【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、行動制限緩和による経済社会活動の正常化が進み、景気の持ち直しの兆しが見られました。一方で、ウクライナ情勢の長期化などによるエネルギー資源や原材料価格の上昇など個人消費へ与える影響が懸念され、また中国のゼロコロナ政策の緩和に伴う混乱が見られるなど、依然として先行きに対する不透明感は継続しています。
こうした状況の中、当社グループはブランド価値経営の下、持続的成長を可能にするために、「既存事業収益構造の抜本的見直し」「成長領域へのリソース集中」「事業開発体制の明確化」「長期ESG戦略の策定と開示」に取り組んでいます。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、衣類ケアが減少したものの、サーモケアが伸長し、356億64百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
利益面では、円安による仕入コストの上昇に加え、成長に向けてマーケティング費用を戦略的に投下したことで販売費及び一般管理費が増加し、営業利益22億63百万円(同25.8%減)、持分法による投資損益や為替差損益が改善し、経常利益25億56百万円(同20.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益16億66百万円(同24.1%減)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「生活日用品事業」の単一セグメントとしていますが、カテゴリー別の業績は以下のとおりです。
エアケア(消臭芳香剤)は、既存主力品の売上安定化と高付加価値品の育成に向けた取り組みを進めています。本格ボタニカルアロマ処方を採用しペーパースティック使用など環境にも配慮した新製品「消臭力 Natulief 玄関・リビング用 リードディフューザー」はデジタル販促により売上に貢献し、Premium Aromaシリーズの「玄関・リビング用 消臭力 Premium Aroma」等の高単価・高付加価値品が堅調に推移しているものの、既存の主力品である「玄関・リビング用 消臭力」の伸び悩みや、「消臭力 DEOX トイレ用」の落ち込みにより、売上高は156億67百万円(前年同期比0.8%減)となりました。
衣類ケア(防虫剤)は、リニューアルにより「ムシューダ」シリーズを強化していく他、「ムシューダ ダニよけ」を拡売していく取り組みを進めています。昨春の衣替えシーズンの展開を前倒ししたことや、「ムシューダ 引き出し・衣装ケース用」や「ムシューダ クローゼット用」といった既存の主力品が落ち込みにより、売上高は56億49百万円(同3.7%減)となりました。
サーモケア(カイロ)は、既存の「オンパックス」ブランドの認知拡大やラインナップの強化に取り組んでいます。今秋にこれまでにない“軽さ”と“薄さ”を実現した付加価値ライン「はるオンパックス Airy(エアリー)」を発売しました。主に貼るタイプの使い捨てカイロが増加した他、海外への輸出が増加し、売上高は41億75百万円(同14.2%増)となりました。
ハンドケア(手袋)は、家庭用手袋「ファミリー」の拡売に取り組んでいます。値下げによる販売価格の改定を行いました。加えて、業務用手袋等が伸長した他、海外子会社での販売が好調に推移し、売上高は43億73百万円(同2.0%増)となりました。
湿気ケア(除湿剤)は、脱コモディティ化に向けて「備長炭」シリーズや「ドライペットクリア」を強化し、高付加価値品へシフトする取り組みを進めています。主にタンクタイプの除湿剤が伸長し、売上高は24億64百万円(同2.1%増)となりました。
ホームケア(その他)は、「洗浄力」や「米唐番」のブランドを育成していく他、新規事業への取り組みを積極的に進めています。お米の虫よけ「米唐番」はテレビCMとSNSの統合展開により堅調に推移した他、成長するペットケア市場におけるニオイ課題を解決する猫用システムトイレシリーズを発売したことや、昨春発売した新製品の野菜の鮮度を守る「新鮮番」が貢献したこと等により、売上高は33億32百万円(同2.3%増)となりました。
② 財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して9億85百万円増加し、453億87百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加16億33百万円、受取手形及び売掛金の増加8億76百万円、商品及び製品の減少10億71百万円等であります。
負債は、前連結会計年度末と比較して1億30百万円増加し、126億85百万円となりました。主な要因は、電子記録債務の増加4億93百万円、支払手形及び買掛金の増加4億14百万円、未払金の減少5億35百万円等であります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して8億55百万円増加し、327億2百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加8億23百万円等であります。
以上の結果、自己資本は321億29百万円、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して0.4ポイント増加し、70.8%となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5億70百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。