【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の状況 当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比6,203百万円(7.8%)増加して、85,393百万円となりました。流動資産は前期末比3,769百万円(6.1%)増加の65,556百万円、固定資産は前期末比2,434百万円(14.0%)増加の19,837百万円となりました。 流動資産増加の主な要因は、有価証券が4,998百万円前期末より減少した一方、その他が5,766百万円、受取手形及び売掛金が1,867百万円、現金及び預金が968百万円増加したことによるものであります。 固定資産増加の主な要因は、投資有価証券が1,995百万円、建設仮勘定が186百万円、建物及び構築物が140百万円増加したことによるものであります。 当第2四半期連結会計期間末の負債の合計は、前期末比1,570百万円(12.3%)増加の14,290百万円となりました。流動負債は、前期末比994百万円(9.1%)増加の11,917百万円、固定負債は前期末比575百万円(32.1%)増加の2,372百万円となりました。 流動負債増加の主な要因は、賞与引当金が213百万円前期末より減少した一方、その他が664百万円、買掛金が583百万円前期末より増加したことによるものであります。 固定負債増加の主な要因は、繰延税金負債が559百万円前期末より増加したことによるものであります。 当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前期末比4,633百万円(7.0%)増加して71,103百万円となりました。純資産増加の主な要因は、利益剰余金が当四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により4,196百万円増加した一方、配当金の支払により1,015百万円減少したことや、その他有価証券評価差額金が1,118百万円前期末より増加したことによるものであります。 この結果自己資本比率は、前期末の81.7%から81.0%となりました。
(2) 経営成績の状況
① 事業全体の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に変更され行動制限が緩和されたことにより、消費活動の活発化やインバウンド需要の急回復などが見られ、経済活動が緩やかながら回復基調で推移いたしました。一方で世界的な物価上昇に伴う金融引締め等の影響による円安の進行、原材料価格の高騰、高まる地政学リスクの長期化等、景気の先行きが見通しにくい状況であります。当社グループとしましては、世界的な経済環境の不安定さと変動リスクの長期化を踏まえ、引き続き高品質で価格競争力のある製品の開発を行うとともに、新規顧客・用途開拓活動の推進により収益の維持・向上を進めているところであります。以上の結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、当期より台湾の子会社の業績を組み込んだことに伴い売上高21,160百万円(前年同四半期比2.6%増)、営業利益4,523百万円(前年同四半期比5.1%増)、為替差益を1,043百万円計上したものの前年同四半期と比較して減少したことにより経常利益5,958百万円(前年同四半期比4.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,196百万円(前年同四半期比4.4%減)となりました。
② セグメント情報に記載された区分ごとの状況・日本 日本における当第2四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は19,846百万円(前年同四半期比1.8%減)、セグメント利益(営業利益)は4,387百万円(前年同四半期比1.9%増)となりました。 陰イオン界面活性剤の分野につきましては、海外向けは総じて堅調で、国内繊維分野における自動車内装材及びユニホーム分野で回復が見られましたが十分な回復には至っておらず、外部顧客に対する売上高は1,764百万円(前年同四半期比7.0%減)となりました。 非イオン界面活性剤の分野につきましては、海外向けは総じて堅調でしたが、国内繊維分野においては昨年好調であったスポ-ツ関連向けは縮小に転じ、カジュアル衣料向けも引き続き低調でした。国内非繊維分野は物価高による生活雑貨類の消費抑制等の影響もあり前年同期を下回る販売となり、外部顧客に対する売上高は12,285百万円(前年同四半期比0.8%減)となりました。 陽・両性イオン界面活性剤の分野につきましては、国内でのシャンプー・家庭用洗剤向けは好調に推移しましたが海外向けは低調となり、外部顧客に対する売上高は412百万円(前年同四半期比2.6%減)となりました。 高分子・無機製品等の分野につきましては、国内繊維分野では産地・用途により浮き沈みがあるもののスポーツ関連の落ち込みで減少しました。非繊維工業関連では自動車メーカーの生産回復に伴い自動車部品向けの出荷は回復基調となりましたが、欧州の景気悪化、半導体市場減速の影響を受け需要が縮小した用途もあり、結果として前年同期を下回る販売となり、外部顧客に対する売上高は5,383百万円(前年同四半期比2.1%減)となりました。
・アジア アジアにおける当第2四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は1,314百万円、セグメント利益(営業利益)は137百万円となりました。 陰イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は3百万円となりました。 非イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は262百万円となりました。 陽・両性イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は6百万円となりました。 高分子・無機製品等の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は1,042百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況 当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前期末に比べて、13,326百万円減少(前年同四半期は2,981百万円の増加)し、32,551百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは2,026百万円の現金及び現金同等物の増加(前年同四半期は2,318百万円の増加)となりました。 収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益5,956百万円、仕入債務の増加額545百万円、減価償却費473百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加1,893百万円、法人税等の支払額1,691百万円、為替差損益889百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは15,373百万円の現金及び現金同等物の減少(前年同四半期は136百万円の増加)となりました。 収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入510百万円、投資有価証券の償還による収入151百万円であり、支出の主な内訳は、有価証券の取得による支出15,000百万円、定期預金の預入による支出510百万円、投資有価証券の取得による支出320百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは1,001百万円の現金及び現金同等物の減少(前年同四半期は1,134百万円の減少)となりました。 支出の主な内訳は、配当金の支払額990百万円であります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備の新設、改修等に係る投資であります。これらの必要資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により賄うことを基本方針としております。前連結会計年度におきましては、主に日本における本社工場及び静岡工場での設備投資を実施してまいりましたが、当第2四半期連結会計期間以後も継続的にこれらの拠点における設備の新設・更新を行っていく予定であります。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は426百万円であります。