【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和が進んでおりますが、ウクライナ情勢の長期化、世界的な物価の高騰など、景気の先行きは依然不透明な状況となっております。
当社の属する医療・介護業界においては、オンライン診療の規制緩和措置が拡大し、調剤報酬改定による薬価の下落、在宅分野の点数が強化されるなど、薬局経営においても本格的に在宅医療への参入が求められている状況となっております。
このような経営環境のなか、当社は、企業理念である「患者さん(利用者さん)が24時間365日、自宅で「安心」して療養できる社会インフラを創る」を実現するため、急成長しているきらりプライム事業を今後の事業展開の中核に据え、きらりプライム加盟店の増加、在宅訪問薬局の新規開局、高齢者施設運営事業などの新たな事業、サービスの開発を進めるなどして、当社の目指す「プライマリーケアのプラットフォーム企業」に向け活動しております。当第3四半期累計期間では、在宅訪問薬局事業、きらりプライム事業が伸長いたしましたが、新たな事業や今後の事業拡大に向けた本部機能の強化など先行費用も増加しております。
この結果、当第3四半期累計期間の売上高は4,921百万円(前年同期比15.2%増)となり、利益面では営業利益が398百万円(前年同期比10.5%増)、経常利益が406百万円(前年同期比17.7%増)、四半期純利益が260百万円(前年同期比12.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(在宅訪問薬局事業)
在宅訪問薬局事業では、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、店舗では引き続き感染対策を実施し、患者様及び従業員の健康を守る取り組みを行っております。調剤報酬改定の影響としては、薬価が下落する一方で在宅分野(地域体制加算等)は増加しており、従来の外来型薬局の経営においては厳しさが増すなかで、当社のような在宅患者対応に強みがある企業には追い風となっております。当第3四半期累計期間においては、2022年4月に「きらり薬局清川店」(福岡市中央区)及び「ぴょんた薬局」(北九州市戸畑区)、2022年10月に「きらり薬局馬込沢店」(千葉県船橋市)を開局しました。在宅患者数は、新たな高齢者施設との連携が進捗したことにより、8,438人(前年同四半期末比8.7%増)と好調に推移しております。また、薬歴システムの入れ替えや調剤したお薬の自動監査システムを導入し作業効率を上げ、従業員負荷を下げる投資を実施いたしました。
以上の結果、売上高は4,324百万円(前年同期比13.4%増)、セグメント利益は498百万円(前年同期比19.0%増)となりました。
(きらりプライム事業)
きらりプライム事業は、中小規模の薬局と提携し、効率的な在宅型薬局の運営ノウハウの提供、人材研修、24時間対応のためのオンコール体制の支援、在宅型薬局特化型の在宅訪問支援情報システム(ファムケア)の貸与及び医薬品購入の支援などのサービスを行っております。中小規模の薬局における在宅型薬局へのシフトチェンジが求められるなか、当事業では営業人員の増員、教育による体制の強化及びWeb広告の出稿拡大による加盟店増加施策を実施することにより、当第3四半期累計期間で加盟法人数は579社(前年同四半期末は364社)、加盟店舗数は1,590店舗(前年同四半期末は921店舗)となり、加盟薬局数は引き続き大幅な増加を続けております。また、きらりプライム加盟店に向けた会員webサイトの活用、在宅型薬局で働く薬剤師向けの教育コンテンツの開発など、引き続き加盟店の在宅型薬局運営を支援するサービスの拡充に取り組みました。
以上の結果、売上高は461百万円(前年同期比50.9%増)、セグメント利益は282百万円(前年同期比55.9%増)となりました。
(ケアプラン事業)
ケアプラン事業では、在宅訪問薬局事業、タイサポ事業で生まれた在宅患者、高齢者施設との関係性を生かし営業活動を行っております。当第3四半期累計期間においては、西日本エリア3拠点、東日本エリア1拠点で、各事業所の事業体制強化に取り組み、1事業所及びケアマネジャー一人当たりの稼働を上げ収益性の向上を目指しました。
以上の結果、売上高は99百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は15百万円(前年同期はセグメント損失4百万円)となりました。
(タイサポ事業)
タイサポ事業は、医療介護の専門スタッフが、高齢者施設等への入居を検討される利用者様の医療依存度及び介護度の高さに対応し、その利用者様のご要望などを満たした施設を提案・紹介し、サポートするサービスであります。当第3四半期累計期間においては、医療・介護ネットワーク(医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー及び介護施設との連携網)を強化し、在宅訪問薬局事業及びきらりプライム加盟店へのシナジーを上げることや、新たに開始する高齢者施設運営事業の在宅患者様の入居推進活動に人的リソースを配置することに注力しました。
以上の結果、売上高は32百万円(前年同期比43.1%減)、セグメント損失は15百万円(前年同期はセグメント利益21百万円)となりました。
(その他事業)
当社のその他事業には、ICT事業及び高齢者施設運営事業を含めております。
ICT事業においては、前事業年度に販売したICTディバイスについて高齢者施設の使用に関するフィードバックを得て、入居者のバイタル情報だけでなく、ベッドの離床センサー開発及びウェアラブル端末との統合など、新たな機能を追加開発しており、より高齢者施設の運営効率化につながる改良を続けております。新たに開始する高齢者施設運営事業と連携し、当社が開発したICTディバイスを組み込み、実際の高齢者施設での運用方法を確立し、営業に生かすことで拡販を目指してまいります。
高齢者施設運営事業においては、2023年1月13日に患者様の入居を開始しております。また、当第3四半期累計期間においては、高齢者施設運営事業において介護、看護人材の採用活動を推進したことや本格的な開設準備等により、引き続きコストが先行する形となりました。
以上の結果、売上高は5百万円(前年同期比34.0%減)、セグメント損失は73百万円(前年同期はセグメント損失14百万円)となりました。
②財政状態
(資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は2,142百万円となり、前事業年度末に比べ246百万円増加いたしました。これは主に、当第3四半期会計期間において新型コロナウイルス感染症の増加に伴う処方箋枚数の増加等による売掛金の増加174百万円及び新店舗の開局等による商品の増加106百万円によるものであります。
固定資産は868百万円となり、前事業年度末に比べ233百万円増加いたしました。これは主に、在宅訪問支援情報システム(ファムケア)の改修等による無形固定資産の増加107百万円及び高齢者施設運営事業の「プライマリケアホームひゅうが春日ちくし台」開設に伴うリース資産の増加51百万円によるものであります。
その結果、総資産は3,011百万円となり、前事業年度末に比べ479百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は1,455百万円となり、前事業年度末に比べ220百万円増加いたしました。これは主に、売上増加に伴う仕入増加等により買掛金が134百万円増加したこと及び賞与等一時的な資金の流出に対応するため、短期借入れの実施により短期借入金が100百万円増加したことによるものであります。
固定負債は195百万円となり、前事業年度末に比べ28百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が約定返済等により82百万円減少しましたが、高齢者施設運営事業の「プライマリケアホームひゅうが春日ちくし台」開設に伴う固定負債その他の長期リース債務の増加48百万円によるものであります。
その結果、負債合計は1,651百万円となり、前事業年度末に比べ191百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は1,360百万円となり、前事業年度末に比べ288百万円増加いたしました。これは主に、四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が260百万円増加したことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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