【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、コロナ禍に端を発したサプライチェーンの混乱に伴う物価高に、地政学的イベントを受けた商品価格の高騰や消費需要の本格回復が加わり、近年まれにみるインフレが進行いたしました。こうした事態を受けて、主要中央銀行はそれまでの金融緩和政策を大転換し急激な金利引き上げに乗り出し、その影響から円相場は32年ぶりの円安水準を更新するに至りました。金融引き締めによる世界的な需要収縮や、輸入物価上昇による国内景気下振れが懸念される状況にあります。
かかる状況下、当社が関連する情報通信市場、半導体市場、エレクトロニクス市場については、前述の環境変化を受けて急激な在庫調整に入る市場もある一方で、次世代に向けた新製品の開発が進み、総じて底堅い需要を背景に堅調に推移いたしました。尚、当社が取り扱う主要貴金属価格につきましては、依然高い水準にあるもののなだらかに下落が続いており、当第2四半期連結累計期間における売上、利益に影響しております。
その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高24,270百万円(前年同四半期比15.0%増)、売上総利益9,074百万円(前年同四半期比4.1%減)、営業利益7,507百万円(前年同四半期比6.4%減)、経常利益7,455百万円(前年同四半期比7.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,002百万円(前年同四半期比4.2%増)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
[電子]
貴金属価格の高騰を受け、前期は単結晶育成装置向けイリジウムルツボにおいてはリサイクル受注が中心となっていましたが、当第2四半期連結累計期間においてまとまった新規受注がありました。海外の医療用シンチレーター(放射線に当たると、蛍光を発生する物質)に使用される単結晶育成装置向けイリジウムルツボの受注が堅調に推移するとともに、パワー半導体向け単結晶育成装置に供する機材の新規受注があり、売上高4,455百万円(前年同四半期比116.3%増)、売上総利益1,775百万円(前年同四半期比152.8%増)となりました。
[薄膜]
データセンターへの新規投資減速及び在庫調整局面を受けて、データセンター向けに供されるHD向けターゲットの受注が減少し、貴金属原材料の販売利益も減少したことから、売上高5,181百万円(前年同四半期比19.5%減)、売上総利益2,399百万円(前年同四半期比29.0%減)となりました。
[サーマル]
引き続き半導体需要は旺盛であり、半導体製造装置メーカーや海外半導体メーカーからの受注が好調に推移するとともに、高付加価値製品へのシフトを進めてきたことから、売上高3,174百万円(前年同四半期比24.9%増)、売上総利益1,047百万円(前年同四半期比27.2%増)となりました。
[ケミカル]
精製・回収(リサイクル)、化学プラント向け触媒、有機EL向け化合物及び電極向け貴金属化合物いずれの受注も堅調に推移しました。一方で、貴金属原材料販売の利益が減少し、売上高10,336百万円(前年同四半期比9.3%増)、売上総利益3,839百万円(前年同四半期比8.7%減)となりました。
[その他]
当社製品の受注に関係しない貴金属原材料の販売は増加した一方で、貴金属価格の高止まりにより原価が上昇したことから、売上高1,121百万円(前年同四半期比86.9%増)、売上総利益13百万円(前年同四半期比96.2%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は77,535百万円(前連結会計年度末比4,873百万円の増加)、総負債は37,587百万円(前連結会計年度末比1,624百万円の増加)、純資産は39,948百万円(前連結会計年度末比3,249百万円の増加)となりました。
①流動資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産残高は58,551百万円となり、前連結会計年度末比5,273百万円増加しました。これは売掛金が1,281百万円、デリバティブ債権が929百万円それぞれ減少しましたが、原材料及び貯蔵品が7,911百万円増加したことが主な要因であります。
②固定資産
当第2四半期連結会計期間末における固定資産残高は18,984百万円となり、前連結会計年度末比399百万円減少しました。これはソフトウェア仮勘定が351百万円、建設仮勘定が167百万円それぞれ増加しましたが、機械装置及び運搬具が992百万円減少したことが主な要因であります。
③流動負債
当第2四半期連結会計期間末における流動負債残高は29,874百万円となり、前連結会計年度末比1,389百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金が3,446百万円減少しましたが、短期借入金が4,500百万円増加したことが主な要因であります。
④固定負債
当第2四半期連結会計期間末における固定負債残高は7,712百万円となり、前連結会計年度末比234百万円増加しました。これは長期借入金が192百万円増加したことが主な要因であります。
⑤純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産残高は39,948百万円となり、前連結会計年度末比3,249百万円増加しました。これは利益剰余金が3,222百万円増加したことが主な要因であります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、3,721百万円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間における項目別のキャッシュ・フローは、次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により使用した資金は2,451百万円となりました。これはキャッシュ・フローの増加要因として、税金等調整前四半期純利益が7,455百万円、売上債権の減少が1,256百万円ありましたが、キャッシュ・フローの減少要因として、棚卸資産の増加が7,530百万円、仕入債務の減少が3,446百万円あったことが主な要因であります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により使用した資金は995百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出が726百万円、無形固定資産の取得による支出が266百万円あったことが主な要因であります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により獲得した資金は3,297百万円となりました。これは配当金の支払額が1,770百万円、長期借入金の返済による支出が1,314百万円がありましたが、短期借入金の増加が4,500百万円、長期借入れによる収入が1,900百万円あったことが主な要因であります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は313百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動において重要な変更はありません。
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