【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の状況 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比4,328百万円(5.7%)増加して、80,535百万円となりました。流動資産は前期末比4,408百万円(7.3%)増加の64,685百万円、固定資産は前期末比79百万円(0.5%)減少の15,850百万円となりました。 流動資産増加の主な要因は、その他が1,180百万円減少したものの、現金及び預金が3,667百万円、受取手形及び売掛金が890百万円、商品及び製品が657百万円それぞれ前期末より増加したことによるものであります。 固定資産減少の主な要因は、投資有価証券が169百万円、建設仮勘定が81百万円それぞれ増加したものの、機械装置及び運搬具が304百万円、建物及び構築物が51百万円それぞれ減少したことによるものであります。 当第3四半期連結会計期間末の負債の合計は、前期末比433百万円(3.4%)減少の12,380百万円となりました。流動負債は、前期末比576百万円(5.1%)減少の10,828百万円、固定負債は前期末比142百万円(10.1%)増加の1,552百万円となりました。 流動負債減少の主な要因は、その他が416百万円増加したものの、未払法人税等が537百万円、買掛金が293百万円、賞与引当金が162百万円それぞれ前期末より減少したことによるものであります。 固定負債増加の主な要因は、繰延税金負債が132百万円増加したことによるものであります。 当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前期末比4,761百万円(7.5%)増加して68,154百万円となりました。純資産増加の主な要因は、利益剰余金が当四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により5,621百万円増加した一方、配当金の支払により1,132百万円減少したことや、為替換算調整勘定が135百万円前期末より増加したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は前期末の83.0%から84.4%となりました。
(2) 経営成績の状況
① 事業全体の状況 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、各国政府による新型コロナウイルス感染症防止対策と経済活動の両立が進んだことなどから消費や投資が拡大する一方、半導体不足による自動車の減産、原材料価格の高騰、物価の大幅な上昇と、これに対応するため各国が利上げをすすめたことにより景気が冷え込んできております。また、ロシア連邦によるウクライナ共和国への侵攻は収束の気配が見えません。 国内においては物価の大幅な上昇と、外国為替相場では乱高下を繰り返しており先行きの不透明感は更に強まっております。 当社グループとしましては、新型コロナウイルス感染症を主因とする世界的な経済環境の不安定さと変動リスクの長期化を踏まえ、引き続き高品質で価格競争力のある製品の開発を行うとともに、新規顧客・用途開拓活動の推進により収益の維持・向上を進めているところであります。 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、円安による外貨建売上の為替換算の影響により売上高31,094百万円(前年同四半期比14.0%増)、また、原材料価格、光熱費の高騰があったものの、売上高増加が寄与し、営業利益6,435百万円(前年同四半期比59.6%増)、さらに、円安による外貨建預金等の換算替えを行い為替差益を1,089百万円計上したことにより、経常利益7,994百万円(前年同四半期比58.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,621百万円(前年同四半期比56.5%増)となりました。
② セグメント情報に記載された区分ごとの状況・日本 日本における当第3四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は30,435百万円(前年同四半期比13.4%増)、セグメント利益(営業利益)は6,407百万円(前年同四半期比59.4%増)となりました。陰イオン界面活性剤の分野におきましては、国内繊維関連における産業資材用途は自動車の生産量は回復してきたものの、内装材向けの加工量は引き続き低調で、衣料用途は底を打ったものの十分な回復には至っておりません。海外向けは総じて堅調で、外部顧客に対する売上高は2,915百万円(前年同四半期比21.9%増)となりました。非イオン界面活性剤の分野におきましては、国内でのスポ-ツ衣料向けは好調に推移しているものの、カジュアル衣料向けは、低調となっており、自動車向け資材も生産調整により低迷しています。また、非繊維工業分野ではトイレタリー向けは好調でしたが、自動車向けが販売縮小となりました。海外向けは総じて堅調で、外部顧客に対する売上高は18,654百万円(前年同四半期比12.5%増)となりました。陽・両性イオン界面活性剤の分野におきましては、国内での繊維衣料用加工剤やシャンプー・家庭用洗剤向けは好調でしたが、海外向けは低調となり、外部顧客に対する売上高は705百万円(前年同四半期比6.2%減)となりました。 高分子・無機製品等の分野におきましては、繊維工業関連では衣料の国内生産は回復しつつありますが、いまだコロナ禍前の数量には戻っておりません。非繊維工業関連では国内では自動車メーカーの生産調整の影響を受けましたが、海外では拡販が進んで前年同期を上回る販売となり、外部顧客に対する売上高は8,159百万円(前年同四半期比14.7%増)となりました。
・インドネシア インドネシアにおける当第3四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は659百万円(前年同四半期比50.8%増)、セグメント利益(営業利益)は44百万円(前年同四半期比146.0%増)となりました。 非イオン界面活性剤の分野におきましては、既製品が市場の縮小と原材料調達難から減少しつつある一方、新規採用品の売上がそれを補って余りある結果となりました。その結果、外部顧客に対する売上高は410百万円(前年同四半期比41.3%増)となりました。 高分子・無機製品等の分野におきましては、国内では回復基調にあり一部顧客ではコロナ禍前を上回る水準で稼働しております。また海外も昨年より好調に推移しております。その結果、外部顧客に対する売上高は232百万円(前年同四半期比66.8%増)となりました。 陰イオン界面活性剤及び陽・両性イオン界面活性剤の分野におきましては、販売数量、販売金額ともに大きな進展は見られませんでした。その結果、外部顧客に対する売上高はそれぞれ10百万円(前年同四半期比89.3%増)及び6百万円(前年同四半期比218.2%増)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備の新設、改修等に係る投資であります。これらの必要資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により賄うことを基本方針としております。前連結会計年度におきましては、主に日本における本社工場及び静岡工場での設備投資を実施してまいりましたが、当第3四半期連結会計期間以後も継続的にこれらの拠点における設備の新設・更新を行っていく予定であります。
(4)
研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は594百万円であります。