【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の分析当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスが感染法上の5類に移行する中で、徐々に持ち直しの動きがみられました 。今後も、インバウンド需要や自動車生産の復調、雇用・所得環境改善等の内外需要の動きを反映して、緩やかな回復が続くことが期待されます。しかしながら、金利上昇による世界経済の減速や物価上昇を背景とした消費者マインドの悪化、人手不足による供給制約といった景気下振れリスクも多く、当面は注視が必要と思われます。住宅業界におきましては、材料高による建築費の上昇や建築資材の供給不足等の影響もあり、令和5年4月~6月の新設住宅着工は、戸数208千戸(前年同期比4.7%減)、床面積16,492千㎡(同7.0%減)となりました。このような環境のもと当社グループでは事業別に重点分野を定めて拡販活動を推進しています。建築資材事業では、持家、戸建住宅の着工数が減少する中、前期に実施した価格改定の寄与に加えて行政による政策の後押しもあり、観光・宿泊施設向けの製品など非住宅分野が伸長した結果、内装建材・システム建材の売上が増加しました。産業資材では、経済産業省・環境省の「先進窓リノベ事業」により窓枠関連分野の相手先ブランド製品が伸長したほか、マイクロバスや観光バス向けの部材も復調傾向となりました。また、精密化工分野では、今期に入り半導体不足問題は解消されてきましたが、中国市場の停滞等により、車載・非車載共に弱含みで推移しました。海外市場においては、米国で自社ブランド品が引き続き好調を維持しているほか、タイとベトナムでの売上高も堅調に推移し、ASEAN建材ビジネスの基盤構築に向けた活動を展開しております。以上により、当第1四半期連結累計期間の売上高は98億52百万円と、前年同期に比べ6.1%の増収となりました。利益面につきましては、営業利益3億50百万円(前年同期比254.7%増)、経常利益5億27百万円(同100.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3億78百万円(同36.9%増)となりました。
事業別の売上状況は、以下のとおりであります。
前第1四半期累計期間
当第1四半期累計期間
増 減
分 類
金 額(百万円)
構成比(%)
金 額(百万円)
構成比(%)
金 額(百万円)
増減比(%)
建築資材
外装建材
1,348
14.5
1,277
13.0
△71
△5.3
内装建材
2,899
31.2
3,260
33.1
361
12.5
床関連材
1,910
20.6
1,899
19.3
△11
△0.6
システム建材
881
9.5
1,020
10.4
139
15.7
計
7,039
75.8
7,456
75.7
418
5.9
産業資材
2,251
24.2
2,396
24.3
144
6.4
合 計
9,290
100.0
9,852
100.0
562
6.1
[建築資材事業]建築資材事業では環境配慮型商品ブランド「Fukuvalue」の拡充に注力するとともに、新製品、既存製品問わず新市場に向けた販路の拡大に取り組みました。特に注力製品についてはデジタルマーケティング、ウェブセミナー、展示会を通じて、新たな顧客の開拓と関係強化に努めています。製品別では、外装建材において環境配慮型商品の樹脂製瓦桟『エコランバー』などが堅調に推移しましたが、持家新設住宅着工戸数減の影響により住宅用防水部材、外装装飾部材が伸び悩み、12億77百万円(同5.3%減)となりました。内装建材においては、内装下地材が低調に推移しましたが、観光庁の支援施策「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」の継続が、観光・宿泊施設の改修を後押しすることとなり、浴室用パネル『バスパネル』が好調に推移しました。樹脂開口枠や高性能断熱材『フェノバボード』も順調な伸びを示し、32億60百万円(同12.5%増)となりました。床関連材においては、樹脂系床仕上材、乾式遮音二重床システム部材などは好調に推移した一方で、床支持具、OAフロアなどが伸び悩み、18億99百万円(同0.6%減)となりました。システム建材においては、防蟻関連システムは低調となりましたが、環境配慮型商品ブランド「Fukuvalue」のラインナップのひとつでもある人工木材『プラスッド』が好調に推移し、10億20百万円(同15.7%増)となりました。こうした結果、建築資材事業の売上高は、74億56百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
〔産業資材事業〕産業資材事業の売上は、23億96百万円(同6.4%増)で、売上高全体の24.3%を占めました。機器部材および精密化工品が伸び悩みましたが、窓枠部材および車両部材は好調に推移いたしました。また、昨年発売した『樹脂製フォークガード』が堅調で売上増加に貢献しました。
② 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ10億37百万円(前期末比2.0%)増加し、517億96百万円となりました。主な増減要因としましては、流動資産では、電子記録債権が2億90百万円減少した一方で、現金及び預金が4億16百万円増加、棚卸資産が1億11百万円増加したこと等により、1億85百万円(同0.5%)の増加となりました。固定資産では、投資有価証券が7億73百万円増加、有形固定資産が38百万円増加する等、8億52百万円(同5.3%)の増加となりました。 負債は、前連結会計年度末に比べ3億38百万円(前期末比2.0%)増加し、168億43百万円となりました。主な増減要因としましては、流動負債では、支払手形及び買掛金が2億95百万円減少した一方で、賞与引当金が3億78百万円増加したこと等により、1億64百万円(同1.1%)の増加となりました。固定負債では、繰延税金負債が1億18百万円増加、またリース債務が60百万円増加する等、1億74百万円(同10.2%)の増加となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ6億99百万円(前期末比2.0%)増加し、349億53百万円となりました。退職給付に係る調整累計額が16百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金が5億39百万円増加したことや、利益剰余金が1億20百万円増加したこと等によるものです。この結果、株主資本合計は317億76百万円、自己資本は341億91百万円となり、自己資本比率は66.0%となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度末
当第1四半期連結会計期間末
増減額
流 動 資 産
34,777
34,963
185
固 定 資 産
15,982
16,834
852
資 産 合 計
50,760
51,796
1,037
流 動 負 債
14,804
14,969
164
固 定 負 債
1,701
1,874
174
負 債 合 計
16,505
16,843
338
純 資 産 合 計
34,254
34,953
699
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、276百万円です。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。