成装置に供する機材の新規受注により、売上高6,107百万円(前年同四半期比125.4%増)、売上総利益2,357百万円(前年同四半期比163.9%増)となりました。
[薄膜]
データセンターへの新規投資減速及び在庫調整局面を受けて、データセンター向けに供されるHD向けターゲットの受注が減少し、貴金属原材料の販売利益も減少したことにより、売上高8,407百万円(前年同四半期比12.6%減)、売上総利益3,677百万円(前年同四半期比23.9%減)となりました。
[サーマル]
引き続き半導体需要は底堅く、半導体製造装置メーカーや海外半導体メーカーからの受注が好調に推移するとともに、高付加価値製品へのシフトを進めてきたことから、売上高4,598百万円(前年同四半期比25.0%増)、売上総利益1,563百万円(前年同四半期比38.5%増)となりました。
[ケミカル]
精製・回収(リサイクル)、化学プラント向け触媒、電極向け貴金属化合物及び有機EL向け化合物が堅調に推移しました。一方で、貴金属原材料の販売利益が減少し、売上高14,865百万円(前年同四半期比1.1%増)、売上総利益5,244百万円(前年同四半期比8.7%減)となりました。
[その他]
当社製品の受注に関係しない貴金属原材料の販売は増加した一方で、貴金属価格の高止まりにより原価が上昇したことから、売上高2,734百万円(前年同四半期比163.3%増)、売上総利益100百万円(前年同四半期比80.8%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は80,834百万円(前連結会計年度末比8,172百万円の増加)、総負債は38,846百万円(前連結会計年度末比2,883百万円の増加)、純資産は41,988百万円(前連結会計年度末比5,289百万円の増加)となりました。
①流動資産
当第3四半期連結会計期間末における流動資産残高は60,468百万円となり、前連結会計年度末比7,190百万円増加いたしました。これはデリバティブ債権が929百万円、商品及び製品が456百万円減少し、原材料及び貯蔵品が8,548百万円増加したことが主な要因であります。
②固定資産
当第3四半期連結会計期間末における固定資産残高は20,365百万円となり、前連結会計年度末比982百万円増加いたしました。これは環境省「令和4年度地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業」等に関連してリース資産が898百万円増加したことが主な要因であります。
③流動負債
当第3四半期連結会計期間末における流動負債残高は30,673百万円となり、前連結会計年度末比2,187百万円増加いたしました。これは支払手形及び買掛金1,397百万円、未払法人税等が1,321百万円減少し、短期借入金が5,000百万円増加したことが主な要因であります。
④固定負債
当第3四半期連結会計期間末における固定負債残高は8,172百万円となり、前連結会計年度末比695百万円増加いたしました。これは環境省「令和4年度地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業」等に関連してリース債務が414百万円増加したことが主な要因であります。
⑤純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産残高は41,988百万円となり、前連結会計年度末比5,289百万円増加いたしました。これは利益剰余金が5,264百万円増加したことが主な要因であります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、483百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動において重要な変更はありません。
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