【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における世界経済は、各国のウィズコロナ政策により正常化に向かいましたが、ウクライナ情勢等の長期化によるエネルギー・原材料価格の高騰や世界的なインフレ進行などの影響により、景気の減速が懸念されました。日本経済も、経済社会活動の正常化に伴う回復が見られたものの、エネルギー・原材料価格の上昇や為替相場の急激な変動など、先行き不透明な状況が継続しました。このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、お客様が求める商品・ブランド力のある商品創りに注力してまいりました。具体的には感染症対策製品、省エネルギー関連製品、環境対応製品、防災関連製品、生活関連製品、インフラ整備関連製品などの重点分野、およびグローバル化へ積極的な事業展開を推進するとともに、継続してコストダウンおよび省エネルギー・廃棄物の削減に取り組んでまいりました。その結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、価格改定の効果もあり、売上高63,050百万円(前年同四半期比12.9%増)となりました。営業利益は、エネルギー・原材料価格や物流費の上昇、円安の影響等への対応として、一層のコストダウン活動や価格改定を推進しましたが、コスト上昇分を補うには至らず49百万円の営業損失(前年同四半期は1,019百万円の営業利益)となりました。経常利益は、前年同四半期に比べ1,038百万円減少し、409百万円(前年同四半期比71.7%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期に比べ804百万円減少し、78百万円(前年同四半期比91.1%減)となりました。
②セグメントごとの経営成績の状況セグメントの業績は、次のとおりであります。当社は主に企業向けの中間財と最終消費者向けの消費財を製造、販売しております。消費財がもつ当社のブランド力を中間財の拡販に有効活用していくためにも、今後、消費財への注力は重要との観点から、消費財・中間財に区分して記載しております。なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
〈シューズ事業〉◆消費財主力であるジュニアスポーツシューズ「瞬足」、世界有数のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」が好調に推移しましたが、全体としては前年並みの売上となりました。シューズ事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は8,403百万円と前年同四半期に比べ95百万円の増収(前年同四半期比1.1%増)となりました。セグメント損失は、販売が堅調に推移する中で、販売費の削減効果もありましたが、円安による仕入コストの増加により723百万円(前年同四半期は494百万円のセグメント損失)となりました。
〈プラスチック事業〉◆中間財車輌内装用資材は、半導体不足等による自動車メーカーの生産調整が世界的に改善し、好調に推移しました。化成品は、中国でのロックダウンや欧州エネルギー事情などの影響により、国内外でエレクトロニクス用、エクステリア用フィルムが苦戦しましたが、北米での医療用フィルムは大きく伸長しました。建装資材は、床材・壁材がともに好調に推移しました。価格改定の効果も含めた中間財の売上高は30,364百万円と前年同四半期に比べ5,426百万円の増収(前年同四半期比21.8%増)となりました。◆消費財防災対策商品は、国内では苦戦しましたが、米国向けゴムボートは好調に推移しました。価格改定の効果も含めた消費財の売上高は2,052百万円と前年同四半期に比べ362百万円の増収(前年同四半期比21.4%増)となりました。プラスチック事業全体の当第3四半期連結累計期間の売上高は32,416百万円と前年同四半期に比べ5,789百万円の増収(前年同四半期比21.7%増)となりました。セグメント利益は、販売が好調に推移したことによる利益の増加はありましたが、価格改定時期の遅れ等により、エネルギー・原材料価格や物流費上昇のコスト増を補うことができず、前年同四半期に比べ201百万円減少の1,860百万円(前年同四半期比9.8%減)となりました。
〈産業資材事業〉◆中間財ウレタンは、車輌用が回復しましたが、寝具用は苦戦しました。断熱資材は、ボード製品、パネル製品、スチレン製品ともに低調に推移しました。工業資材は、半導体分野向けウエハー搬送用部材が国内、海外向けともに好調に推移しました。価格改定の効果も含めた中間財の売上高は21,601百万円と前年同四半期に比べ1,250百万円の増収(前年同四半期比6.1%増)となりました。産業資材事業全体の当第3四半期連結累計期間の売上高は22,230百万円と前年同四半期に比べ1,327百万円の増収(前年同四半期比6.3%増)となりました。セグメント利益は、販売が苦戦したことに加え、価格改定時期の遅れ等により、エネルギー・原材料価格や物流費上昇のコスト増を補うことができず、前年同四半期に比べ477百万円減少の764百万円(前年同四半期比38.5%減)となりました。
③財政状態当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産は89,286百万円で前連結会計年度末に比較して9,163百万円増加しました。資産の部では、流動資産は51,354百万円となり前連結会計年度末に比較して6,925百万円増加しました。これは主に、商品及び製品が2,509百万円、原材料及び貯蔵品が1,450百万円、電子記録債権が1,318百万円、売掛金が924百万円増加したことによります。固定資産は37,931百万円となり前連結会計年度末に比較して2,237百万円増加しました。これは主に、有形固定資産が2,134百万円増加したことによります。負債の部では、流動負債は28,011百万円となり前連結会計年度末に比較して3,604百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が275百万円、未払金が234百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が2,877百万円、短期借入金が700百万円、電子記録債務が609百万円増加したことによります。固定負債は12,647百万円となり前連結会計年度末に比較して4,658百万円増加しました。これは主に、長期借入金が4,500百万円増加したことによります。純資産の部は48,627百万円となり、前連結会計年度末に比較して899百万円増加しました。これは主に、自己株式の取得により589百万円、利益剰余金が547百万円減少しましたが、為替換算調整勘定が2,414百万円増加したことによります。以上の結果、自己資本比率は54.5%となりました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(3) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は942百万円であります。
(7) 主要な設備①前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完成した設備は、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資額(百万円)
資金調達方法
着手年月
完成年月
完成後の増加能力
阿基里斯(佛山)新型材料有限公司
本社工場(中国広東省)
プラスチック事業
車輌内装用資材製造設備
2,247
自己資金及び借入金
2020年3月
2022年8月
生産能力の増強
(注) 1. 前連結会計年度末の計画では、完成予定は2022年7月でしたが、2022年8月に完成しました。
2. 上記の投資額は、2022年12月31日現在の為替レート(1人民元=19.02円)により換算しております。
②前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に重要な変更があったものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完成予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
提出会社
滋賀第二工場(滋賀県豊郷町)
産業資材事業
ウレタン製造設備
1,526
1,058
自己資金及び借入金
2020年6月
2023年6月
生産能力の増強
(注) 前連結会計年度末の計画から、完成予定年月が2022年9月から2023年6月に変更になりました。