【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
COVID-19と経済活動の両立に加え、円安による為替換算上の影響もあり、全ての地域において前年実績を上回る売上となりました。なお、当社グループの決算期は、当社及びピンテック、インドパンチは3月となっていますが、これらを除くグループ各社の決算期は主に12月となっており、2022年1月から12月の業績が当連結会計年度の業績となります。
地域別では、国内売上高は14,104百万円(前期比0.6%増)、中国売上高は23,451百万円(前期比11.9%増)、東南アジア地域の売上高は1,966百万円(前期比13.0%増)、欧米他地域の売上高は3,277百万円(前期比24.1%増)となり、連結売上高は42,799百万円(前期比8.7%増)となりました。
業種別では、自動車関連は18,082百万円(前期比10.0%増)、電子部品・半導体関連は7,866百万円(前期比2.2%減)、家電・精密機器関連は4,312百万円(前期比2.9%増)、その他は12,538百万円(前期比17.4%増)となりました。
利益面につきましては、製品への価格転嫁を上回る仕入れコストの上昇等による原価率悪化の影響、為替変動による海外子会社の採算悪化等により、営業利益は2,436百万円(前期比19.9%減)、経常利益は2,394百万円(前期比20.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,390百万円(前期比31.9%減)となりました。
また、資本効率につきましては、自己資本当期純利益率(ROE)が7.9%(前期14.2%)、投下資本利益率(ROIC)が8.1%(前期11.4%)となり、いずれも、目標(10%以上)を下回りました。
(財政状態の状況)
a. 資産の部
当連結会計年度末における総資産は30,455百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,681百万円の増加となりました。これは、主として売上債権の増加等によるものであります。
b. 負債の部
総負債は11,403百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,063百万円の減少となりました。これは、主として有利子負債の減少等によるものであります。
c. 純資産の部
純資産は19,052百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,745百万円の増加となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ543百万円増加し、5,212百万円となりました。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,560百万円の収入(前期は2,941百万円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益2,075百万円、減損損失297百万円及び減価償却費1,130百万円の非資金項目の他、未払金及び未払費用の減少額276百万円、法人税等の支払額736百万円等によるものであります。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは1,546百万円の支出(前期は1,099百万円の支出)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出1,138百万円等によるものであります。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは756百万円の支出(前期は1,600百万円の支出)となりました。
これは、短期借入金の純減による減少額667百万円、長期借入金の返済による支出798百万円、株式の発行による収入918百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
国内事業
(千円)
5,217,011
109.5
海外事業
(千円)
13,889,368
120.3
合計
(千円)
19,106,379
117.2
(注)1.当社グループは、金型部品事業の単一セグメントであるため、「第1 企業の概況 3.事業の内容(2)当社グループの事業内容」に記載の国内事業及び海外事業の別に記載しております。
2.金額の表示は製造原価によっており、事業区分間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
当社では標準製品の場合、受注から製造、出荷までを1日から数日で完了いたします。また、特注品でも、おおむね2週間以内の出荷となっております。したがって、受注残高は軽微であり受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
国内事業
(千円)
14,093,236
98.2
海外事業
(千円)
28,706,267
114.8
合計
(千円)
42,799,503
108.7
(注)1.当社グループは、金型部品事業の単一セグメントであるため、「第1 企業の概況 3.事業の内容(2)当社グループの事業内容」に記載の国内事業及び海外事業の別に記載しております。
2.事業区分間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等及び経営成績に重要な影響を与える要因)
当連結会計年度における、中期経営計画「VC2024」の初年度の経営数値目標としては、売上高43,500百万円、営業利益3,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,100百万円を掲げておりました。
これに対して経営成績は、売上高42,799百万円、営業利益2,436百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,390百万円となり、全地域で増収を達成し、上場来最高売上を更新しましたが、仕入れコストの上昇による原価率悪化等の影響等により、営業利益以下は減益となりました。
また、財政状態につきましては、前連結会計年度末に対して、有利子負債が減少するなど、資金体質の改善が図られるとともに、利益剰余金の増加等により自己資本が増加し、自己資本比率が62.4%(前連結会計年度末は56.5%)まで増加するなど、財務基盤の健全性維持が図られた結果となりました。
翌連結会計年度(2024年3月期)は、世界的な地政学リスクの高まり、原材料・資源価格の高騰や部品不足等により、経営環境が厳しさを増す中、通期連結業績予想を減収減益としております。
また、中期経営計画「VC2024」につきましても大幅な遅れを余儀なくされており、当社としては、これまでの遅れのリカバリーに加えて、今後の新たな成長戦略も含めた計画のブラッシュアップが必要であると考えております。なお、「VC2024」のブラッシュアップ内容については、決定次第速やかに開示いたします。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループとしましては、事業の評価基準として売上高営業利益率を、経営の評価基準として自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と定め、その向上に努めることを目標としております。
また、2022年4月からの中期経営計画「VC2024」開始とともに、新たに投下資本利益率(ROIC)を重要な経営指標のひとつに定めました。当社グループのROICは既に「加重平均資本コスト(WACC)」を上回る水準にありますが、稼ぐ力の強化によりEVAスプレッドをさらに拡大し、10%以上のROICを今後も安定的に確保することを目指します。
これまでと同様にROEと自己資本充実の両立を図るとともに、健全な財務基盤を維持しつつ、創出されたキャッシュを成長戦略投資と安定配当に最適なバランスで分配することで、中長期的な成長を目指してまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
世界経済は当連結会計年度においてCOVID-19への感染対策と経済活動の両立に転じ、引き続き堅調な中国や欧米での業績が支えとなり売上が増加、上場来最高売上を更新いたしました。一方、過年度において日本で抑制しておりました設備投資の正常化とM&Aによる投資によってフリー・キャッシュ・フローは1,013百万円となりました。
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金の主なものは、材料等調達費用の他、製造費、販売及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金といたしまして、現存設備の修繕・維持の為の使用の他、単体では過年度において減損損失の計上により設備投資を抑制しておりましたが、当連結会計年度から中期経営計画「VC2024」の達成に向け、徐々に投資正常化を図るとともにM&Aを実施し株式会社ASCeの全株式を取得いたしました。
中国事業においては前連結会計年度から引続き、更新設備や研究開発部門への新規設備投資を継続して実施しております。
(財務政策)
当社グループの資金需要を充たすための資金調達方法の基本的な考えは、内部資金及び金融機関からの借入であります。事業活動の維持拡大に必要な資金の安定的な確保、調達コストの抑制等を基本方針として、複数の取引金融機関と当座貸越及びコミットメントラインを契約しており、有効に活用しております。
一方、前連結会計年度において実施した第4回新株予約権の行使による調達を当連結会計年度においても継続して実施いたしました。
当連結会計年度において、グループ財務ポリシーを制定しガバナンスの強化・業務プロセスの標準化を構築いたしました。翌連結会計年度においては、当ポリシーに則りグループファイナンスの実施等に取り組み、高まるカントリーリスクへの対応やグループ内資金の効率化と有利子負債の抑制に取組んで参ります。
