【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への影響が縮小したものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰や、米国の金融機関破綻に端を発した金融不安によるインフレ拡大や景気後退に対する懸念から、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス業界は、行政によるデジタル化推進やビジネス形態としてリモートワーク、クラウド環境の導入、IoT、AI、5G、メタバースなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するIT投資を積極的に行う企業の増加や、増加するサイバー攻撃に対するセキュリティ需要などにより中長期的には市場規模の拡大が継続するものとみられます。
このような状況の下、当社グループの主力サービスであるソフトウェアテストサービスにおきましては、潜在市場規模が大きくまた参入障壁の高いエンタープライズ系(注1)領域の開拓への注力を継続し、売上規模と利益率の向上に努めております。一方で、顕在化するエンジニア不足に対しては、独自の教育ノウハウによる業界未経験者の早期戦力化、高スキル人材の登用に加え、採用部門の機能強化やビジネスパートナー獲得の活動強化によって人材の確保を図り、採用した人材定着化のため労働環境や報酬、制度の充実も実施しております。
その結果、当連結会計年度の売上高は9,059,300千円(前期比35.1%増)となりました。増収に伴い、各段階利益は、営業利益970,136千円(同70.1%増)、経常利益982,941千円(同69.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益651,476千円(同57.4%増)となりました。
(注1)エンタープライズ系
企業の業務システムや情報システム、金融機関、病院、鉄道など大規模かつ社会基盤を支える情報システムなどに含まれ、それらの中心となる制御システムの総称。
各セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
[ソフトウェアテストサービス事業]
当事業においては、金融業界を中心としたエンタープライズ系領域の売上高が堅調に推移している他、DX需要を取り込み、Webサービス案件の受注も拡大しました。また、新規大型再構築案件の上流工程・PMO(注2)・QMO(注3)や、大型マイグレーション(注4)案件への参画が増加したことにより、案件の大型化が加速しております。加えて株式会社ミントを2022年4月より新規連結したことも売上高及びセグメント利益の拡大に貢献しております。その結果、外部顧客に対する売上高は8,205,186千円(前期比36.8%増)となりました。従来は上半期に偏重していた人材採用を通年採用方針に変更した影響による採用費や、東京本社拡張移転及び大阪本社拡張による費用増加はありましたが、増収となったことで、セグメント利益は977,097千円(同72.0%増)となりました。
(注2)PMO(Project Management Office)
組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム
(注3)QMO(Quality Management Office)
組織内における個々の品質管理の支援を横断的に行う部門や構造システム
(注4)マイグレーション
ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移動したり、新しい環境に切り替えたりすること
[Web/モバイルアプリ開発サービス事業]
当事業においては、アプリ開発やリバースエンジニアリングサービス(注5)の売上高が増加したことに加え、セキュリティ・脆弱性診断に係る売上高も好調でした。また前年同期に発生し、利益を圧迫した不採算案件への対応として進めた管理体制強化が実を結び、当期の不採算案件発生はありませんでした。その結果、外部顧客に対する売上高は813,778千円(前期比19.0%増)となりました。増収がM&Aの取得関連費用80,500千円を吸収し、セグメント利益は71,636千円(同1.6%増)となりました。
(注5)リバースエンジニアリングサービス
システム操作やソースコードの解読により開発ドキュメント(各種設計書)を作成するサービス
[オフショアサービス事業]
フィリピンでの新型コロナウイルス感染症対策に関しては、ロックダウン後の経済活動の正常化が進んでおり、各社対応を進めております。その中で当事業においては、現地日系企業からの引き合いも増加傾向にあり、外部顧客に対する売上高は40,334千円(前期比62.9%増)となり、セグメント利益は83千円(同99.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末より178,914千円増加し1,515,447千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は846,961千円(前期比67.6%増)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の増減額△279,927千円、法人税等の支払額218,451千円があった一方で、税金等調整前当期純利益を981,848千円、減価償却費を72,292千円計上したことや、仕入債務の増減額135,745千円、未払金の増減額123,717千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は639,671千円(前期比513.5%増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出296,295千円、有形固定資産の取得による支出98,689千円、敷金及び保証金の差入による支出108,660千円、投資有価証券の取得による支出130,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は29,438千円(前期比87.5%減)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出21,948千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループが行う全ての事業は、受注から売上計上までの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
ソフトウェアテストサービス事業
8,205,186
36.8
Web/モバイルアプリ開発サービス事業
813,778
19.0
オフショアサービス事業
40,334
62.9
合計
9,059,300
35.1
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ2,351,938千円増加し、9,059,300千円(前期比35.1%増)となりました。これは主に、ソフトウェアテストサービス事業にて専門の事業部を立ち上げて拡大に努めておりましたエンタープライズ系領域における業績が特に好調に推移したことによるものです。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、ソフトウェアテストサービス事業が90.6%、Web/モバイルアプリ開発サービス事業が9.0%、オフショアサービス事業が0.4%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ837,408千円増加し、2,703,165千円(同44.9%増)となり、売上総利益率は29.8%と前連結会計年度(27.8%)から2.0ポイントの上昇となりました。これは、主に増収となった影響によるものです。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ399,843千円増加し、970,136千円(同70.1%増)となり、営業利益率は10.7%と前連結会計年度(8.5%)から2.2ポイントの上昇となりました。これは、販売費及び一般管理費の増加はあるものの、増収となった影響によるものです。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ402,838千円増加し、982,941千円(同69.4%増)となり、経常利益率は10.9%と前連結会計年度(8.6%)から2.3ポイントの上昇となりました。これは、営業利益の増加によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益の計上はありません(前連結会計年度の特別利益の計上もありません。)。
当連結会計年度は固定資産除却損1,092千円を特別損失に計上しました(前連結会計年度の特別損失の計上はありません。)。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ237,636千円増加し、651,476千円(同57.4%増)となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,894,104千円となり、前連結会計年度末に比べ548,530千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加178,914千円、売掛金及び契約資産の増加297,157千円によるものであります。固定資産は1,194,995千円となり、前連結会計年度末に比べ609,736千円増加いたしました。これは主に東京本社拡張移転及び大阪本社拡張等に伴う有形固定資産の増加95,752千円、のれんの計上等に伴う無形固定資産の増加254,129千円、投資有価証券の増加130,000千円、差入保証金の増加92,850千円によるものであります。
この結果、総資産は4,089,100千円となり、前連結会計年度末に比べ1,158,267千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,648,930千円となり、前連結会計年度末に比べ489,487千円増加いたしました。これは主に買掛金の増加134,500千円、未払法人税等の増加129,520千円、未払金の増加169,546千円によるものであります。固定負債は33,673千円となり、前連結会計年度末に比べ24,799千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少21,948千円によるものであります。
この結果、負債合計は1,682,603千円となり、前連結会計年度末に比べ464,687千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,406,496千円となり、前連結会計年度末に比べ693,579千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益651,476千円の計上に伴い利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.9%(前連結会計年度末は58.4%)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高増加率、売上総利益率、人材の確保を重要な経営課題と認識していることから営業利益率を重視しております。
当連結会計年度における売上高増加率は35.1%と前連結会計年度(27.5%)から7.6ポイントの上昇、売上総利益率は29.8%と前連結会計年度(27.8%)から2.0ポイントの上昇、営業利益率は10.7%と前連結会計年度(8.5%)から2.2ポイントの上昇となりました。
引き続きこれらの指標について上昇するように取り組んで参ります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、ソフトウェアの開発費用等によるものであります。
資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは、運転資金については自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は172,756千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,515,447千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産及び負債の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、過去の実績や現況に基づいた合理的な基準による見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
また、重要な会計方針等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 及び 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
④経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが高品質なサービスを継続的に提供していくために、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営課題に対処することが必要であると認識しております。また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めて参ります。
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