【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度(2022年1月1日から2022年12月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症にかかる行動制限の緩和により、各種経済活動が再開されつつあります。一方、世界経済においては、長期化するロシア・ウクライナ情勢の影響により原材料・エネルギー価格が高騰し、米国の金利上昇による急激な円安が進行するなど、先行き不透明な状況が続いております。また、当社グループが主に関連する住宅産業におきましては、当連結会計年度における住宅着工戸数は前期比0.4%の増加となったものの、当社グループの業績への影響が大きい住宅着工戸数(持家)は、建設工事費の上昇に伴う住宅販売価格の上昇等の影響により減少傾向が続いており、前期比では11.3%の減少を記録するなど、予断を許さない状況であると認識しております。当社グループは、このような外部環境の変化を新たな成長市場の創出機会と捉えて、住宅ライフサイクル全体(設計から工事、アフターメンテナンスまで)の業務効率化に貢献することを通じて、世界的な課題である脱炭素社会の実現を目指すために、各事業においてデジタル技術を活用した新しいサービスの立ち上げに向けた準備を進めてまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は4,818百万円(前期比2.6%増)、営業利益65百万円(前期比85.0%減)となりました。一方、持分法適用会社であるTEPCOホームテック株式会社の業績が好調に推移したことを受けて持分法による投資利益97百万円が発生したことで、経常利益は216百万円(前期比41.5%減)となりました。また、政策保有株式であるENECHANGE株式の一部売却に伴う投資有価証券売却益254百万円の発生により、親会社株主に帰属する当期純利益359百万円(前期比45.4%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントを次のとおり変更しております。従来、報告セグメントを「D-TECH事業」「H-M事業」「E-Saving事業」「システム開発事業」の4セグメントとしておりましたが、「システム開発事業」はENESAP事業の事業譲渡完了により重要性が低下したことから、成長事業とは位置付けず、今後の事業展開を見据えて、当社グループ内の業績管理区分の見直しを行った結果、「システム開発事業」を主に「H-M事業」に統合し、報告セグメントの区分を3セグメントに変更するものであります。また、当社グループの事業内容をより適切に表示する観点から、報告セグメントの名称を従来の「D-TECH事業」「H-M事業」「E-Saving事業」から、「設計サービス事業」「メンテナンスサービス事業」「省エネサービス事業」に変更しております。なお、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
a. 設計サービス事業(旧・D-TECH事業) 当連結会計年度は、当社が主たる事業領域とする持家分野の新設住宅着工戸数は減少傾向が続いており(前期比11.3%減)、当社の設計受託戸数も連動して減少した結果、売上高は2,106百万円(前期比6.9%減)となりました。また、急激な円安の進行による中国における設計費用の増加や、中長期に向けた取組みとしてBIM(Building Information Modeling)を活用した新規事業への投資(主に日本及び中国(深圳)における設計人材への投資)を継続した結果、営業利益は172百万円(前期比65.4%減)となりました。
b. メンテナンスサービス事業(旧・H-M事業、システム開発事業) 当連結会計年度は、既存得意先における預かり顧客数及び受電件数が堅調に増加したことによりメンテナンスサービス売上が増加し、また、東京電力エナジーパートナー株式会社と当社の合弁会社であるTEPCOホームテック株式会社をはじめとするエネルギー系企業からの受託案件が増加した結果、売上高は1,758百万円(前期比7.1%増)となりました。一方で、今後の事業拡大を見据えた新拠点(金沢オペレーションセンター)の開設費用が発生した結果、営業利益は245百万円(前期比2.3%減)となりました。
c. 省エネサービス事業(旧・E-Saving事業) 当連結会計年度は、株式会社ENE’sにおいてTEPCOホームテック株式会社及び当社との営業連携の効果により太陽光設備や蓄電池設置工事等の受注増加が継続したことにより、売上高は953百万円(前期比20.3%増)、営業利益は38百万円(前期比47.8%増)となりました。
② 資産、負債及び純資産の状況
(流動資産)流動資産は前連結会計年度末に比べて21.3%減少し、2,408百万円となりました。これは主として、未収還付法人税等が117百万円増加した一方で、現金及び預金が741百万円減少したことによるものです。
(固定資産)固定資産は、前連結会計年度末に比べて19.5%減少し、2,669百万円となりました。これは主として、有形固定資産が142百万円、関係会社株式が266百万円、長期貸付金が180百万円それぞれ増加した一方で、所有株式の一部売却及び評価替えにより投資有価証券が1,236百万円減少したことによるものです。
(流動負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて36.5%減少し、423百万円となりました。これは主として未払法人税等が266百万円減少したことによるものです。
(固定負債)固定負債は、前連結会計年度末に比べて60.2%減少し、263百万円となりました。これは主として所有株式の一部売却及び評価替えにより繰延税金負債が400百万円減少したことによるものです。
(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べて13.1%減少し、4,391百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益359百万円を計上し、為替換算調整勘定が79百万円増加した一方で、所有株式の一部売却及び評価替えによりその他有価証券評価差額金が808百万円減少し、配当金による取崩し298百万円を計上したこと等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ769百万円減少し、当連結会計年度末残高は1,025百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は167百万円(前連結会計年度は230百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益471百万円及び減価償却費144百万円を計上した一方で、持分法による投資利益97百万円を計上し、投資有価証券売却益の計上に伴う投資活動によるキャッシュ・フローへの振替254百万円及び法人税等の支払額481百万円が発生したことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は330百万円(前連結会計年度は483百万円の収入)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入258百万円を計上した一方で、有形固定資産の取得による支出217百万円、貸付けによる支出200百万円及び関係会社株式の取得による支出196百万円が発生したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は298百万円(前連結会計年度は267百万円の支出)となりました。これは配当金の支払による支出298百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(販売実績) 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
金額(千円)
前期比(%)
設計サービス事業
建築設備の設計・積算受託業務建築設備のコンサルティング業務設備工業化部材の加工情報提供業務
2,106,565
93.1
メンテナンスサービス事業
メンテナンス対応業務顧客情報管理業務
1,758,414
107.1
省エネサービス事業
省エネ設備設置工事の請負業務
953,272
120.3
合計
4,818,253
102.6
(注) 1
セグメント間の取引はありません。2
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。セグメント間の取引はありません。
相手先
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
パナソニックホームズ株式会社
575,149
12.2
589,266
12.2
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たりまして、当社グループの経営陣は連結決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断の基礎としております。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の分析
(売上高)当連結会計年度の売上高は4,818百万円(前期比2.6%増)となりました。 設計サービス事業の売上高は、当社が主たる事業領域とする持家分野の新設住宅着工戸数は減少傾向が続いており(前期比11.3%減)、当社の設計受託戸数も連動して減少した結果、売上高は2,106百万円(前期比6.9%減)となりました。 メンテナンスサービス事業の売上高は、既存得意先における預かり顧客数及び受電件数が堅調に増加したことでインバウンドサービスの売上が増加した結果、売上高は1,758百万円(前期比7.1%増)となりました。 省エネサービス事業の売上高は、株式会社ENE’sにおいてTEPCOホームテック株式会社及び当社との営業連携の効果により太陽光設備や蓄電池設置工事等の受注増加が継続したことにより、売上高は953百万円(前期比20.3%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費(以下、「営業費用」という。))当連結会計年度の営業費用は4,752百万円(前期比11.6%増)となりました。 設計サービス事業の営業費用は1,934百万円(前期比9.6%増)となりました。急激な円安の進行による中国における設計費用の増加や、中長期に向けた取組みとしてBIM(Building Information Modeling)を活用した新規事業への投資(主に日本及び中国(深圳)における設計人材への投資)を継続した結果、営業費用が増加しております。 メンテナンスサービス事業の営業費用は1,513百万円(前期比8.8%増)となりました。今後の事業拡大を見据えた新拠点(金沢オペレーションセンター)の開設費用が発生した結果、営業費用が増加しております。 省エネサービス事業の営業費用は914百万円(前期比19.4%増)となりました。太陽光設備や蓄電池設置工事等の受注増加が継続したことに伴い、営業費用が増加しております。各報告セグメントに配分していない全社費用は390百万円となりました。
(営業利益)当連結会計年度の営業利益は65百万円(前期比85.0%減)となりました。設計サービス事業の営業利益は172百万円(前期比65.4%減)となりました。メンテナンスサービス事業の営業利益は245百万円(前期比2.3%減)となりました。省エネサービス事業の営業利益は38百万円(前期比47.8%増)となりました。
(営業外損益)当連結会計年度の営業外収益は151百万円となりました。持分法による投資利益97百万円、為替差益38百万円等を計上しております。(経常利益)当連結会計年度の経常利益は216百万円(前期比41.5%減)となりました。
(特別損益)当連結会計年度の特別利益は254百万円となりました。投資有価証券売却益254百万円等を計上しております。当連結会計年度の特別損失は0百万円となりました。固定資産除却損0百万円を計上しております。(税金等調整前当期純利益)当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は471百万円(前期比52.4%減)となりました。(法人税等)当連結会計年度の法人税等は112百万円となり、法人税等の負担率は23.8%となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益359百万円(前期比45.4%減)となりました。
b. 財政状態の分析当連結会計年度における財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 ②資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであります。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d. 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業活動のための適切な流動性の確保と健全な財政状態の維持のため、営業キャッシュ・フローの創出に努めております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金需要につきましては、基本的に営業キャッシュ・フロー及び自己資本を主な源泉と考えております。ただし、当社グループの成長のための資金需要が生じた場合に備え、金融機関との間で当座借越契約を締結しております。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
2018年12月期
2019年12月期
2020年12月期
2021年12月期
2022年12月期
自己資本比率
80.3
87.5
79.1
79.2
86.5
時価ベースの自己資本比率
193.2
357.8
160.2
109.4
123.5
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
―
―
―
―
―
インタレスト・カバレッジ・レシオ
―
―
―
―
―
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、目標とする経営指標としてROE(自己資本当期純利益率)を掲げております。今後、人々の住まいと暮らしを支える住宅・エネルギー分野のインフラ事業を目指すことで持続的な利益成長を実現しつつ、株主資本を有効活用(配当及び自社株買いによる株主還元を含む)することにより、ROEの向上に努めてまいります。 当連結会計年度のROEは7.6%となりました。ROE関連指標は以下のとおりであります。
2021年12月期
2022年12月期
売上高(百万円)
4,696
4,818
当期純利益(百万円)
658
359
自己資本(百万円)
5,050
4,391
売上高当期純利益率(%)
14.0
7.5
総資産回転率(回)
0.80
0.84
財務レバレッジ(%)
126.3
121.3
ROE(%)
14.1
7.6
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