【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の状況 当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比2,255百万円(2.8%)増加して、81,445百万円となりました。流動資産は前期末比1,101百万円(1.8%)増加の62,889百万円、固定資産は前期末比1,153百万円(6.6%)増加の18,556百万円となりました。 流動資産増加の主な要因は、有価証券が19,998百万円、現金及び預金が1,591百万円前期末より減少の一方、預け金が20,996百万円、受取手形及び売掛金が1,395百万円前期末より増加したことによるものであります。 固定資産増加の主な要因は、機械装置及び運搬具が126百万円前期末より減少の一方、投資有価証券が956百万円、建設仮勘定が319百万円前期末より増加したことによるものであります。 当第1四半期連結会計期間末の負債の合計は、前期末比311百万円(2.4%)増加の13,031百万円となりました。流動負債は、前期末比108百万円(1.0%)減少の10,814百万円、固定負債は前期末比420百万円(23.4%)増加の2,216百万円となりました。 流動負債減少の主な要因は、買掛金が569百万円、その他が490百万円増加の一方、未払法人税等が891百万円、賞与引当金が278百万円前期末よりそれぞれ減少したことによるものであります。 固定負債増加の主な要因は、繰延税金負債が421百万円増加したことによるものであります。 当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前期末比1,943百万円(2.9%)増加して68,414百万円となりました。純資産増加の主な要因は、利益剰余金が配当金の支払により1,015百万円減少の一方、当第1四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により2,222百万円増加したことによるものであります。 この結果自己資本比率は、前期末の81.7%から81.8%となりました。
(2) 経営成績の状況
① 事業全体の状況 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に変更され行動制限が緩和されたことにより、経済活動が緩やかながら回復基調で推移いたしました。一方で世界的な物価上昇に伴う金融引締め等の影響による円安の進行、原材料価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻により顕在化した地政学リスクの長期化等、わが国経済を取り巻く情勢は引き続き不透明な状況であります。 当社グループとしましては、世界的な経済環境の不安定さと変動リスクの長期化を踏まえ、引き続き高品質で価格競争力のある製品の開発を行うとともに、新規顧客・用途開拓活動の推進により収益の維持・向上を進めているところであります。 以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は、当期より台湾の子会社の業績を組み込んだことに伴い売上高10,517百万円(前年同四半期比0.2%増)、原材料価格の高騰が影響したことにより営業利益2,178百万円(前年同四半期比2.0%減)、為替差益を713百万円計上したものの前年同四半期と比較して減少したことにより経常利益3,155百万円(前年同四半期比15.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,222百万円(前年同四半期比14.3%減)となりました。
② セグメント情報に記載された区分ごとの状況 前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。ただし、「アジア」セグメントは、実務上前期の数値を組み替えることが困難なため前期比較を記載しておりません。
・日本日本における当第1四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は9,930百万円(前年同四半期比3.4%減)、セグメント利益(営業利益)は2,139百万円(前年同四半期比3.8%減)となりました。陰イオン界面活性剤の分野につきましては、国内繊維における産業資材用途は自動車の生産量は回復してきたものの内装材向けの加工量は引き続き低調でした。衣料用途は底を打ったものの十分な回復には至っておりません。海外向けは総じて堅調で、外部顧客に対する売上高は957百万円(前年同四半期比1.9%増)となりました。非イオン界面活性剤の分野につきましては、国内繊維においては昨年好調であったスポ-ツ関連向けは縮小に転じ、カジュアル衣料向け及び自動車向け資材は引き続き低調でした。他方、非繊維分野は堅調に推移しました。海外向けは総じて堅調で外部顧客に対する売上高は5,986百万円(前年同四半期比7.9%減)となりました。陽・両性イオン界面活性剤の分野につきましては、国内でのシャンプー・家庭用洗剤向けは好調に推移しましたが海外向けは低調となり、外部顧客に対する売上高は219百万円(前年同四半期比3.1%増)となりました。高分子・無機製品等の分野につきましては、繊維工業関連では衣料の国内生産は回復しつつありますがいまだコロナ禍前の数量には戻っておりません。非繊維工業関連では自動車メーカーの生産回復及び海外での拡販が進み前年同期を上回る販売となり、外部顧客に対する売上高は2,766百万円(前年同四半期比5.2%増)となりました。
・アジア アジアにおける当第1四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は586百万円、セグメント利益(営業利益)は44百万円となりました。 陰イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は2百万円となりました。 非イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は123百万円となりました。 陽・両性イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は3百万円となりました。 高分子・無機製品等の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は457百万円となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備の新設、改修等に係る投資であります。これらの必要資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により賄うことを基本方針としております。前連結会計年度におきましては、主に日本における本社工場及び静岡工場での設備投資を実施してまいりましたが、当第1四半期連結会計期間以後も継続的にこれらの拠点における設備の新設・更新を行っていく予定であります。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は215百万円であります。