【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、第3四半期連結会計期間以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大もようやく落ち着きはじめ、各種規制の緩和が順次実施されたことで、人々の活動や企業活動も平時に戻りつつありますが、一方で、長期化するロシアによるウクライナ侵攻などの地政学リスクの高まりや、インフレ・エネルギー価格の上昇・金利上昇圧力の高まりの中、一般消費者は生活防衛意識を強めており、消費行動にも影響を及ぼしているなど、依然として先行きの不透明感は拭えない状況です。
不動産業界におきましても、一次取得者層による住宅取得ニーズは底堅くはあるものの、不動産価格や建築価格並びに住宅設備価格などの上昇若しくは高止まりの状況が続いていることに加えて、金利上昇圧力の高まりや、先行きへの心理的な不安が一次取得者層の新築住宅購入意欲に水を差しており、決して事業環境としては好ましくはありませんでした。しかしながら、新築住宅に比ベて割安な中古住宅が販売好調であり、資産家・投資家を対象とする投資用賃貸住宅も好調な受注状況を維持しておりますので、今まで以上に二極化が進んでいると感じるものの、当社グループの特徴であるバランス経営の強みを活かせる環境であったとも言えます。
このような状況のもと、当社グループは住宅・不動産に関するあらゆる住まいのワンストップサービス企業として、不動産事業の中での多角化によるバランス経営を図り、より収益性が高く効率性のよい賃貸及び管理事業の比率を高め、長期的な安定経営・つぶれない会社づくりを重点に事業を展開して参りました。
当社グループの対処すべき課題に対する当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。
会社の成長を支える重要な経営基盤である優秀な人財の採用及び育成並びに働き甲斐のある環境の整備については、積極的なテレワークの活用による柔軟な働き方の推進やスニーカー通勤の奨励、昇降式スタンディングデスクの導入、毎日午後3時をストレッチの時間として設定するなど、健康保持増進に向けた様々な取り組みを実施して参りました。また、健康診断では法定外検査項目の大腸がん、乳がんエコー、腫瘍マーカー、胃がんの原因にもなりうるピロリ菌検査、NT-proBNP検査に加え、2022年4月よりすい臓がん、胆管がん、胆のうがんを調べるCA19-9も導入しており、パートタイマーを含め全役職員が100%受診することを目標に設定し、過去10年以上受診率100%を達成しております。
当連結会計年度においては、一般社団法人日本テレワーク協会主催の「第23回テレワーク推進賞」において2回目となる「優秀賞」を受賞し、スポーツ庁による「スポーツエールカンパニー2023」に4年連続で認定され、また、経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2023大規模法人部門(ホワイト500)」にて7年連続7回目の認定を受けるなど、当社の取り組みは公的にも高い評価を受けており、健康で働きやすい職場の整備に努めることで、優秀な人財の確保に向けた取り組みを進めております。
気候変動リスクへの対応については、脱炭素社会の実現に向けて、オフィスの照明のLED化、オフィスの最大需要電力を監視し電力コントロールを行うデマンド監視装置の設置、電子決裁システムや経費精算システムの導入による社内書類のペーパーレス化といった環境保全に配慮したオフィス環境の改善を実施しております。また、全営業車にハイブリッド車を導入しているほか、和歌山県日高郡日高川町の「フジ住宅の森」では当社及びフジ住宅グループ社員・家族のボランティアによる植林並びに育林活動により二酸化炭素の削減に貢献しております。さらに、当社の新築戸建住宅につきましては、換気に伴う熱エネルギーの喪失を防ぐ「全熱交換システム」を採用するなど、省エネに配慮した住宅となっております。断熱材はその製造過程においてエネルギーの発生が少なく、天然系素材であり、リサイクル材を主原料とする「セルローズファイバー」を採用するなど、省エネ住宅の供給に努めており、環境保全・地域社会への影響に責任をもった事業活動を行っております。
収益基盤の維持・強化については、連結子会社である雄健建設グループとの協業として2022年2月に竣工した鉄骨造のサービス付き高齢者向け住宅(大阪府吹田市)に続き、他社が社宅として使用していた物件を中古物件として仕入れ、リノベーションしたサービス付き高齢者向け住宅(兵庫県西宮市)が2023年1月に竣工いたしました。従来から取り扱っておりました木造のサービス付き高齢者向け住宅に加え、より収益性の高い鉄骨造の取り扱いを推進しております。商品ラインアップの充実化により、協業による相乗効果を高め、需要が高く、安定収益源に繋がる土地有効活用事業、賃貸及び管理事業をさらに強化していく考えであります。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進については、DX化プロジェクトの一つとして、次世代基幹情報システム構築プロジェクトを進めており、分譲戸建住宅用地を取得してから販売を開始するまでの各工程の管理をシステム化し、運用を開始したことで業務効率化が進みました。現在では分譲戸建住宅の契約から引渡しまでの工程管理、分譲マンション及び個人投資家向け一棟売賃貸アパートにおいても分譲戸建住宅と同様の工程管理のシステム開発並びに当社が入手する豊富な用地情報とのシステム連携も進めており、さらなる業務効率化を図っております。また、2021年11月より開始いたしました株式会社紀陽銀行と国立大学法人和歌山大学との連携による「AIが創る最適な街並み」の実現に向けた共同研究においては、「分譲用地の区画割の自動化」のシステム開発を進めました。2023年3月を持って共同研究は終了となりましたが、引き続き関係者と連携しながらシステムの実用化に向けて開発を進めております。今後も、ICTを活用した業務の改革を進め、サイバーセキュリティーへの対応強化、レガシーシステムの技術的負債の解消などDX化の基盤となる次世代基幹情報システム構築プロジェクトを引き続き推進してまいります。
また、対処すべき課題としまして、SDGs及びESGへの取り組みがあげられます。
当社は地域密着型経営を標榜しており、特に「社会」との関わりにおける社会貢献活動や従業員の健康や働きやすさに配慮した諸施策等については前段のとおりであり、さらに、2022年10月に株式会社紀陽銀行より「サステナビリティ・リンク・ローン」を用いた10億円の融資を受けました。本融資は、当社グループにてSDGsに関する野心的な目標(SPTs:サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)を設定し、その目標達成状況に応じて借入金利が変動するものであり、目標の達成にインセンティブを設定することで、サステナビリティ経営の高度化を図ることとなります。当社グループは、サービス付き高齢者向け住宅において日本一の運営棟数を誇り、これはSDGsの「すべての人に健康と福祉を」「住み続けられるまちづくり」に関連する事業でもありますので、本融資の目標設定として、今後もサービス付き高齢者向け住宅の供給を年間約5%増加させることといたしました。高齢化社会における安心・安全な住まいの普及に役立てるとともに、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層発展させて参ります。その他ESGに関する当社の取り組みの概要につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(分譲住宅セグメント)
自由設計住宅及び分譲宅地販売は、コロナ禍における「住宅特需」が一巡し、前連結会計年度期下半期の受注が減少したことで想定通り引渡戸数が大きく減少しました。一方で分譲マンションは、販売単価が高い大阪北エリア3棟の引渡しをしたことで、引渡戸数は微増ですが売上高が大きく増加しました。しかしながら、前連結会計年度は大型分譲地の素地販売があった影響もあり、売上高は前連結会計年度を下回りました。
当連結会計年度の戸建自由設計住宅等の引渡戸数が623戸(前期は823戸)と前連結会計年度に比べて大幅に減少したことに加えて、当連結会計年度の土地販売売上高が1,644百万円となり、兵庫県下の大型分譲住宅用地の一部を素地販売した前連結会計年度の売上高3,752百万円と比較して大幅に減少したことにより、当セグメントの売上高は36,495百万円(前期比19.6%減)となり、前連結会計年度の素地販売の影響による利益の減少を主たる要因として、セグメント利益は1,237百万円(前期比16.2%減)となりました。
(住宅流通セグメント)
近年、価格の上昇が顕著な新築分譲住宅に比べ、割安な中古住宅は需要が旺盛で、中古マンションは、引渡戸数の増加により売上高が増加しました。中古一戸建では、引渡戸数は微減となりましたが、販売単価の上昇により引渡戸数の減少を補い、売上高は前連結会計年度を大きく上回りました。仕入れ厳選方針の継続により収益性も安定し、また、当連結会計年度は収益性の高い中古アセット事業の居付き販売が好調であったため、セグメント利益も前連結会計年度を上回りました。そのため、当連結会計年度の中古住宅の引渡戸数は1,077戸(前期は1,039戸)となり、前連結会計年度に比べ増加しました。新築住宅に比ベて割安な中古住宅に対する需要は根強く、販売は総じて好調に推移したことにより、当セグメントの売上高は25,628百万円(前期比7.1%増)となり、セグメント利益は1,370百万円(前期比7.1%増)となりました。
(土地有効活用セグメント)
当連結会計年度の個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が125棟(前期は130棟)と微減となりましたが、一棟当たり単価の上昇により売上高は増加し、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け住宅の引渡件数は29件(前期は40件)と減少しましたが、新規受注が好調で建築請負工事が順調に進行したことにより、売上高は増加しました。一方で、自社保有のサービス付き高齢者向け住宅の施工が前連結会計年度に比べ減少したことで、内部売上高は減少しました。その結果、当セグメントの売上高は26,576百万円(前期比0.7%減)となり、セグメント利益は2,217百万円(前期比6.3%減)となりました。
(賃貸及び管理セグメント)
主として土地有効活用事業にリンクした賃貸物件の引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したこと及び自社保有のサービス付き高齢者向け住宅の稼働が進んだことや分譲マンションの引渡しに伴う管理件数が増加したことにより、当セグメントの売上高は25,976百万円(前期比9.0%増)となり、セグメント利益は3,111百万円(前期比12.4%増)となりました。
(建設関連セグメント)
公共工事が主体の建設関連セグメント(外部売上高)は、前連結会計年度を下回りました。内部売上高は、他社の旧社宅を自社保有サービス付き高齢者向け住宅にリノベーションする請負工事が完了し、新たに当社グループが販売する新築分譲マンションの建築請負工事が開始されたこともあり前連結会計年度を上回りましたが、建築原価の上昇を吸収出来ず、セグメント利益を押し下げる結果となりました。当連結会計年度における建設工事が工程どおりに順調に進捗したものの受注契約高が減少したことにより、当セグメントの売上高が2,299百万円(前期比6.3%減)となり、セグメント損失14百万円(前期はセグメント利益112百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高114,473百万円(前期比3.6%減)を計上し、営業利益6,091百万円(前期比3.7%増)、経常利益5,744百万円(前期比2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,817百万円(前期比1.3%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ663百万円の増加となり、当連結会計年度末には20,292百万円(前期比3.4%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は8,997百万円(前期比42.3%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額5,745百万円(前期比1.4%減)及び棚卸資産の減少額4,864百万円(前期は64百万円の使用)並びに仕入債務の減少額2,770百万円(前期は2,470百万円の獲得)及び法人税等の支払額1,820百万円(前期比12.4%減)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は6,616百万円(前期比4.5%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,426百万円(前期比17.0%減)及び無形固定資産の取得による支出156百万円(前期比133.7%増)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,717百万円(前期比231.3%増)となりました。これは主に、長短借入金の純減少額370百万円(前期は1,596百万円の純増加)、社債の償還による支出825百万円(前期比2.9%減)及び配当金の支払額985百万円(前期比0.8%増)等によるものであります。
③ 販売及び契約の実績
a.販売実績
当連結会計年度及び前連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
数量
金額(千円)
数量
金額(千円)
分譲住宅
自由設計住宅等
823戸
33,647,584
623戸
25,527,464
分譲マンション
210戸
7,988,518
214戸
9,323,077
土地販売
25,976㎡
3,752,641
9,586㎡
1,644,678
計
1,033戸
25,976㎡
45,388,745
837戸
9,586㎡
36,495,220
住宅流通
中古住宅(一戸建)
117戸
2,826,992
114戸
3,048,090
中古住宅(マンション)
922戸
21,079,158
963戸
22,563,944
建売住宅・その他
-
22,445
-
16,787
計
1,039戸
23,928,595
1,077戸
25,628,821
土地有効活用
賃貸住宅等建築請負
27件
2,341,501
23件
3,335,101
サービス付き高齢者向け住宅
13件
3,322,276
6件
3,147,108
個人投資家向け一棟売賃貸アパート
130棟
18,127,435
125棟
18,651,377
計
40件
130棟
23,791,213
29件
125棟
25,133,586
賃貸及び管理
賃貸料収入
―――
17,391,178
―――
18,867,753
サービス付き高齢者向け住宅事業収入
―――
5,552,684
―――
6,165,432
管理手数料収入
―――
885,278
―――
943,162
計
―――
23,829,141
―――
25,976,348
建設関連
115件
1,761,184
103件
1,239,839
合計
2,072戸
25,976㎡
155件
130棟
118,698,880
1,914戸
9,586㎡
132件
125棟
114,473,817
(注)1.最近2連結会計年度に、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手先はありません。
2.住宅流通セグメントの「その他」は、仲介手数料収入等であります。
b.受注契約実績
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメントごとの受注契約実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
期中契約高
期末契約残高
期中契約高
期末契約残高
数量
金額(千円)
数量
金額(千円)
数量
金額(千円)
数量
金額(千円)
分譲住宅
自由設計住宅等
641戸
26,276,938
426戸
17,412,028
521戸
22,044,211
324戸
13,928,775
分譲マンション
234戸
9,875,971
152戸
6,941,797
257戸
10,957,831
195戸
8,576,551
土地販売
16,127㎡
2,459,618
2,744㎡
359,246
11,131㎡
2,148,923
4,289㎡
863,491
計
875戸
16,127㎡
38,612,528
578戸
2,744㎡
24,713,072
778戸
11,131㎡
35,150,967
519戸
4,289㎡
23,368,818
住宅流通
中古住宅(一戸建)
111戸
2,817,288
23戸
578,169
101戸
2,746,888
10戸
276,967
中古住宅(マンション)
949戸
21,901,977
139戸
3,126,808
955戸
22,542,249
131戸
3,105,113
建売住宅・その他
―
22,445
―
-
―
16,787
―
-
計
1,060戸
24,741,710
162戸
3,704,977
1,056戸
25,305,925
141戸
3,382,081
土地有効活用
賃貸住宅等建築請負
35件
3,930,251
―
4,804,655
37件
4,451,196
―
5,920,750
サービス付き高齢者向け
住宅
17件
5,197,968
―
5,153,315
17件
4,704,522
―
6,710,729
個人投資家向け一棟売賃貸アパート
128棟
18,085,435
87棟
12,449,000
129棟
20,132,377
91棟
13,930,000
計
52件
128棟
27,213,655
87棟
22,406,971
54件
129棟
29,288,095
91棟
26,561,480
建設関連
112件
1,083,742
―
683,974
103件
1,020,975
―
465,109
合計
1,935戸
16,127㎡
164件
128棟
91,651,636
740戸
2,744㎡
87棟
51,508,994
1,834戸
11,131㎡
157件
129棟
90,765,963
660戸
4,289㎡
91棟
53,777,489
(注) 期中契約高に記載された金額は、期中契約高と期中解約高を純額表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、現行の見積りを必要とする会計処理については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりの方法によっており、会計基準等の新設・更新や連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合は、基本的には会計処理基準に準拠する方法によることとしており、新たに見積りを必要とする場合は、蓋然性の高い見積り方法による方針としております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(棚卸資産)
当社グループの棚卸資産の評価については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価損を計上しております。今後、市場状況の悪化による処分価額の低下が生じた場合、棚卸資産の評価損を計上する可能性があります。
(貸倒引当金)
当社グループは、営業未収入金等の回収事故に対処するため、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当金が必要となる可能性があります。
(有価証券の減損)
当社グループのその他有価証券については、期末日における時価が取得価額の50%以上下落した場合、または、2年間に渡り連続して取得価額の30%以上下落した場合に、減損処理を行う事としております。
将来、投資先の株価の著しい下落があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループの繰延税金資産については、中長期の損益見込みに基づいて将来の課税所得を検討し、回収可能性を考慮して計上しております。当連結会計年度末において計上されている繰延税金資産は十分回収できると判断しておりますが、予測し得なかった損失の発生が見込まれた場合、当該繰延税金資産が法人税等調整額として費用化される可能性があります。
② 財政状態の状況、分析及び検討
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,095百万円増加して154,608百万円(前期比0.7%増)となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ64百万円増加して103,550百万円(前期比0.1%増)となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,031百万円増加して51,057百万円(前期比2.1%増)となりました。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加額663百万円(前期比3.4%増)及び棚卸資産の減少額1,055百万円(前期比1.3%減)等を反映したものであります。
固定資産のうち有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,465百万円増加して46,006百万円(前期比3.3%増)となりました。この増加の主な要因は、中古住宅アセット事業に係る土地・建物の取得、自社保有サービス付き高齢者向け住宅に係る土地・建物の取得、本社設備並びに分譲住宅事業及び住宅流通事業に係る販売センター設備等の取得による増加額6,400百万円等の増加要因並びに所有目的の変更及び減価償却実施による減少額4,974百万円等の減少要因を反映したものであります。無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ31百万円減少の560百万円(前期比5.4%減)となりました。また、投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ401百万円減少の4,490百万円(前期比8.2%減)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,638百万円減少して107,524百万円(前期比1.5%減)となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ8,280百万円減少して39,942百万円(前期比17.2%減)となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べ6,642百万円増加して67,581百万円(前期比10.9%増)となりました。
流動負債減少の主な要因は、支払手形・工事未払金の減少額1,997百万円(前期比30.3%減)及び短期借入金の減少額7,274百万円(前期比25.6%減)並びに契約負債の増加額1,370百万円(前期比138.2%増)等を反映したものであります。
固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加額6,904百万円(前期比11.8%増)及びその他固定負債の減少額318百万円(前期比33.7%減)を反映したものであります。
当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ2,733百万円増加して47,083百万円(前期比6.2%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益3,817百万円の計上による資金増加要因並びに自己株式の取得による減少額148百万円及び配当金の支払額985百万円の資金減少要因等を反映したものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の28.89%から30.45%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,232.36円から1,316.94円となりました。
当連結会計年度末の財政状態を検討した結果、前連結会計年度と同様に厳選した仕入方針を継続し、在庫の回転率を上げ、収益性を高めたことにより、営業活動によるキャッシュ・フローで投資活動によるキャッシュ・フローを賄うことが出来ましたので、財務方針どおりの理想的な結果となりました。引き続き健全な財政状態を維持、強化できますよう努めて参ります。
③ 経営成績の分析・検討
当連結会計年度の連結損益計算書に重要な影響を与えた要因につき、以下にご説明します。
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4,225百万円減少して、114,473百万円(前期比3.6%減)を計上することとなったものの、期初公表予想を上回る結果となりました。分譲住宅セグメントにおいては、自由設計住宅の引渡戸数が前期比大幅減となったことに加えて、土地販売においては前連結会計年度に大規模素地販売があったことにより、相対的に減収となり、販売単価の高い大阪北部の分譲マンションの引渡しがあったことで大幅増収となりましたが、減収を補うことができなかったため、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ19.6%減少の36,495百万円となりました。住宅流通セグメントにおいては、中古住宅に対する需要は根強く、販売は総じて好調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ7.1%増加し25,628百万円となりました。土地有効活用セグメントにおいては、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が微減となりましたが、一棟当たり単価の上昇により売上高は増加し、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け住宅においても建築請負工事が順調に進行したことにより、売上高は増加しました。一方で、自社保有のサービス付き高齢者向け住宅の施工が前連結会計年度に比べ減少したことで、内部売上高は減少しました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べ0.7%減少して26,576百万円となりました。賃貸及び管理セグメントにおいては、主として土地有効活用事業にリンクした賃貸物件の引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したこと並びに前連結会計年度に自社保有のサービス付き高齢者向け住宅の管理物件が増加したことにより、売上高は、前連結会計年度に比べ9.0%増加し25,976百万円となりました。建設関連セグメントにおいては、当連結会計年度における建設工事が工程どおりに順調に進捗したものの受注契約高が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ6.3%減少し2,299百万円となりました。
b.営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ219百万円増加して、6,091百万円(前期比3.7%増)となりました。主な要因としては、分譲住宅セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ16.2%減少の1,237百万円となったものの、住宅流通セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ7.1%増加の1,370百万円となったこと及び賃貸及び管理セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ12.4%増加の3,111百万円となったことによるものであります。
c.経常利益
当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益が前連結会計年度に比べ2.3%減少し549百万円となり、営業外費用が主として分譲住宅セグメント及び土地有効活用セグメントの開発用土地購入並びに住宅流通セグメントの中古住宅取得に付随する借入金に係る費用の増加により、前連結会計年度に比べ11.2%増加し896百万円となりました。
以上の結果、営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は5,744百万円(前期比2.1%増)となり、売上高経常利益率は5.0%(前期は4.7%)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、(追加情報)の(賃貸入居者付き中古住宅アセット事業の売上高計上)に記載のとおり、当連結会計年度より中古住宅アセット事業に係る固定資産売却益の計上が売上高計上処理に変更されたこと等により4百万円(前期は330百万円)となり、特別損失は、前連結会計年度にのれんの減損損失を計上したこと及び固定資産除却損が減少したこと等により前連結会計年度に比べ97.1%減少し3百万円となりました。また、税金費用は、前連結会計年度に比べ1.6%減少し1,927百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1.3%減益となり3,817百万円を計上しました。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、不動産(棚卸資産、固定資産)の取得・開発をはじめとする事業への投資資金等であり、金融機関からの短期借入金、長期借入金を基本としております。その中で、中古住宅等の取得資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約並びにコミット型タームローン契約を締結しております。当連結会計年度において、中古住宅仕入資金のためのコミットメントライン型シンジケートローン契約2件(契約締結額合計10,000百万円、期末借入額合計3,625百万円)、中古住宅アセット事業仕入資金及び個人投資家向け一棟売賃貸アパート用地仕入資金のためのコミットメントライン契約5件(契約締結額合計9,000百万円、期末借入額合計1,304百万円)を金融機関と締結しました。現金及び預金は20,308百万円(前連結会計年度は19,644百万円)となりました。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、株主重視の経営という観点から、企業価値の向上と継続的・安定的な成長を図り、企業の経営効率を判断する指標である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として位置付けており、ROE10%以上の達成を目指しております。また、財政状態の安全性及び健全性の確保のため、自己資本比率25%以上を目標としております。
当連結会計年度は、ROEにつきましては8.35%で未達成となりましたが、自己資本比率は30.45%で目標を達成しました。
過去5年間におけるROE及び自己資本比率の推移は、以下のとおりであります。
経営指標
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
ROE
11.86%
7.96%
5.80%
9.02%
8.35%
自己資本比率
25.57%
24.55%
28.11%
28.89%
30.45%
中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の初年度である当連結会計年度のROEを含めた各経営指標の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
経 営 指 標
2023年3月期
(計 画)
2023年3月期
(実 績)
2023年3月期
(計画比)
売上高
110,600百万円
114,473百万円
3,873百万円( 3.5%増)
経常利益
5,700百万円
5,744百万円
44百万円( 0.8%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
3,800百万円
3,817百万円
17百万円( 0.5%増)
ROE(自己資本当期純利益率)
8.40%以上
8.35%
0.05ポイント減
