【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動の動きは緩やかに回復してまいりました。反面、顕在化した地政学的リスク等の影響により、原油価格や原材料の高騰がみられ、コストプッシュによるインフレの動きがあったほか、アメリカやヨーロッパ諸国でのインフレ対策による利上げ等の金融政策が実施されたことにより急激な円安傾向がみられ、先行きに対する不透明感が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、ゴルフ市場の3密を避けたレジャーとして国内外での好調な動き及びタイ自動車市場の堅調な動きに対応するべく、品質の向上及び生産能力の強化等を図り、安定した製品の供給を維持できるように努めました。
この結果、当連結会計年度における財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ13億89百万円増加し、218億68百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億49百万円減少し、34億95百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億38百万円増加し、183億72百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は145億82百万円(前期比15.8%増)となり、利益面につきましても、ゴルフ関連市場等が好調に推移したこと及び鍛造事業では市場が堅調に推移していること等から、営業利益18億51百万円(同0.7%増)、経常利益18億29百万円(同1.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等調整額を6億80百万円計上したこともあり7億96百万円(同50.2%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(ゴルフ事業)
ゴルフ事業につきましては、原油や原材料の高騰等があったものの、引き続き3密を避けたレジャーとしてゴルフ市場全体が好調に推移しており、当社も受注増加に伴い生産の増強及び品質の維持・向上を図り、安定供給に努めました。その結果、販売数量が増加した影響により売上高71億17百万円(前期比16.6%増)、営業利益17億47百万円(同7.5%増)と増収増益となりました。
(メタルスリーブ事業)
メタルスリーブ事業につきましては、半導体不足による生産調整及びテレワークやDX等の進展による複写機の需要は減少の傾向がみられるとともに、原油や原材料の高騰等の影響もあり売上高10億46百万円(同2.7%減)、営業利益74百万円(同46.2%減)と減収減益となりました。
(鍛造事業)
鍛造事業につきましては、世界的な半導体不足等による生産調整が自動車業界の一部でみられたものの、タイの自動車関連市場は堅調に推移いたしました。当社は、新型コロナウイルス感染症の製造に関する影響を最低限に抑えるべく取引先との関係強化及び生産の強化を実施し、安定供給に努めたことにより、売上高64億18百万円(同18.6%増)、営業利益6億42百万円(同1.4%増)と増収増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、19億25百万円の収入となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益18億29百万円及び減価償却費9億89百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、10億31百万円の支出となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出10億9百万円及び投資有価証券の取得2億22百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億68百万円の支出となりました。この主な要因は、長期借入れの返済による支出7億円等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は70億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億85百万円増加いたしました。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
ゴルフ事業(千円)
7,528,516
121.2
メタルスリーブ事業(千円)
1,156,515
105.1
鍛造事業(千円)
6,467,482
118.7
合計(千円)
15,152,514
118.8
(注)金額は販売価格によっております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
ゴルフ事業
7,293,457
112.3
1,694,832
111.6
メタルスリーブ事業
1,073,328
102.5
110,539
132.7
鍛造事業
6,520,535
120.9
539,682
123.2
合計
14,887,321
115.1
2,345,053
115.0
(注)金額は販売価格によっております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
ゴルフ事業(千円)
7,117,209
116.6
メタルスリーブ事業(千円)
1,046,116
97.3
鍛造事業(千円)
6,418,855
118.6
合計(千円)
14,582,181
115.8
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
住友ゴム工業㈱
2,116,893
16.8
2,565,732
17.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
イ.資産の部
当連結会計年度末における資産合計は、218億68百万円となり、前連結会計年度に比べ13億89百万円増加いたしました。
流動資産は134億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億22百万円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加したこと等によるものであります。
固定資産は84億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ66百万円増加いたしました。この主な要因は、機械装置及び運搬具、土地が増加したこと等によるものであります。
ロ.負債の部
当連結会計年度末における負債合計は、34億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億49百万円減少いたしました。
流動負債は20億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億76百万円減少いたしました。この主な要因は、短期借入金及び未払法人税等が減少したこと等によるものであります。
固定負債は14億38百万円となり、前連結会計年度に比べ5億27百万円増加いたしました。この主な要因は、繰延税金負債及び退職給付に係る負債が増加したこと等によるものであります。
ハ.純資産の部
当連結会計年度末における純資産合計は、183億72百万円となり、前連結会計年度に比べ16億38百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加等によるものであります。
2)経営成績
当連結会計年度の業績は、前連結会計年度から引き続きゴルフ関連市場等が好調に推移するなか、新型コロナウイルス感染症及び地政学的リスクの顕在化等による影響があったものの、生産への影響を最小限にとどめ、受注に対して安定した供給を実施することができました。以上の結果、売上高は145億82百万円(前期比15.8%増)となり、利益面につきましても、ゴルフ関連市場等が好調に推移したこと及び鍛造事業では市場が堅調に推移していること等から、営業利益18億51百万円(同0.7%増)、経常利益18億29百万円(同1.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等調整額を6億80百万円計上したこともあり7億96百万円(同50.2%減)となりました。
イ.売上高
ゴルフ事業につきましては、引き続き3密を避けたレジャーとしてゴルフ市場全体が好調に推移しており、当社も受注増加に伴い生産の増強及び品質の維持・向上を図り、安定供給に努めました。その結果、販売数量が増加した影響により、売上高71億17百万円(前期比16.6%増)と増収となりました。
メタルスリーブ事業につきましては、半導体不足による生産調整及びテレワークやDX等の進展による複写機の需要は減少の傾向がみられ、売上高10億46百万円(同2.7%減)と減収となりました。
鍛造事業につきましては、世界的な半導体不足等による生産調整が自動車業界の一部でみられたものの、タイの自動車関連市場は堅調に推移いたしました。当社は、新型コロナウイルス感染症の製造に関する影響を最低限に抑えるべく取引先との関係強化及び生産の強化を実施し、安定供給に努めたことにより、売上高64億18百万円(同18.6%増)と増収となりました。
ロ.営業利益
ゴルフ事業につきましては、原油や原材料の高騰等があったものの、受注増加に伴い生産の増強及び品質の維持・向上を図り、安定供給に努めました。その結果、販売数量が増加した影響により営業利益17億47百万円(同7.5%増)と増益となりました。
メタルスリーブ事業につきましては、半導体不足による生産調整及びテレワークやDX等の進展による複写機の需要は減少の傾向がみられ減収の影響に加え、原油価格や原材料等の製造コストが上昇したこと等により、営業利益74百万円(同46.2%減)となりました。
鍛造事業につきましては、原油価格や原材料等の製造コストが増加しているものの、新型コロナウイルス感染症の製造に関する影響を最低限に抑えるべく取引先との関係強化及び生産の強化を実施し、安定供給に努めた増収となった影響により、営業利益6億42百万円(同1.4%増)と増益となりました。
ハ.営業外損益、経常利益
営業外損益、経常利益につきましては、営業利益が上記のとおり推移したこと等により、経常利益は18億29百万円(同1.1%増)となりました。
ニ.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、売上高が増加し、営業利益、経常利益が上記のとおり推移したものの、在外子会社における配当方針の見直しに伴う法人税等調整額を6億80百万円計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益7億96百万円(同50.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資金需要
当社グループの資金需要は、主に生産活動のための原材料費、労務費、販売費及び一般管理費に係る運転資金、事業拡大及び生産性の向上のための設備投資資金等であります。
ロ.財務政策
当社グループの事業活動拡大のため、安定的な資金調達手段の確保及び運転資金の効率的な調達を行うことを目的として、単独の金融機関との間で15億円のコミットメントラインを更新しております。
また、資金の効率的な運用及び金融費用の削減を図るため、当社のグループ会社間での資金調達を一部行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、当連結会計年度の収入・費用等の報告数値に影響を与える見積り等は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営基盤の強化を図り、安定的な収益の確保と効率化を目指した経営を行うことで、企業価値の向上を努めてまいります。
なお、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、連結営業利益率10%以上の継続的な実現を目指しており、当連結会計年度における連結営業利益率は12.6%(前期比2.0ポイント低下)であり、引き続き連結営業利益率の向上に取り組んでまいります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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