【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は下記のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況a 財政状態当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,410,715千円増加し、100,746,975千円となりました。これは主に減価償却等により、有形固定資産が705,788千円減少したことによるものです。負債は、主に買掛金や未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べ209,625千円増加し、73,962,943千円となりました。なお、短期長期の借入金合計額と社債を合わせた額は、前連結会計年度末に比べ368,598千円減少しております。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ2,201,090千円増加し、26,784,031千円となりました。
b 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響からの持ち直しが見られ、経済活動の正常化が進む一方、緊迫する海外情勢の長期化、急激な円安の進行、物価・エネルギー価格の高騰など、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは、国内外の旅行需要の回復や地域イベントの再開などによる運輸、レジャー・サービス業の利用者の大幅な回復を背景に、各事業において積極的な営業活動と経営の効率化による利益の改善に努めてまいりました。以上の結果、当連結会計年度における営業収益は42,924,509千円(前期比22.3%増)、営業利益は4,243,375千円(前期比457.2%増)、経常利益は4,007,452千円(前期比718.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,318,698千円(前期比516.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(ⅰ) 運輸業鉄道事業につきましては、4月1日より様々な経営環境の変化に即応する機動性を確保しつつ、より地域に密着した営業体制とすることを目的に、「富士急行線」の運営を「富士山麓電気鉄道株式会社」へ承継しました。5月には、「持続可能な鉄道・地域づくり、地域人材の育成などによる地域活性化の実現」を目的に、都留市及び公立大学法人都留文科大学と持続可能な地域づくりの推進に関する連携協定を締結しました。また、地域の魅力発信を目的に、大月市協力のもと人気ゲームとのタイアップイベントを開催したほか、富士五湖エリアでの音楽イベントなどに合わせた特別車両を運行し集客に努めるとともに、期後半は、増加する外国人観光客へのサービス向上と改善に努めました。 バス事業につきましては、乗合バス営業において、富士五湖エリアを中心に国内外の観光客の利用回復に応じた積極的な復便や増便を行い、輸送力の強化に努めました。また、バスロケーションシステムのGoogleとの連携やVisaタッチ決済サービスの導入など、デジタル技術の活用による利便性向上を図りました。高速バス営業につきましては、人流の回復に沿った復便を行うとともに、各方面からの富士五湖発着路線において、増便の運行や時間帯割引、富士急ハイランドと連携した学生向け割引キャンペーンを実施するなど、集客に努めました。 安全対策につきましては、「運輸安全マネジメント」に基づき、安全目標、重点施策を設定するとともに、鉄道事業及びバス事業で不審者侵入を想定した警察署との合同訓練を実施したほか、船舶事業では、初島航路において、海上保安庁及び警察署立会いのもと、海難事故を想定した救命ボート投下訓練などを行いました。また、レジャー・サービス事業も含めたグループ全体で、「5S活動」を展開し、安全意識の基本の再徹底にも努めました。以上の結果、運輸業の営業収益は13,764,403千円(前期比29.9%増)、営業利益は983,828千円(前期は営業損失1,201,839千円)となりました。
鉄道営業成績表(富士山麓電気鉄道㈱)
種別
単位
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)
対前期増減率(%)
営業日数
日
365
-
営業粁
粁
26.6
-
客車走行粁
千粁
1,966
2.5
輸送人員
定期外
千人
1,767
68.3
定期
〃
1,009
△3.5
計
〃
2,777
32.5
旅客運輸収入
定期外
千円
1,167,833
84.3
定期
〃
190,367
2.0
計
〃
1,358,200
65.6
運輸雑収
〃
240,553
64.9
運輸収入合計
〃
1,598,754
65.5
乗車効率
%
15.0
44.2
(注) 乗車効率算出方法延人粁=駅間通過人員×駅間粁程乗車効率=延人粁÷(客車走行粁×客車平均定員)×100
業種別営業成績
種別
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)
営業収益(千円)
対前期増減率(%)
鉄道事業
1,715,914
53.7
バス事業
9,710,040
23.3
索道事業
472,666
123.7
ハイヤー・タクシー事業
1,213,224
24.6
船舶運送事業
652,557
56.0
営業収益計
13,764,403
29.9
(ⅱ) 不動産業不動産販売事業につきましては、山中湖畔別荘地において、「FUJIYAMA hill’s 山中湖」を新規分譲販売するとともに、新築オーダーメイドプラン「サウナランド山中湖」を展開するなど、多様化するお客様のニーズに応えた販売施策を実施し、顧客獲得に努めました。 不動産賃貸事業につきましては、2023年2月に沼津駅南口に商業店舗施設「Plaza Fontana -Numazu Station-」をオープンするなど遊休地の活用を進め、安定的な収益の確保に努めました。以上の結果、不動産業の営業収益は3,353,689千円(前期比2.5%増)、営業利益は923,089千円(前期比12.5%減)となりました。
業種別営業成績
種別
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)
営業収益(千円)
対前期増減率(%)
売買・仲介斡旋事業
513,025
△18.9
賃貸事業
2,023,883
0.6
別荘地管理事業
816,780
30.0
営業収益計
3,353,689
2.5
(ⅲ) レジャー・サービス業遊園地事業につきましては、「富士急ハイランド」において、7月に富士山を一望できる「FUJIYAMAタワー」の展望デッキから一気に滑り降りる絶叫アクティビティ「FUJIYAMAスライダー」の営業を開始し、好評を博したほか、園内中央に多目的広場「セントラルパーク」を整備し、飲食フェアやステージイベント、フリーマーケットを開催するなど、従来の遊園地の枠を超えた様々な楽しみ方を提供しました。開業50周年を迎えた「さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト」では、7月にテレビ番組とタイアップしたアスレチックアトラクション「SASUKEキッズアドベンチャー」をオープンし、集客に努めました。また、関東三大イルミネーションに認定された「さがみ湖イルミリオン」では、人気キャラクター「すみっコぐらし」をテーマにしたエリアを展開し、ファミリー層を中心に多くのお客様にご利用いただきました。富士南麓の遊園地「Grinpa」では、7月に「キッズフジQ」をリニューアルした複合型アクティビティ施設「アソビウム」内に、空中ネットアスレチック「ふわんぽん」をオープンし、魅力向上に努めました。スノーパーク「Yeti」は、10月に屋外スキー場として24年連続で日本一早くオープンするとともに、人気アニメやゲームとのタイアップイベントを開催し、集客に努めました。 ホテル事業につきましては、「ハイランドリゾート ホテル&スパ」において、7月にトーマスルームを2部屋リニューアルオープンし、話題喚起に努めたほか、積極的なセールス展開により、婚礼や宴会などのコンベンション需要が回復しました。また、静岡地区の「熱海シーサイド スパ&リゾート」や「富士宮富士急ホテル」においても、人流の回復により宿泊客が増加しました。 その他のレジャー・サービス事業につきましては、春の風物詩として長年親しまれている「富士芝桜まつり」の開催に続いて、夏期には多彩な花々と富士山の共演を楽しむことができる「虹の花まつり」を初開催するとともに、首都圏最大級の英国式庭園「ピーターラビット™ イングリッシュ ガーデン」をオープンし、集客に努めました。また、十国峠では、富士山や駿河湾を見渡すことのできる山頂エリアを改修し、カフェや展望デッキを整備するなど、魅力向上に努めるとともに、2023年3月には「THE GLAMPING 箱根十国峠」をオープンし、ラグジュアリーなアウトドアスタイルの提案とキャンプ需要の取り込みを図りました。また、2023年3月に、船上から箱根関所や富士山、四季折々の絶景を鑑賞することができ、国内外の観光客から人気を博している「箱根 芦ノ湖遊覧船」事業を当社グループとして譲り受け、事業領域の拡大を図りました。以上の結果、レジャー・サービス業の営業収益は21,888,182千円(前期比20.0%増)、営業利益は2,172,227千円(前期比100.3%増)となりました。
業種別営業成績
種別
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)
営業収益(千円)
対前期増減率(%)
遊園地事業
11,130,235
16.2
ホテル事業
4,940,249
38.8
ゴルフ・スキー事業
1,684,703
10.5
アウトドア事業
2,269,540
0.3
その他レジャー・サービス業
1,863,452
41.9
営業収益計
21,888,182
20.0
(ⅳ) その他の事業富士ミネラルウォーター株式会社では、SDGsへの取り組みとして、紙パック製品の販売強化に加えて、更なる環境負荷低減を図るため、新たに再生ペットボトル製品の販売を開始しました。 株式会社レゾナント・システムズでは、国土交通省のガイドラインに適合した幼児の車内置き去り防止をサポートするシステム「かくにん君」の販売を開始し、多くの受注を獲得しました。以上の結果、その他の事業の営業収益は7,425,617千円(前期比36.7%増)、営業利益は258,637千円(前期は営業損失113,637千円)となりました。
業種別営業成績
種別
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)
営業収益(千円)
対前期増減率(%)
物品販売業
823,747
31.3
建設業
2,898,761
70.1
製造販売業
2,435,878
32.1
情報処理サービス業
467,330
5.5
その他
799,899
△1.6
営業収益計
7,425,617
36.7
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、1,942,157千円増加し、18,985,825千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に対し、減価償却費等を加減した結果、8,974,957千円の資金収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得等により、4,826,046千円の資金支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少やリース債務の返済による支出等により、2,206,753千円の資金支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績当社グループは、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業等、広範囲かつ多種多様な事業を営んでおり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a 資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末における総資産は、主に減価償却等により有形固定資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて2,410,715千円増加し、100,746,975千円となりました。負債は、主に買掛金や未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べて209,625千円増加し、73,962,943千円となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べて2,201,090千円増加し、26,784,031千円となりました。
b 当連結会計年度の経営成績の分析当社グループにおきましては、国内外の旅行需要の回復や地域イベントの再開などによる運輸、レジャー・サービス業の利用者の大幅な回復を背景に、各事業において、積極的な営業活動と経営の効率化による利益の改善に努めた結果、当連結会計年度における営業収益は42,924,509千円(前期比22.3%増)、営業利益は4,243,375千円(前期比457.2%増)となりました。なお、セグメントごとの営業収益及び営業利益の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。経常利益は4,007,452千円(前期比718.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益80,555千円、特別損失に固定資産除却損523,091千円等を計上し、2,318,698千円(前期比516.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは以下を財務戦略の基本方針とし、財務基盤の健全性・安定性の向上、及び資産効率の向上による連結ROA(総資産経常利益率)の向上に努めております。・円滑な事業活動の推進及び経営環境の変化などの事業リスクへの備えとして、長期・安定資金の調達を図り、十分な水準の手元流動性を確保する。・営業活動によるキャッシュ・フローの水準を勘案のうえ、減価償却費の範囲内を目途とし、企業価値の向上に資する設備投資を厳選して行う。・株主に対する利益還元は経営の最重要課題の一つとして認識し、継続的かつ安定的な剰余金の配当を行う。a 資金調達、及び手元流動性について資金調達については、取引金融機関から長期借入金を中心に所要資金の借入を行うほか、社債の発行、リースの活用など市場環境や調達手段のバランスを考慮したうえで、最適な方法を選択して調達を行っております。なお、当社は取引金融機関との間に総額4,000,000千円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の流動性についても確保しております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)の活用による資金の一元管理により資金効率の向上を図っております。当連結会計年度は、取引金融機関より6,301,000千円の長期資金の借入を行うなど安定資金の確保に努めました。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高(連結)は金融機関借入・社債・リース債務等の合計で61,191,683千円となり、前連結会計年度末に比べ1,740,016千円減少いたしました。また現金及び現金同等物は、18,985,825千円となり、1,942,157千円増加いたしました。b 設備投資について設備投資については、企業価値の向上に資する安全・成長投資を行っております。当連結会計年度の設備投資額(資金支出ベース)は、営業活動によるキャッシュ・フロー8,974,957千円の資金収入に対し、5,143,901千円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ610,584千円の支出の増加となりました。c 剰余金の配当について2023年3月期の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
以上により、当連結会計年度末の総資産は100,746,975千円となり、前連結会計年度末に比べ2,410,715千円増加いたしました。また、連結ROA(総資産経常利益率)は前期より3.5ポイント改善し4.0%となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものについて、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定を含め、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
