【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、各種政策の効果もあって個人消費や企業収益は持ち直しの動きが見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化及び急激な円安は資源価格の高騰及び諸物価全般の上昇を招き、12月の日銀金融政策決定会合において長期金利の変動許容幅が拡大されるなど金融緩和政策修正の兆候も見られました。さらに、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れがわが国の景気を下押しする懸念が生じており、依然として経済は先行き不透明な状況が続きました。
外国為替(以下、「FX」といいます。)市場におきましては変動率が非常に高い水準で推移しました。2022年10月に1米ドル=144円67銭で始まった米ドル/円相場は、市場予想を上回る好調な米経済指標及びバイデン大統領によるドル高容認発言などから一時151円台後半と32年ぶりの水準まで円安が進行しました。その後は日銀の為替介入などにより145円台まで円が買い戻されるなど相場は乱高下し、11月に入ると米政策金利の一段の引き上げ観測が高まる一方で、FOMCにより米国の利上げペースが鈍化するとの見方から137円台まで円高が進行しました。12月においては米国のインフレ率が市場予想を下回ったことや上記日銀金融政策決定会合の決定を受けて円は130円台まで急騰し、当第3四半期連結会計期間末は1米ドル=131円11銭で取引を終了しました。
このような市場環境のもと、当社グループの主力事業であるFX取引事業を中核とする金融商品取引事業は、子会社であるトレイダーズ証券株式会社(以下、「トレイダーズ証券」といいます。)において、『みんなのFX』(FX証拠金取引)、『LIGHT FX』(FX証拠金取引)、『みんなのシストレ』(自動売買ツールを利用したFX証拠金取引)及び『みんなのオプション』(FXオプション取引)、『みんなのコイン』(暗号資産証拠金取引)、『LIGHT FXコイン』(暗号資産証拠金取引)のサービスを提供し収益確保を図ってまいりました。FX収益を確保する上で重要な指標となるFX顧客からの預り資産は、当第3四半期連結会計期間末において746億74百万円(前連結会計年度末比55億44百万円増、8.0%増)となりました。当第3四半期連結累計期間のトレーディング損益はFX相場の変動率が非常に高い水準で推移したことから、63億88百万円(前年同期比17億2百万円増、36.3%増)と昨年を大きく上回りました。
また、子会社である株式会社Nextop.Asia(以下、「Nextop.Asia」といいます。)が営むシステム開発・システムコンサルティング事業は、トレイダーズ証券向けにFX取引システムの開発及び保守・運用を行うとともに、外部顧客向けにFX取引及び暗号資産証拠金取引に関連したシステム開発を行い収益の確保を図ってまいりました。当第3四半期連結累計期間のシステム開発・システムコンサルティング事業における外部顧客に対する営業収益は、2億70百万円(前年同期比14百万円減、5.2%減)と前年をやや下回る結果となりました。
以上の結果、営業収益合計は、67億36百万円(前年同期比17億19百万円増、34.3%増)となり、金融費用、原価等を差し引いた純営業収益合計は、62億11百万円(前年同期比15億41百万円増、33.0%増)となりました。
一方、販売費及び一般管理費は34億73百万円(前年同期比5億8百万円増、17.2%増)となりました。増加の主な要因は、FX取引事業において新規顧客の獲得を図るためTVCMや交通広告などの様々な施策を行ったことで広告宣伝費が増加したことから、取引関係費が17億55百万円(前年同期比4億52百万円増、34.8%増)に増加したこと等によります。
その結果、営業利益は、27億38百万円(前年同期比10億32百万円増、60.6%増)となりました。
営業外収益は、Nextop.Asiaにおける宮城県の企業立地促進奨励金等の助成金収入7百万円等の増加要因があった一方で受取利息及び配当金1百万円(前年同期比10百万円減、87.8%減)等の減少要因により11百万円(前年同期比5百万円減、35.1%減)となりました。営業外費用は、支払利息10百万円(前年同期比0百万円増、4.2%増)及び為替差損4百万円(前年同期比5百万円減、55.1%減)等により、19百万円(前年同期比0百万円減、3.6%減)となりました。
その結果、経常利益は27億30百万円(前年同期比10億27百万円増、60.4%増)となりました。
特別利益は、投資有価証券償還益が発生しなかった(前年同期は76百万円)一方で、投資有価証券売却益14百万円を計上(前年同期は計上なし)した結果、14百万円(前年同期比62百万円減、81.5%減)となりました。特別損失は、貸倒引当金繰入額(前年同期は14百万円)と投資有価証券評価損(前年同期は12百万円)の計上がなかった一方で、事業整理損失引当金繰入額61百万円と新本社への移転に関する費用8百万円を計上(いずれも前年同期は計上なし)した結果、69百万円(前年同期比42百万円増、158.7%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は22億19百万円(前年同期比5億1百万円増、29.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。
(金融商品取引事業)
トレイダーズ証券が営む当セグメントの営業収益は64億60百万円(前年同期比17億36百万円増、36.8%増)、セグメント利益は21億52百万円(前年同期比7億99百万円増、59.0%増)となりました。
なお、FX取引事業の当第3四半期連結会計期間末における顧客口座数、預り資産は以下のとおりとなりました。
顧客口座数
491,018口座(前連結会計年度末比
27,260口座増)
預り資産
746億74百万円(前連結会計年度末比
55億44百万円増)
(システム開発・システムコンサルティング事業)
Nextop.Asiaが営む当セグメントの営業収益は18億55百万円(前年同期比3億13百万円増、20.3%増)となりました。同収益の内訳は、グループ会社であるトレイダーズ証券に対するFX取引及びCFD取引システムの開発・保守運用等の内部売上が15億85百万円(前年同期比3億27百万円増、26.1%増)、外部顧客に対する売上が2億70百万円(前年同期比14百万円減、5.2%減)であります。セグメント利益は6億1百万円(前年同期比1億60百万円増、36.3%増)となりました。
(2)財政状態に関する説明
連結財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して70億91百万円増加し、811億91百万円となりました。これは主に、FXのカバー取引先に対する評価損等の未収債権であるトレーディング商品が11億41百万円減少した一方で、顧客分別金信託が48億91百万円増加したことに加え、短期差入保証金が29億74百万円増加したこと等によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末と比較して53億65百万円増加し、702億14百万円となりました。これは主に、受入保証金が36億17百万円増加したことに加え、FXのカバー取引先に対する評価損等の未払債務であるトレーディング商品が20億62百万円増加したこと等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して17億26百万円増加し109億76百万円となりました。主な増加要因は当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益22億19百万円、譲渡制限付株式報酬としての新株の発行による1億23百万円です。主な減少要因は剰余金の配当3億20百万円、自己株式の取得3億2百万円です。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループの研究開発費は、システム開発・システムコンサルティング事業を営むNextop.Asiaが、金融商品取引システムの開発に関する研究活動を行っており、当事業の当第3四半期連結累計期間における研究開発費は14百万円です。
(6)従業員の状況
当第3四半期連結累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の状況
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(8)設備の状況
①主要な設備の状況
当第3四半期連結累計期間において、新設、休止、大規模改修、除却、売却等により著しい変動があったものは、次のとおりです。
(新設)
会社名
(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
完了年月
提出会社
(東京都渋谷区)
全社(共通)
本社移転に伴う内装設備等
主に人材採用のための設備
2022年12月
②重要な設備の新設等
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設等の計画は、次のとおりです。
会社名
(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
着手及び完了
予定年月
着手
完了
提出会社
(東京都渋谷区)
全社(共通)
本社移転に伴う
内装設備等
2022年10月
2023年春
トレイダーズ証券
(東京都渋谷区)
金融商品取引事業
本社移転に伴う
内装設備等
2022年10月
2023年春
Nextop.Asia
(東京都渋谷区)
システム開発・システムコンサルティング事業
本社移転に伴う
内装設備等
2022年10月
2023年春
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