【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況
の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、諸外国で金融引き締めが進み、米国ではシリコンバレー銀行などが破綻し、欧
州ではUBSがクレディ・スイスの救済合併を発表しました。わが国では、日本銀行が金融緩和を継続したため、
内外金利差により外国為替市場で円安が進行しました。ウクライナ戦争が長期化して電力・エネルギー価格が高騰
したため、国内企業物価は10%上昇し、消費者物価も4%上昇しました。コロナ禍で海外からの部品の調達難と半
導体不足が長期化し、自動車をはじめとする様々な業界で生産活動が制約されました。
このような経営環境の下、当社は各種仕入価格が上昇したため、その一部を販売価格に転嫁すべく注力しまし
た。
当社の当事業年度の経営成績は、販売数量が2万3,894トン(前年同期比6.2%減少)となり、銅相場が前年同期
と比較して高い水準だったため、売上高は272億42百万円(同4.2%増加)となりました。収益面につきましては、
営業利益は15億91百万円(同32.7%減少)となりましたが、銅相場のリスクをヘッジするためのデリバティブ取引
でデリバティブ評価益が22百万円、デリバティブ損失が34百万円、デリバティブ評価損が90百万円発生したため、
経常利益は15億5百万円(同0.1%増加)、当期純利益は10億31百万円(同2.5%減少)となりました。
当社は伸銅品関連事業の単一セグメントとしております。伸銅品関連事業の部門別の経営成績は、次のとおりで
あります。
(伸銅品)
当社の主力製品である伸銅品においては、販売数量2万3,140トン(前年同期比6.1%減少)、売上高は237億27百
万円(同7.2%増加)となりました。
(伸銅加工品)
伸銅加工品においては、売上高は12億57百万円(前年同期比4.4%増加)となりました。
(その他の金属材料)
その他の金属材料においては、伸銅品原材料の転売が主で、売上高は22億56百万円(前年同期比19.3%減少)と
なりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2億23百万円(前事業年度末比4百万円
の減少)になりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1億57百万円(前年同期は1億6百万円の支出超過)となりました。これは主
に、棚卸資産の増加が7億33百万円、法人税等の支払額が6億42百万円であったものの、税引前当期純利益が15億
5百万円であったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1億58百万円(前年同期比44百万円支出の増加)となりました。これは主に、
有形固定資産の取得による支出が1億9百万円、無形固定資産の取得による支出が46百万円であったこと等による
ものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は3百万円(前年同期は1億84百万円の収入超過)となりました。これは主に、
短期借入金の純増加額が1億50百万円であったものの、自己株式の取得による支出が1億31百万円、配当金の支払
額が21百万円であったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における伸銅品関連事業の生産実績を示すと、次のとおりであります。
事業部門名
生産高(百万円)
前年同期比(%)
伸銅品関連事業
伸銅品
23,516
111.1
伸銅加工品
1,246
108.3
合計
24,762
111.0
(注) 金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当事業年度における伸銅品関連事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。
事業部門名
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
伸銅品関連事業
伸銅品
23,422
103.4
1,910
86.2
伸銅加工品
1,226
97.8
279
90.0
合計
24,649
103.1
2,190
86.7
(注) 金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当事業年度における伸銅品関連事業の販売実績を示すと、次のとおりであります。
事業部門名
販売高(百万円)
前年同期比(%)
伸銅品関連事業
伸銅品
23,727
107.2
伸銅加工品
1,257
104.4
その他の金属材料
2,256
80.7
合計
27,242
104.2
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであり
ます。
相手先
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
市原金属産業株式会社
4,328
16.6
4,396
16.1
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(単位:百万円)
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
2023年3月期
27,242
1,591
1,505
1,031
2022年3月期
26,137
2,365
1,503
1,058
増減
(増減率%)
1,104
4.2
△774
△32.7
1
0.1
△26
△2.5
売上高は、銅相場が前年同期と比較して高い水準だったため、272億42百万円(前年同期比4.2%増加)とな
り、営業利益は15億91百万円(同32.7%減少)となりました。経常利益は、銅や亜鉛の相場変動によって生じる
損益への影響を打ち消すためにデリバティブ取引を行っていることから、営業外損益として、デリバティブ評価
益が22百万円、デリバティブ損失が34百万円、デリバティブ評価損が90百万円発生したため、15億5百万円(同
0.1%増加)となりました。当期純利益は、10億31百万円(同2.5%減少)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は123億5百万円となり、前事業年度末に比べ36百万円増加しました。これは
主に売掛金が7億61百万円、受取手形が2億49百万円減少したものの、棚卸資産が7億33百万円、電子記録債権
が2億24百万円、その他流動資産が91百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は31億3百万円と
なり、前事業年度末に比べ53百万円減少しました。
この結果、資産合計は154億8百万円となり、前事業年度末に比べ17百万円減少しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は46億30百万円となり、前事業年度末に比べ9億28百万円減少しました。これ
は主に買掛金が4億16百万円、その他流動負債が2億20百万円、未払法人税等が1億81百万円減少したこと等に
よるものであります。固定負債は4億17百万円となり、前事業年度末に比べ8百万円増加しました。
この結果、負債合計は50億48百万円となり、前事業年度末に比べ9億19百万円減少しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は103億59百万円となり、前事業年度末に比べ9億1百万円増加しました。こ
れは主に当期純利益10億31百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は67.2%(前事業年度末は61.3%)となりました。
c.当社の経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、国際相場商品である銅や亜鉛を主要原材料として使用しています。このため、銅や亜鉛の相場が下が
り局面にある場合は、保有原材料や工程内仕掛品などの棚卸資産等に含み損が発生するため、棚卸資産評価損の
計上を必要としたり、製品販売価格が下落して売上高が減少したりする可能性があります。
d.戦略的現状と見通し
当社は、市場が成熟したり縮小したりしている分野では、M&Aなどによる業容の維持拡大と、新製品の開発
による市場開拓に努めて参りました。今後とも引き続きましてM&Aと製品開発に注力して参ります。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めています
が、資源エネルギー価格が高騰し、各種購買品の仕入価格が上昇しています。コストアップ分を適切に製品価格
へ転嫁すると同時に、より一層、新製品の開発と新市場の開拓に注力して行く所存です。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、得られた資金が1億57百万円となりました。こ
れは主に、棚卸資産の増加が7億33百万円、法人税等の支払額が6億42百万円であったものの、税引前当期純利
益が15億5百万円であったこと等によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、主に有形固
定資産の取得等により、1億58百万円のキャッシュを使用しました。また、財務活動によるキャッシュ・フロー
では、自己株式の取得による支出が1億31百万円あったものの、短期借入金の純増加額が1億50百万円であった
こと等により3百万円のキャッシュを使用しました。
当社は、必要となった資金については、内部留保資金と営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を
活用しております。一方、今後も継続的な設備投資が見込まれるとともにM&Aにより資金が必要になる可能性
もあります。他に原料相場が上昇した場合、運転資金を確保する必要もあり、これらの影響により、資金需要が
増加する場合、内部留保資金に加え、取引先金融機関からの借入により資金調達を行うこととなります。当社の
自己資本比率は67.2%と十分な資金調達余力を有しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、
第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりでありま
す。
