【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に引き下げれられたことでコロナ禍の終息に向けた動きは加速する傾向にあり、個人消費やインバウンド需要が回復の動きを続けて景気は緩やかに持ち直すと予想されます。しかしながら、ウクライナ情勢の泥沼化や円安進行による物価上昇、食料品や生活必需品の値上がりも継続する見通しであり、さらなる企業収益の悪化や家計負担の増加が懸念される状況で推移しました。このような環境の中、当社グループの事業環境におきましては、個人消費や外食需要、インバウンド需要の回復基調を受けて売上を伸ばすことができた反面、海外経済の不安定な動きから、魚粉や小麦粉等の主要原材料、燃料費、輸送費及び資材費などの価格高騰の影響は深刻化する兆しがあり、コスト増によるさらなる収益圧迫が予想されるため、コストカットや販売価格の見直しなどの対応の必要性に迫られています。その結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高29億22百万円(前年同四半期比11.9%増)、営業損失48百万円(前年同四半期は営業損失41百万円)、経常損失18百万円(前年同四半期は経常利益35百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失32百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益42百万円)となりました。セグメント別の経営成績は次の通りです。
①水産事業水産事業におきましては、外食及び業務用向け関連商材の売買が徐々に回復し、鮮魚市場の流通も活発さを取り戻してきています。しかしながら、物価上昇や全体的なコスト増加の影響を受けて魚価は高騰しており、市場が少しでも安い商材を求める傾向にあることから、養殖業者においては養殖魚の種苗導入、飼育及び出荷の調整が難しい状況が続いております。また、養魚用配合飼料の主要原料となる魚粉の価格が、円安進行や新興国の強力な買い付けに起因してこれまでになく高騰しているほか、燃料費や資材費、輸送費といった生産コストが軒並み増加しており、利益が圧縮される動きとなっています。今後も継続するコスト上昇を考慮して、製品価格の再改定実施の判断をせざるを得ない状況で推移しました。エビ飼料類は、値上げにより販売単価が上がっているほか、販売先の養殖在池尾数が多く良好な育成状況であったことから販売も順調に進み、前年同期を上回りました。ハマチ飼料類は、4月の値上げ前に買い込みがあった受託製品の在庫が消化される期間であったことと、八代海で発生した赤潮対策の制限給餌の影響により、前年同期を下回りました。ヒラメ・トラフグ・マダイ飼料類は、値上げにより販売単価が上がっているほか、値上げ前の買い込みで販売数量が増えたことで前年同期を上回りました。魚類種苗生産事業は、取引先での生育状態により出荷時期の遅延が発生したことと1魚種の生産販売を終了したことにより、前年同期を下回りました。クルマエビ養殖事業は、養殖池の整備と種苗の池入れが当期間の主要な業務となり、昨年度からの在庫数量が少なく出荷数量が減少したことから、前年同期を下回りました。魚類養殖事業は、クロマグロの出荷を開始したこととスギの出荷数量も増えたことから、前年同期を上回りました。鮮魚販売事業は、外食等業務用向けの販売は増加傾向にありましたが、量販店向けの販売が減少し、前年同期を下回りました。その結果、売上高は15億96百万円(前年同四半期比14.5%増)、セグメント利益は36百万円(前年同四半期比170.3%増)となりました。
②食品事業食品事業におきましては、人出や物流が回復傾向にあり、量販店や外食産業はコロナ禍前の状況に戻りつつあります。一方で不安定な世界情勢や円安の進行、原料費や資材費、エネルギー関連商材の価格高騰などの影響により、食料品価格の値上がりは続いております。主原料の小麦粉を始め、パーム油や資材、輸送費等が軒並み値上がりしている状況の中で、販売店での拡販競争は今後も厳しいものであることが予想され、コストを適切に転嫁した製品価格改定の再実施の見定めが必要な状況で推移しました。即席麺類は、インバウンド需要の回復傾向を受けてOEM商品やPB商品の販売が増加し、新規取引先での採用などもあったことから、前年同期を上回りました。乾麺類(うどん・そうめん等)は、価格改定の影響を受けて販売数量が減少し、PB商品では内容量変更の影響を受けた販売エリア縮小などもあり、前年同期を下回りました。また、主力商品の皿うどん類は、競合他社との戦略や価格の競争が続くなか、価格訴求品は販売増加したものの、PB商品の販売が減少し、前年同期を下回りました。一方で、ラーメン類は、海外向けOEM商品及びPB商品の受注が大幅に増加し、前年同期を上回りました。カレールー・シチュールー類は、4月に価格改定を実施したものの、量販店への販促や新規導入店での定番商品化が順調に推移し前期を上回りました。穀粉類は、価格改定や原料不足の影響により一部の顧客では販売数量が減少しましたが、新規企画の採用や既存顧客への拡販が出来たことで、前年同期並みで推移しました。かき揚げ類は、原材料価格等の高騰から値上げを実施したことで販売アイテムの移行はありましたが、新規企画の採用や既存品の拡販が順調に推移し、前年同期を上回りました。その結果、売上高は13億26百万円(前年同四半期比8.9%増)、セグメント利益は15百万円(前年同四半期比71.5%減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ3億75百万円増加し、147億42百万円となりました。これは、主として、現金及び預金が1億18百万円増加し、受取手形及び売掛金が3億29百万円増加し、商品及び製品が99百万円増加したことなどによるものです。負債は、前連結会計年度末と比べ3億96百万円増加し、95億47百万円となりました。これは、主として買掛金が1億円増加し、短期借入金が3億53百万円増加したことなどによるものです。純資産は、前連結会計年度末と比べ21百万円減少し、51億95百万円となりました。これは、利益剰余金が67百万円減少し、その他有価証券評価差額金が46百万円増加したことによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。前事業年度の有価証券報告書に記載のとおり、引き続き「コンプライアンス経営」、「品質・安全の追求」、「研究開発の強化」、「海外市場の開拓」に取り組んでまいります。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間のグループ全体の研究開発費の総額は50百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(注)
当第1四半期連結累計期間は、「第4 経理の状況」において四半期連結キャッシュ・フロー計算書を掲げていないため、キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容は記載しておりません。