【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策と経済社会活動の両立により回復基調となった一方で、ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー・原材料価格の上昇などの影響がありました。日本経済も、経済活動の正常化に伴う回復が見られたものの、エネルギー・原材料価格の上昇や急激な円安などの影響により、先行き不透明な状況が継続しました。このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、お客様が求める商品・ブランド力のある商品創りに注力してまいりました。具体的には感染症対策製品、省エネルギー関連製品、環境対応製品、防災関連製品、生活関連製品、インフラ整備関連製品などの重点分野、およびグローバル化へ積極的な事業展開を推進するとともに、継続してコストダウンおよび省エネルギー・廃棄物の削減に取り組んでまいりました。その結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高40,800百万円(前年同四半期比12.0%増)となりました。営業利益は、エネルギー・原材料価格や物流費の上昇、円安の影響等への対応として、一層のコストダウン活動や価格改定を推進しましたが、102百万円の営業損失(前年同四半期は608百万円の営業利益)となりました。経常利益は、為替相場が円安に推移したことにより、営業外収益に為替差益の計上がありましたが、前年同四半期に比べ366百万円減少し、489百万円(前年同四半期比42.8%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期に比べ348百万円減少し、166百万円(前年同四半期比67.7%減)となりました。
②セグメントごとの経営成績の状況セグメントの業績は、次のとおりであります。当社は主に企業向けの中間財と最終消費者向けの消費財を製造、販売しております。消費財がもつ当社のブランド力を中間財の拡販に有効活用していくためにも、今後、消費財への注力は重要との観点から、消費財・中間財に区分して記載しております。なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
〈シューズ事業〉◆消費財新型コロナウイルス感染者数減少に伴う市況の回復により、主力である衝撃吸収素材「ソルボセイン」搭載のコンフォートシューズ「アキレス・ソルボ」や、ジュニアスポーツシューズ「瞬足」、世界有数のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」の販売が好調に推移し、前年売上を上回りました。シューズ事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は5,343百万円と前年同四半期に比べ220百万円の増収(前年同四半期比4.3%増)となりました。セグメント損失は、販売が好調に推移する中で、販売費の削減効果もありましたが、円安の進行による仕入コストの増加により564百万円(前年同四半期は425百万円のセグメント損失)となりました。
〈プラスチック事業〉◆中間財車輌内装用資材は、半導体不足等による自動車メーカーの生産が国内では回復基調に推移したものの、北米・中国市場における減産継続の影響により、前年売上を下回りました。化成品は、中国でのロックダウンや欧州エネルギー事情などの影響により、国内外でエレクトロニクス用、エクステリア用フィルムが苦戦しましたが、北米での医療用フィルムの販売が大きく伸長し、前年売上を上回りました。建装資材は、床材、壁材ともに新柄が好調に推移し、前年売上を上回りました。中間財の売上高は19,997百万円と前年同四半期に比べ3,434百万円の増収(前年同四半期比20.7%増)となりました。◆消費財防災対策商品は、エアーテントが伸び悩みましたが、米国向けゴムボートの販売が好調に推移し、前年売上を上回りました。消費財の売上高は1,320百万円と前年同四半期に比べ165百万円の増収(前年同四半期比14.3%増)となりました。プラスチック事業全体の当第2四半期連結累計期間の売上高は21,318百万円と前年同四半期に比べ3,600百万円の増収(前年同四半期比20.3%増)となりました。セグメント利益は、販売が好調に推移したことによる利益の増加がありましたが、原材料価格や物流費の上昇等の影響により、前年同四半期に比べ6百万円減少の1,376百万円(前年同四半期比0.5%減)となりました。
〈産業資材事業〉◆中間財ウレタンは、寝具用ならびに車輌用が低調に推移し、前年売上を下回りました。断熱資材は、戸建住宅向けのボード製品をはじめ、パネル製品、システム製品、スチレン製品が伸長し、前年売上を上回りました。工業資材は、半導体分野向けウエハー搬送用部材が国内、海外向けともに好調に推移し、前年売上を上回りました。中間財の売上高は13,711百万円と前年同四半期に比べ491百万円の増収(前年同四半期比3.7%増)となりました。産業資材事業全体の当第2四半期連結累計期間の売上高は14,138百万円と前年同四半期に比べ548百万円の増収(前年同四半期比4.0%増)となりました。セグメント利益は、原材料価格や物流費の上昇等の影響により、前年同四半期に比べ436百万円減少の420百万円(前年同四半期比51.0%減)となりました。
③財政状態当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産は87,547百万円で前連結会計年度末に比較して7,424百万円増加しました。資産の部では、流動資産は49,979百万円となり前連結会計年度末に比較して5,550百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が1,969百万円、商品及び製品が1,255百万円、売掛金が930百万円、原材料及び貯蔵品が778百万円増加したことによります。固定資産は37,567百万円となり前連結会計年度末に比較して1,873百万円増加しました。これは主に、投資その他の資産が173百万円減少しましたが、有形固定資産が2,002百万円増加したことによります。負債の部では、流動負債は26,133百万円となり前連結会計年度末に比較して1,727百万円増加しました。これは主に、その他流動負債が369百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が1,379百万円、短期借入金が700百万円増加したことによります。固定負債は12,569百万円となり前連結会計年度末に比較して4,580百万円増加しました。これは主に、長期借入金が4,500百万円増加したことによります。純資産の部は48,844百万円となり、前連結会計年度末に比較して1,116百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が459百万円、自己株式の取得により322百万円、退職給付に係る調整累計額が194百万円減少しましたが、為替換算調整勘定が1,987百万円増加したことによります。以上の結果、自己資本比率は55.8%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は9,559百万円(前連結会計年度末比1,970百万円増加)となりました。営業活動の結果、減少した資金は44百万円(前年同四半期は3,376百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費1,581百万円、仕入債務の増加1,311百万円、税金等調整前四半期純利益447百万円等の増加要因と、棚卸資産の増加1,782百万円、その他の負債の減少550百万円、法人税等の支払額497百万円、売上債権の増加434百万円等の減少要因によるものであります。投資活動の結果、減少した資金は2,793百万円(前年同四半期比142百万円支出減)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出2,809百万円によるものであります。財務活動の結果、増加した資金は4,251百万円(前年同四半期は787百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額625百万円の減少要因と、長期借入れによる収入4,500百万円、短期借入金の純増額700百万円の増加要因によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は615百万円であります。
(8) 主要な設備①連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完成した設備は、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資額(百万円)
資金調達方法
着手年月
完成年月
完成後の増加能力
阿基里斯(佛山)新型材料有限公司
本社工場(中国広東省)
プラスチック事業
車輌内装用資材製造設備
2,406
自己資金及び借入金
2020年3月
2022年8月
生産能力の増強
(注) 1. 前連結会計年度末の計画では、完成予定は2022年7月でしたが、2022年8月に完成しました。
2. 上記の投資額は、2022年9月30日現在の為替レート(1人民元=20.37円)により換算しております。
②連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に重要な変更があったものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完成予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
提出会社
滋賀第二工場(滋賀県豊郷町)
産業資材事業
ウレタン製造設備
1,526
1,058
自己資金及び借入金
2020年6月
2022年12月
生産能力の増強
(注) 前連結会計年度末の計画から、完成予定年月が9月から12月に変更になりました。