【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が低下したことにより経済社会活動も正常化に向かい、景気も緩やかな回復基調となりました。一方、ウクライナ情勢の長期化、欧米でのインフレ抑制に向けた金融引き締め政策に起因する円安の進行、これらに伴う資源価格の高騰による物価上昇懸念等、依然として予断を許さない状況が続いております。
このような環境の中、精密貼合及び高機能複合材部門におきましては、自動車業界及びエレクトロニクス業界でのディスプレイ化、タッチパネル化ニーズを取込み、当社の精密貼合技術を活用した加工ビジネスを拡大してまいりました。しかし車載関連、エレクトロニクス関連での受注状況は外国為替の影響により商流が変化する等、市場環境は厳しい状況となっております。環境住空間及びエンジニアリング部門におきましては、太陽光発電事業は引き続きOEM供給を中心とした生産を実施、エンジニアリング部門では、機械製造販売子会社のプレマテック株式会社との協業が順調に推移し、半導体不足に起因する半導体関連設備の需要増にも対応することで好調を維持しております。
この結果、当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ651百万円増加し、17,485百万円となりました。当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ364百万円増加し、7,659百万円となりました。当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ286百万円増加し、9,826百万円となりました。
また、当第2四半期連結累計期間における経営成績は、売上高6,993百万円(前年同四半期比15.8%減)、営業利益592百万円(同5.7%増)、経常利益613百万円(同4.9%増)を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は431百万円(同1.6%増)となりました。
セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
精密貼合及び高機能複合材部門
国内外におけるディスプレイ・タッチパネル市場は、引き続き各分野でデジタル化が進むことにより、市場規模は拡大基調となっております。一方で、新規参入企業の増加あるいは海外企業の躍進等もあり、市場での競争はより激しくなっております。また、外国為替の影響によりグローバルに製造を実施していた完成品メーカーが商流を見直す等、当社の受注に影響を及ぼす事象も発生しております。今後もセンターインフォメーションディスプレイ、メータークラスターパネル、各種スイッチ類等自動車の電子化・ディスプレイ化は確実に進むことから市場の拡大傾向は続き、スマートフォンの高度化、ディスプレイサイズの大型化等の市場も拡大する中で、当社は精密貼合技術により一層磨きを掛け、最先端生産設備の開発・導入による生産の高度化を実施することにより、難易度の高い技術を求められる用途製品の受注・開発に取組んでおります。
この結果、売上高4,332百万円(前年同四半期比22.5%減)、営業利益108百万円(同17.7%減)となりました。
環境住空間及びエンジニアリング部門
太陽電池の国内市場は、国内制度の変更あるいは海外メーカーの台頭により、国内メーカーにとっては厳しい状況が続いております。そのため当社グループも、コスト削減を進めながら、OEM供給を主軸とし、その中でも製品開発・用途開拓等の開発要素が大きいものに注力してまいりました。また、エンジニアリング部門においてはプレマテック株式会社での部品調達等の長納期化が起きていますが、半導体・液晶関連向け製造装置の受注が順調に推移し好調を維持しております。メカトロニクス技術を活用した省人化あるいは省エネルギー化ビジネスにも引き続き注力しております。
この結果、売上高2,660百万円(前年同四半期比2.2%減)、営業利益482百万円(同13.0%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ542百万円増加の4,239百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、997百万円(前年同四半期は250百万円の獲得)となりました。
これは主として、売上債権の増加269百万円があったものの、仕入債務の増加273百万円、減価償却費259百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、262百万円(前年同四半期は75百万円の獲得)となりました。
これは主として、有形固定資産の売却による収入16百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出259百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、201百万円(前年同四半期は350百万円の使用)となりました。
これは主として、短期借入金の純増加額190百万円があったものの、長期借入金の返済による支出204百万円、配当金の支払額171百万円があったことによるものであります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、149,085千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当第2四半期連結累計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間
(自 令和5年4月1日
至 令和5年9月30日)
前年同四半期比(%)
精密貼合及び高機能複合材部門(千円)
3,973,089
△23.4
環境住空間及びエンジニアリング部門(千円)
1,945,579
△1.4
合計(千円)
5,918,668
△17.3
(注)金額は製造原価によっております。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
②受注実績
当第2四半期連結累計期間の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
(千円)
前年同四半期比(%)
受注残高
(千円)
前年同四半期比(%)
精密貼合及び高機能複合材部門
4,332,815
△22.5
-
-
環境住空間及びエンジニアリング部門
2,315,179
△25.0
1,159,260
△27.4
合計
6,647,994
△23.4
1,159,260
△27.4
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
③販売実績
当第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間
(自 令和5年4月1日
至 令和5年9月30日)
前年同四半期比(%)
精密貼合及び高機能複合材部門(千円)
4,332,815
△22.5
環境住空間及びエンジニアリング部門(千円)
2,660,236
△2.2
合計(千円)
6,993,051
△15.8
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先
当第2四半期連結累計期間
(自 令和5年4月1日
至 令和5年9月30日)
金額(千円)
割合(%)
AGC株式会社
1,749,153
25.0
ウシオ電機株式会社
840,989
12.0