【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、インバウンド需要やサービス消費の回復など社会経済活動が正常化に向かいつつあります。しかしながら、原材料や輸入物価の上昇による消費需要減退の懸念により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループは、中低所得者層を主な顧客層として「新築」「中古」「賃貸」に代わる「第四の選択肢」を提供することを目指し、商品化が難しい築古の戸建物件を取扱い、そのままでは住むことができない状態の物件にリフォームで価値を足して販売しております。
販売面においては、賃貸住宅にお住まいのファミリー層を中心に「低価格で高品質の住宅に住みたい」というニーズは底堅く、お客様からの問い合わせ数(以下、「反響数」)は高い水準が継続しております。販売可能在庫が順調に増加しつつ、お客様からの反響数が堅調に推移した結果、販売件数は前連結会計年度と比較して増加いたしました。また、原材料価格の上昇に伴い販売価格を見直したこと及び都市郊外を中心に販売価格が上昇した結果、前連結会計年度と比較して売上高が増加いたしました。
仕入面においては、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に停滞していた売却査定依頼は感染症拡大以前を上回る水準で推移しております。また、継続した安定成長に向けて、積極的な仕入を行った結果、販売用不動産及び仕掛販売用不動産は前連結会計年度末から増加しております。
利益面においては、都市郊外を中心に1物件当たりの販売価格は従来に比べて上昇したものの、仕入価格の上昇及び耐震適合工事の実施等のリフォーム工事の高度化による工事費用の増加に伴い、売上総利益率は前連結会計年度比2.2ポイント低下いたしました。また、販売費及び一般管理費は、社員のモチベーション向上を図るため決算特別賞与305百万円の支給を決定したことにより人件費が増加し、売上高の増加に伴い仲介手数料も増加いたしました。その他の費用についても引き続きコスト意識を高く持ち運営を行っております。
なお、2023年4月27日公表の「当社子会社に対する名古屋中税務署からの更正通知書受領及び業績予想の修正に関するお知らせ」(2023年5月9日に一部訂正を公表)及び2023年5月25日公表の「当社が提起していた消費税の更正処分等の取消請求訴訟に係る判決に関するお知らせ」に記載のとおり、当連結会計年度において、消費税等差額として特別損失に4,777百万円計上し、一方で法人税、住民税及び事業税を700百万円、法人税等還付税額を797百万円計上しております。
(財政状態)
当連結会計年度の資産合計は、66,304百万円となり、前連結会計年度末の62,644百万円から3,659百万円増加、負債合計は、30,535百万円となり、前連結会計年度末の29,891百万円から644百万円増加、純資産合計は、35,768百万円となり、前連結会計年度末の32,752百万円から3,015百万円増加となりました。
(経営成績)
当連結会計年度の業績については、販売件数は6,927件(前連結会計年度比13.2%増)、売上高は121,341百万円(前連結会計年度比19.8%増)、営業利益は14,060百万円(前連結会計年度比7.1%増)、経常利益は13,833百万円(前連結会計年度比9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,091百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。また、調整後親会社株主に帰属する当期純利益(P.29(参考情報)をご覧ください。)は9,441百万円(前連結会計年度比10.0%増)となりました。
なお、当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて4,681百万円減少して8,728百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果使用した資金は1,467百万円(前連結会計年度は2,490百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を9,051百万円計上し、仕入債務の増加額571百万円及び棚卸資産の増加額が9,294百万円あった一方、未払消費税等の増加額が442百万円及び法人税等の支払額が4,246百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は85百万円(前連結会計年度比324.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が69百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は3,128百万円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。これは主に、配当金の支払額が3,207百万円あったことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、買取仕入と競売仕入の仕入方法別に記載を行っております。
セグメントの名称
仕入方法
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
仕入件数(件)
仕入高(百万円)
中古住宅再生事業
買取仕入
7,166
61,889
116.3
競売仕入
145
2,064
121.0
小計
7,311
63,953
116.4
その他
-
-
-
合計
7,311
63,953
116.4
(注)1.上記金額には、外注加工費は含まれておりません。
2.前年同期比は、仕入高の金額で比較を行っております。
c.受注実績
当社グループは受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、地域別の販売実績に分けて記載を行っております。
地域別
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
販売件数(件)
販売高(百万円)
東京圏
938
21,615
132.7
名古屋圏
715
13,661
129.4
大阪圏
415
8,190
129.6
北海道
381
6,008
98.0
東北
944
14,761
121.4
関東
640
9,497
120.4
中部
975
15,582
117.2
関西
105
1,805
106.0
中国
569
8,954
106.9
四国
371
5,754
114.5
九州
874
14,793
114.1
その他
-
621
112.2
合計
6,927
121,246
119.7
(注)1.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。
2.上記は、総務省で定める地域区分の三大都市圏、都道府県毎に集計を行っており、当社グループの店舗別販売実績とは異なります。
3.前年同期比は、販売高の金額で比較を行っております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、次のとおりであります。
(経営成績)
a.売上高、売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上高は、121,341百万円となり、前連結会計年度の101,269百万円から20,072百万円の増加(前連結会計年度比19.8%増)となりました。その主な要因は、当社グループが展開するエリアの中でも比較的販売単価の高い三大都市圏において販売件数が増加したこと、また、オプション販売等の施策により販売単価が上昇したことによります。
当連結会計年度の売上原価は、94,485百万円となり、前連結会計年度の76,621百万円から17,864百万円の増加(前連結会計年度比23.3%増)となりました。その主な要因は、上述の通り三大都市圏における販売件数が増加したものの三大都市圏は仕入単価も高いこと、また耐震性能を向上させるリフォーム工事の実施をはじめとした商品力を向上するためのリフォーム工事を行ったこと及び水回りの支給品の調達価格が上昇したことによります。
以上の結果により、当連結会計年度の売上総利益は、26,855百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
b.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、12,795百万円となり、前連結会計年度の11,519百万円から1,275百万円の増加(前連結会計年度比11.1%増)となりました。その主な要因は、給料手当及び賞与が270百万円、賞与引当金繰入額が36百万円、仕入拡大を目的としたWEB広告を中心に行い広告宣伝費が55百万円、並びに販売に伴う仲介手数料が286百万円増加したことによります。
以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、14,060百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。
c.営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、受取手数料5百万円、受取保険金8百万円及び受取割引料7百万円等の計上により、39百万円となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、支払利息190百万円及びシンジケートローン手数料58百万円等の計上により、265百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、13,833百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
d.特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、受取保険金52百万円の計上により53百万円となりました。また、特別損失は、リプライスに対する更正処分の受領及び税務当局に対して提起していた更正処分等の取消しを求める訴訟の第1審判決で敗訴したことを受けて消費税等差額4,777百万円を計上したこと等により、4,836百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、9,051百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、6,091百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。
(財政状態)
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、64,505百万円となり、前連結会計年度末の60,773百万円から3,731百万円の増加となりました。これは主に、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が9,281百万円増加した一方、現金及び預金が4,681百万円減少したことによります。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、1,798百万円となり、前連結会計年度末の1,870百万円から72百万円の減少となりました。これは主に、繰延税金資産が31百万円増加した一方、のれんが198百万円減少したことによります。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、11,944百万円となり、前連結会計年度末の11,252百万円から692百万円の増加となりました。これは主に、買掛金が571百万円、未払消費税等が442百万円それぞれ増加した一方、未払法人税等が513百万円減少したことによります。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、18,590百万円となり、前連結会計年度末の18,639百万円から48百万円の減少となりました。これは主に、役員退職慰労引当金26百万円減少したことによります。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産は、35,768百万円となり、前連結会計年度末の32,752百万円から3,015百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を6,091百万円計上した一方、剰余金の配当3,208百万円を行ったことによります。この結果、自己資本比率は53.8%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況)
当連結会計年度の事業計画に対する達成状況は以下のとおりであります。
売上高は、当社グループが展開するエリアの中でも比較的販売単価の高い三大都市圏において販売件数が増加したことにより、計画比7,965百万円増(達成率107.0%)となり計画を達成いたしました。
一方、営業利益は、上述の通り原価率の高い三大都市圏における販売件数の増加、品質の高いリフォーム工事の実施や水回りの支給品の価格高騰により売上総利益率は低下したものの、販売件数の増加と高いコスト意識を持ち運営を行った結果、計画比41百万円増(達成率100.3%)となり計画を達成いたしました。
指標
2023年3月期
計画
実績
計画比(達成率(%))
売上高
113,376百万円
121,341百万円
7,965百万円(107.0%)
営業利益
14,018百万円
14,060百万円
41百万円(100.3%)
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金につきましては、内部資金または借入により資金調達しております。このうち、借入による資金調達は、限度額8,000百万円のコミットメントラインを含む総額26,500百万円のシンジケートローンを組成して調達しております。
当連結会計年度末における長期借入金の残高は18,500百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,728百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後親会社株主に帰属する当期純利益及び調整後1株当たり当期純利益を重要な経営指標として位置づけており、各指標の推移は以下のとおりであります。
調整後親会社株主に帰属する当期純利益及び調整後1株当たり当期純利益
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
親会社株主に帰属する当期純利益
①
6,845
6,091
(調整額)
消費税等差額(注1,2)
2,385
4,733
アドバイザリー費用(注3)
-
41
法人税、住民税及び事業税
-
△700
法人税等還付税額
△646
△796
法人税等調整額
-
72
調整額合計
②
1,739
3,349
調整後親会社株主に帰属する当期純利益
(③=①+②)(注5,6)
③
8,584
9,441
対売上高比率
8.5%
7.8%
調整後1株当たり当期純利益(円)
(注4)
111.25
121.91
(注)1.税務当局からの税務調査により更正決定された金額等
2.東京地方裁判所の第1審判決に伴い、当社グループの計算方法と国税当局の主張する計算方法との差額を事後的に計算し特別損失として計上した金額
3.更正処分等に係る弁護士、税理士等の専門家に支払った金額
4.調整後1株当たり当期純利益=調整後親会社株主に帰属する当期純利益÷期中平均株式数
5.調整後親会社株主に帰属する当期純利益は、当社グループが投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。
6.調整後親会社株主に帰属する当期純利益は、当期純利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
