【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染状況が緩やかに改善し、経済社会活動の正常化が進む中で景気の持ち直しの動きの兆しが見られました。一方で、長期化するウクライナ情勢や日米金利差の拡大を背景とした急速な円安の進行により、エネルギー資源や原材料価格の上昇など個人消費へ与える影響が懸念され、依然として先行きに対する不透明感は継続しています。
こうした状況の中、当社グループはブランド価値経営の下、持続的成長を可能にするために、「既存事業収益構造の抜本的見直し」「成長領域へのリソース集中」「事業開発体制の明確化」「長期ESG戦略の策定と開示」に取り組んでいます。
当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、サーモケアの出荷が伸長したものの、残暑で衣替えシーズンが後倒しになった衣類ケアが減少し、234億48百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
利益面では、円安による仕入コストの上昇に加え、成長に向けてマーケティング費用を戦略的に投下したことで販売費及び一般管理費が増加し、営業利益16億49百万円(同36.2%減)、持分法による投資損益が改善し、経常利益18億46百万円(同32.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益12億18百万円(同34.0%減)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「生活日用品事業」の単一セグメントとしていますが、カテゴリー別の業績は以下のとおりです。
エアケア(消臭芳香剤)は、既存主力品の売上安定化と高付加価値品の育成に向けた取り組みを進めています。既存の主力品である「玄関・リビング用 消臭力」が伸び悩んでいるものの、高付加価値芳香剤の新製品「消臭力 Natulief 玄関・リビング用 リードディフューザー」の貢献や、Premium Aromaシリーズの「玄関・リビング用 消臭力 Premium Aroma」等の高単価・高付加価値品が堅調に推移し、売上高は107億11百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
衣類ケア(防虫剤)は、リニューアルにより「ムシューダ」シリーズを強化していく他、「ムシューダ ダニよけ」を拡売していく取り組みを進めています。今春の衣替えシーズンの展開を前倒ししたこと、また残暑により今秋の衣替えシーズンが後倒しになったことで「ムシューダ 引き出し・衣装ケース用」や「ネオパラエース」といった既存の主力品が落ち込み、売上高は44億36百万円(同7.3%減)となりました。
サーモケア(カイロ)は、既存の「オンパックス」ブランドの認知拡大やラインナップの強化に取り組んでいます。今秋にこれまでにない“軽さ”と“薄さ”を実現した付加価値ライン「はるオンパックス Airy(エアリ
ー)」を発売しました。主に貼るタイプの使い捨てカイロが増加した結果、売上高は11億13百万円(同23.6%増)となりました。
ハンドケア(手袋)は、家庭用手袋「ファミリー」の拡売に取り組んでいます。業務用手袋等が伸長したものの、値下げによる販売価格の改定や、衛生意識の高まりによる需要が落ち着いたこともあり、売上高は28億88百万円(同0.5%減)となりました。
湿気ケア(除湿剤)は、脱コモディティ化に向けて「備長炭」シリーズや「ドライペットクリア」を強化し、高付加価値品へシフトする取り組みを進めています。主にタンクタイプの除湿剤が伸長し、売上高は19億40百万円(同1.3%増)となりました。
ホームケア(その他)は、「洗浄力」や「米唐番」のブランドを育成していく他、新規事業への取り組みを積極的に進めています。お米の虫よけ「米唐番」が堅調に推移した他、成長するペットケア市場に参入したことや、今春発売した新製品の野菜の鮮度を守る「新鮮番」が貢献したこと等により、売上高は23億58百万円(同3.2%増)となりました。
② 財政状態
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して12億11百万円増加し、456億13百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少8億21百万円、受取手形及び売掛金の増加19億98百万円等であります。
負債は、前連結会計年度末と比較して4億35百万円増加し、129億90百万円となりました。主な要因は、電子記録債務の増加4億71百万円、支払手形及び買掛金の増加4億61百万円、未払金の減少4億93百万円等であります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して7億76百万円増加し、326億23百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加8億26百万円、その他有価証券評価差額金の減少1億39百万円等であります。
以上の結果、自己資本は320億61百万円、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して0.1ポイント減少し、70.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比較して8億23百万円減少し、110億19百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4億20百万円の収入(前年同期は18億42百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益18億11百万円、仕入債務の増加額8億88百万円、減価償却費7億1百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額19億34百万円、棚卸資産の増加額3億36百万円、法人税等の支払額3億11百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8億89百万円の支出(前年同期は8億73百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出6億96百万円、無形固定資産の取得による支出1億70百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億20百万円の支出(前年同期は4億28百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払4億27百万円です。
(2)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3億73百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。