【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大で受けた経済活動への打撃の影響は残っているものの、政府の経済対策やウィズコロナ生活様式が浸透してきたことにより、個人消費やインバウンド需要の高まりで景気は徐々に回復基調にあります。しかしながらウクライナ情勢の長期化、為替変動及び資源価格上昇等による物価高騰が企業収益力や家計の購買力を低下させており、先行き不透明な状況が続いております。当社グループにつきましては、原油・資源関連の価格上昇等により、魚粉及び小麦粉等の主要原材料価格は高値圏で推移しております。このため、販売価格の見直しや経費削減などを行い収益改善に努めてまいりました。その結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高92億45百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益47百万円(前年同期比85.4%減)、経常利益1億71百万円(前年同期比59.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益95百万円(前年同期比59.3%減)と増収減益になりました。セグメント別の経営成績は次のとおりです。
①水産事業水産事業につきましては、外食及び業務用向けの需要回復により鮮魚市場の流通もコロナ禍前に戻りつつあります。しかしながら、養魚用配合飼料の主要原材料となる魚粉は、海外経済情勢の悪化や新興国の強力な買い付けに起因し、これまでにない高値取引となっているほか、生産関連資材及び輸送費等も高騰しており、収益を圧迫しております。そのため、製品価格の値上げを実施してまいりましたが、依然として厳しい状況が続いております。エビ飼料類は、販売先の養殖在池尾数も多く良好な育成環境であったことから販売も順調に進み、売上高は前年同期を上回りました。しかしながら原材料等価格の高騰が続いているため、昨年12月から値上げを実施しました。ハマチ飼料類は、一昨年のモジャコ(ハマチの稚魚)採捕不漁等により養殖在池尾数が全体的に少なかったことから販売は低調な滑り出しでありましたが、受託製品販売の増加や値上げが浸透したことなどから前年同期を上回りました。ヒラメ・トラフグ・マダイ飼料類は、養殖在池尾数がコロナ禍前の状態に回復し育成環境も良好であったことから販売も順調に進み、また値上げも浸透したことなどから前年同期を上回りました。魚類種苗生産は、ヒラメ・アユ種苗の既存客先の受注が増え順調に推移しました。また、鮮魚販売事業は、仕入先の養殖魚が夏場の高水温等の影響を受け成長不良となったことなどから取引が少なかったため低調に推移しました。クルマエビ養殖事業は、飼育環境(養殖密度、給餌方法及び池の底質保全)の改善を進めており、前年同期を上回りました。魚類養殖事業は、養殖魚種を減らして生産性を高めてまいりましたが、高水温期に発生した病気が長期化したことにより、前年同期を下回りました。その結果、売上高は54億1百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は3億3百万円(前年同期比24.1%減)となりました。
②食品事業食品事業につきましては、政府の行動制限の段階的緩和策により個人消費が押し上げられ、外国人入国の水際対策緩和及び円安進行によりインバウンド需要も回復傾向で推移しました。しかしながら、不安定な世界経済情勢やエネルギー関連商材の高騰などの影響により、食料品や日常生活品を中心に価格の値上がりが続いております。当社グループにおきましても、主原料の小麦粉を始め、生産関連資材及び輸送費等が軒並み高騰しているため、製品価格の見直しを慎重に実施してまいりました。即席麺類は、インバウンド需要が徐々に回復してきたことや価格改定を実施したことなどにより前年同期を上回りました。乾麺類(うどん・そうめん等)は、新規販売店の開拓、価格改定及び規格変更を実施したことなどにより前年同期を上回りました。皿うどん類は、新規取扱店の増加、価格訴求品「H皿うどん」の販売及び新製品「横浜かた焼きそば」も関東エリアを中心として定番導入ができたことにより前年同期を上回りました。また、カップ類の新商品「辛麺風スープ」、「鶏飯風スープ」を販売開始したことや、「おかゆkitchen」がコロナ療養者向け提供食として採用されたことが売上の増加に繋がりました。カレールー・シチュールー類は、他社製品の値上げが進むなか従来価格を維持したことで量販店及び新規導入店への販促が進み順調に推移しました。穀粉類は、新規取引先への販売や既存取引先での新商品導入ができたことなどにより前年同期を上回りました。また、かき揚げ類は、主要取引先である大手小売店からの受注が順調に推移し、業務用商材も回復傾向にあることや値上げを実施したことなどにより前年同期を上回りました。その結果、売上高は38億43百万円(前年同期比5.5%増)、セグメント利益は55百万円(前年同期比76.3%減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ35億8百万円増加し155億91百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金が9億43百万円増加、原材料及び貯蔵品が1億82百万円増加、建物及び構築物(純額)が15億28百万円増加したことなどによるものです。負債は、前連結会計年度末と比べ33億70百万円増加し102億49百万円となりました。これは、主として買掛金が2億74百万円増加、短期借入金が1億72百万円増加、長期借入金が14億74百万円増加したことなどによるものです。純資産は、前連結会計年度末と比べ1億37百万円増加し53億41百万円となりました。これは、主として利益剰余金が60百万円増加、その他有価証券評価差額金が61百万円増加したことなどによるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。前事業年度の有価証券報告書に記載のとおり、引き続き「コンプライアンス経営」、「品質・安全の追求」、「研究開発の強化」、「海外市場の開拓」に取り組んでまいります。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間のグループ全体の研究開発費の総額は1億48百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(※)
当第3四半期連結累計期間は、「第4 経理の状況」において四半期連結キャッシュ・フロー計算書を掲げていないため、キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容は記載しておりません。