【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナの下、回復傾向は継続しておりますが、長引くウクライナ情勢問題、欧米諸国のインフレと金融政策、円安の影響などから原材料価格やエネルギー価格は上昇し、物価上昇が続いております。また、強まる人手不足感や海外経済の下振れ懸念を抱え、先行きは楽観できない状況で推移しております。このような状況のもと当社グループといたしましては、引き続きお客様に満足される製品・サービスの提供により、安心・安全な社会の維持に貢献するべく事業活動を行っております。また、前期は赤字決算となったことから、収益性の早期回復を目指し、現在、生産体制の見直し、原価構造の改善、売価の再設定等を進めております。その結果として、売上高は5,101百万円(前年同期比6.5%増)、営業損失77百万円(前年同期は296百万円の営業損失)、経常損失95百万円(前年同期は308百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益21百万円(前年同期は202百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。売上高は、消防・防災事業、航空・宇宙、工業用品事業ともに前年同期と比べ増加となりました。なお、消防・防災事業では、顧客予算との関係から売上高は下期に集中する傾向にあります。利益面は、原材料価格並びにエネルギーコスト上昇の影響は大きいものの、生産体制の見直しの進捗と、航空・宇宙、工業用品事業の受注回復傾向を受け、工場稼働率が向上したことから、前年同期に比べ売上原価率が改善し売上総利益は増加しました。一方、ウィズコロナの下、営業活動の正常化に伴い、販売費及び一般管理費は増加しました。その結果、当第3四半期も営業損失並びに経常損失となりましたが、前年同期比では売上総利益の改善効果もあり、営業損失並びに経常損失は低減しております。特別損益では、経営資源の有効活用及び財政基盤の強化を目的として、不動産賃貸事業の賃貸住宅1棟を売却し、固定資産売却益177百万円を計上しております。また、2022年10月31日を退職日とする希望退職者募集の結果、割増退職金等の事業構造改善費用32百万円を特別損失に計上しております。これらの要因により、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期の損失から利益へ転換いたしました。第3四半期連結累計期間における報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。<消防・防災事業>消防ホース・消火栓ホースともに原材料価格の高騰が考慮され販売単価は上昇しておりますが、消火栓ホースはコロナ禍の反動から点検交換需要増となった前年同期と比べ、販売数量が減少しております。資機材では、コロナ禍の世界的な半導体不足から消防車両の供給遅れも顕在化しており、消防車両積載向け資機材は販売が減少しておりますが、その他の消防防災用品の販売は前年同期を上回っております。利益面は、例年、売上高が下期に集中することから固定費を吸収できず、損失の計上となっております。その結果、売上高2,436百万円(前年同期比2.0%増)、セグメント損失(営業損失)は103百万円(前年同期は158百万円のセグメント損失)となりました。<航空・宇宙、工業用品事業> 航空・宇宙部門は受注回復傾向にあり、当第3四半期までの販売は、エンジン部品及び配管類などの金属製品、シール材などのゴム製品ともに前年同期に比べ増加となりました。工業用品部門では、原油貯蔵施設等の点検改修が活発になっていることからタンクシール交換の販売は大幅に増加しております。子会社における金属加工品も前期から継続して高水準な販売を維持しました。利益面は、販売の増加、生産体制の見直し、工場稼働率の向上などを要因に、前年同期の損失の計上から当第3四半期では利益の計上へ改善しております。その結果、売上高は2,287百万円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益(営業利益)は157百万円(前年同期は28百万円のセグメント損失)となりました。<不動産賃貸事業> ウィズコロナの下、売上高は順調に推移しておりますが、利益面では管理コストが増加しました。なお、賃貸住宅1棟を売却いたしましたが、第3四半期までの損益に重要な影響はありません。その結果、売上高は377百万円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益(営業利益)は98百万円(前年同期比5.6%減)となりました。
(2) 財政状態の分析① 資産 当第3四半期連結会計期間における流動資産は9,363百万円(前連結会計年度末比163百万円減)となりました。主として、棚卸資産が763百万円増加した一方、現金及び預金が381百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が825百万円それぞれ減少したことによるものです。また、固定資産は有形固定資産の取得、売却等により4,476百万円(前連結会計年度末比372百万円減)となりました。 この結果、資産合計は13,839百万円(前連結会計年度末比535百万円減)となりました。② 負債 当第3四半期連結会計期間における流動負債は3,681百万円(前連結会計年度末比469百万円減)となりました。主として、支払手形及び買掛金が703百万円減少したことによるものです。また、固定負債は2,708百万円(前連結会計年度末比71百万円減)となりました。 この結果、負債合計は6,389百万円(前連結会計年度末比540百万円減)となりました。 ③ 純資産 当第3四半期連結会計期間における純資産は7,449百万円(前連結会計年度末比4百万円増)となりました。主として、親会社株主に帰属する四半期純利益21百万円による増加と剰余金の処分24百万円による減少が要因であります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当第3四半期連結会計期間における資金の流動性は、前連結会計年度末に増加していた売上債権の回収進捗と、借入金及び社債を織り交ぜた計画的な資金調達を財源として、適切に確保されていると判断しております。
(4) 経営方針及び目標とする経営指標等目標とする経営指標は、従来、持続的な成長と企業価値の向上という観点から「連結売上高経常利益率8%の維持」としており、投資効率の向上と安定的な収益の確保を目指してまいりました。しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境の変化が大きいことから、まずは安定的な収益率の確保へ注力することとし、当連結会計年度より目標とする経営指標を「連結売上高経常利益率3%以上」に変更しております。なお、経営方針に重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題の重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は148百万円であります。研究開発活動の重要な変更はありません。
(7) 従業員数連結会社及び提出会社の状況に、著しい増減はありません。なお、提出会社である当社は第2四半期連結累計期間に希望退職者の募集を行い、第3四半期連結会計期間に7名が退職しております。
(8) 生産、受注及び販売の実績販売実績の変動については、(1) 経営成績の分析に記載のとおりであり、生産実績及び受注実績についても販売実績の変動に伴うものであります。
(9) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、不動産賃貸事業の建物1棟及び土地を売却しております。