【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費のペントアップ需要に一巡感がでる中、中国人訪日客の団体旅行が再開されるなどインバウンド需要の後押しにより回復継続がみられる一方で、海外経済減速による外需の反動減もあり、全体的には減速感が強まる状況でした。
世界経済については、米国が堅調な消費に支えられて景気は底堅いものの、欧米を中心に急速な金融引締めによる金利上昇の効果と、中国における不動産市場や民間投資の低迷による景気減速の影響が顕在化し、経済成長鈍化の兆しが出てまいりました。
このような状況の下、当社は前年度の好調な売上高を継続することに注力いたしましたが、主に海外経済の減速及び生産設備需要低迷の与える影響が精密機器事業において想定以上となり、当第2四半期連結累計期間の売上高は3,866百万円と前年同四半期に比べ304百万円(△7.3%)の減少となりました。
また、処遇改善による労務費増加や部材価格上昇等による原価率の押上げ影響が強まる中、価格の適正化とコスト管理によりほぼ計画通りの原価率を実現しましたが、売上減少による減益要因に加えて、修繕費等の一時的な費用を含む販売管理費の増加要因のため、営業利益は247百万円と前年同四半期比で126百万円(△33.7%)の減益、経常利益は円安の進展に伴う為替差損の計上による営業外費用の増加もあり、239百万円と前年同四半期比で130百万円(△35.2%)の減益となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は173百万円と前年同四半期比で84百万円(△32.6%)の減益となりました。
各セグメントの業績は次に示すとおりであります。なお、セグメント損益は、営業利益または営業損失に基づいております。
① 医療機器事業
主力のコンドームは、国内では製品絞り込みにより前期比減収、海外向けについては出荷調整による減収となりましたが、新素材コンドームSKYNをはじめ、ヘルスケア商品群の売上が概ね好調に推移しました。また、メディカル製品は前期比で増収を確保しました。
利益面では不採算製品の見直し、生産歩留まりの向上、販売費節減への継続的な取り組みの結果、利益改善に大きな成果がみられました。なお、メディカル製品につきましては、生産部門・販売部門一体となった効率化に取り組みましたが、一部製品の歩留まり低下や労務費等のコスト増による原価上昇を吸収できず減益となりました。
この結果、売上高は1,222百万円と前年同四半期に比べ23百万円(△1.9%)の減少となりました。
セグメント損益は、上記取り組みにより損失が縮小し、2百万円の損失(前年同四半期は54百万円の損失)となりました。
② 精密機器事業
精密機器事業においては、中国をはじめとする海外経済の減速により、世界的な設備投資停滞傾向や一般産業機械市場の低迷による受注弱含みが依然として続いており、供給制約問題の解消に伴う滞留受注の一掃や在庫調整による反動減も減収に影響しました。
利益面では、売上減少に伴う減益に加えて、労務費の増加や原材料費上昇による利益圧迫要因が大きいものの、コスト増部分の価格転嫁や赤字取引条件の見直しなど利益重視の運営に注力していくことにより、原価率を一定の水準内にコントロールいたしました。
この結果、売上高は2,128百万円と前年同四半期に比べ468百万円(△18.0%)の減少となりました。
セグメント利益は、458百万円と前年同四半期に比べ141百万円(△23.6%)の減益となりました。
③ SP事業
主力取引先での需要回復や新商品の投入効果もあり、主力品のゴム風船及びフィルムバルーンの売上が好調に推移いたしましたが、一部商品の仕様等変更に伴う想定外の追加費用発生を吸収できず、全体の利益率を押し下げました。
この結果、売上高は396百万円と前年同四半期に比べ202百万円(104.6%)の増加となりました。
セグメント利益は、13百万円と前年同四半期に比べ2百万円(26.3%)の増益となりました。
④ 食品容器事業
販売単価値上げ前に発生した前倒し注文の反動減や新型コロナウイルス感染症収束後のお土産需要増に一服感が出たことを主要因として、売上高は118百万円と前年同四半期に比べ16百万円(△12.0%)の減少となりました。
セグメント利益は、処遇改善による労務費の増加や人員増による原価率の上昇もあり、16百万円と前年同四半期に比べ30百万円(△65.0%)の減益となりました。
当第2四半期連結会計期間の総資産は、11,427百万円となり、前連結会計年度末と比べ47百万円減少しました。
主な増加要因は、仕掛品121百万円、電子記録債権89百万円などであり、主な減少要因は、現金及び預金168百万円、建物及び構築物(純額)71百万円などであります。
負債総額は7,701百万円となり、前連結会計年度末と比べ196百万円減少しました。主な増加要因は、電子記録債務117百万円などであり、主な減少要因は、長期借入金155百万円、未払法人税等53百万円などであります。
純資産総額は3,725百万円となり、前連結会計年度末と比べ149百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金110百万円の増加などであります。この結果、自己資本比率は32.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,438百万円と前年同四半期連結累計期間と比べ25百万円の減少となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、152百万円の収入(前年同四半期は405百万円の収入)となりました。
資金の主な増加要因は、税金等調整前四半期純利益238百万円、減価償却費155百万円、仕入債務の増加98百万円などであり、主な減少要因は、棚卸資産の増加159百万円、法人税等の支払額90百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、53百万円の支出(前年同四半期は23百万円の支出)となりました。
資金の主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出46百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、282百万円の支出(前年同四半期は515百万円の支出)となりました。
資金の主な減少要因は、長期借入金の返済による支出170百万円、配当金の支払額62百万円、リース債務の返済による支出47百万円などであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、96百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間のSP事業におきまして、仕入実績及び販売実績が著しく増加しました。
これは、市場の回復による大口顧客向け定期商品及び新商品の売上が好調だったことによります。
(6)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。