【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績に関する分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出の増加や生産の持ち直しの動きは見られたものの、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続きました。経済の先行きについては、製造業を中心に投資の再開の動きもあり改善基調をたどるとみられますが、感染症の再拡大が社会経済活動に与える影響への懸念もあって、改善ペースは緩やかなものにとどまると見込まれます。
当社グループを取り巻く関連業界におきましては、主要取引先である自動車関連産業は、国内生産・販売に回復の兆しが見られたものの、半導体供給不足の影響等もあって再び前年同月比マイナスに転じるなど、先行きは楽観できない状況であります。
鉄鋼産業に関しても、中国における粗鋼生産増の影響を主因に国内の粗鋼生産は前年同月比減少が続いており、総じて厳しい経営環境にあります。
このような極めて厳しい経済情勢のなか、当社グループは営業と技術が一体となり、主力製品や新製品の拡販活動を積極的に推進してまいりましたが、当連結会計年度の売上高は76億5千8百万円(前年同期比17.2%減)と大幅に減少いたしました。
利益面でも、営業利益は5千9百万円(前年同期比84.6%減)、経常利益は1億2千5百万円(前年同期比69.7%減)と大幅な減益となりました。以下事業セグメント別の業績に記述しております通り、新型コロナウイルス感染症の影響等により、不動産事業を除く全ての市場において売上が大きく減少したことが主たる要因であります。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億1千7百万円(前年同期比61.8%減)となりました。
以上の通り、当連結会計年度は極めて厳しい経営成績となりましたが、そうしたなかでも、当社は将来に向けて、製造設備の増強(大阪工場の大型焼成炉等)、M&Aへの取組(2021年4月5日付で日本ピーシーエス株式会社を子会社化)など、投資活動を積極的に行ってまいりました。
事業セグメント別の業績は、以下の通りであります。 耐火物事業の売上高は、47億2千8百万円(売上高比率61.7%)と前期比17.6%減少し、営業利益は7千万円(前期比79.6%減)となりました。
耐火物事業のうち鋳造市場向けについては、新型コロナウイルス感染症の影響による自動車販売台数の減少、半導体の供給不足による自動車生産台数の減少に伴い、自動車関連産業のお客様の操業度が低下したことを主因に、売上高は34億3千2百万円(売上高比率44.8%)と前期比13.9%減少いたしました。特に、黒鉛ルツボ、不定形耐火物等の売上が大きく減少しております。
耐火物事業のうち鉄鋼市場向けは、世界的な供給過剰を背景に、国内製鉄所の再編が加速するとともに、一部高炉においてバンキングが行われました。特に、当期は当社が主としてメンテナンスを担当している高炉休止の影響が大きく、流し込み樋材などの耐火物売上が大幅に減少し、売上高は9億2千8百万円(売上高比率12.1%)と大きく減少(前期比32.4%減少)いたしました。
エンジニアリング事業の売上高は、25億1千9百万円(売上高比率32.9%)と前期比18.6%減少し、営業利益は2億6千9百万円(前期比24.9%減)となりました。
エンジニアリング事業のうち溶解炉市場向けについては、新製品であるフリーダム炉の受注は順調に進みましたが、国内の自動車関連産業のお客様の低操業が続いたこと、また海外のお客様が新型コロナウイルス感染症の影響から溶解炉関係の設備投資を保留する動きもあったことから、その他の新設溶解炉等の受注が伸び悩み、売上高は18億9百万円(売上高比率23.6%)と前期比26.3%減少いたしました。
エンジニアリング事業のうち環境関連市場向けについては、焼却炉のメンテナンス工事および定期的な請負工事を中心に堅調な受注を継続できたことから、売上高は7億1千万円(売上高比率9.3%)と前期比10.5%増加いたしました。
不動産事業については、本社ビルのテナントからの賃料収入は在宅勤務等の広がりによるオフィススペース縮小の動きの影響を受けることなく、また豊田工場敷地内の太陽光発電設備の売電収入も安定していたことから、売上高は4億1千1百万円(売上高比率5.4%)と前期比1.2%増加し、営業利益は2億3千4百万円(前期比7.6%増)となりました。
(2)財政状態に関する分析
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末比1億5千4百万円(2.4%)減少し、63億9千1百万円となりました。主として、受取手形及び売掛金の減少によるものです。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末比6千9百万円(1.6%)減少し、43億1千3百万円となりました。主として、製造設備の減価償却によるものです。のれんについては、計画通り22百万円償却しております。
これにより、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比2億2千3百万円(2.0%)減少し、107億4百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末比4億3千9百万円(11.3%)減少し、34億5千万円となりました。主として、短期借入金の減少によるものです。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末比2千5百万円(1.1%)増加し、23億4千2百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比1億9千1百万円(4.1%)増加し、49億1千2百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の43.2%から45.9%となりました。期末発行済株式数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末比159.21円増加し3,651.92円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容等
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比3億7千3百万円増加し、21億3千5百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1億9千2百万円、減価償却費3億6千7百万円、売上債権の減少2億4千8百万円、仕入債務の減少2億1千9百万円などにより、9億6千6百万円の収入となりました(前年同期は8億6千3百万円の収入)。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得1億6千1百万円などにより、1億1千9百万円の支出となりました(前年同期は2億2千4百万円の支出)。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済6億3千3百万円などにより、4億7千4百万円の支出となりました(前年同期は3億4千7百万円の支出)。
当社グループは、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことを財務戦略の基本方針としております。
営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げることで、設備投資及び株主還元の原資を確保するとともに、計画的に長期借入金を返済することで、引き続き良好なバランスシートを維持するとともに、中長期的に資本効率を高めていくための投資活動を行ってまいります。
設備投資については、減価償却額の推移も意識しつつ、工場製造設備、技術開発の両面において中長期的な視点で戦略的に進めてまいります。
当社グループにおける資金需要は、主として設備投資に係る資金と経常的な運転資金が中心であり、取引金融機関からの借入による調達を基本としております。なお、今後の成長に寄与するシナジー効果の高いM&A案件については、投資効果、資本効率、財務バランス等を総合的に勘案のうえで、引き続き資金調達面も含め戦略的に検討してまいります。
(4)重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、様々な見積りによる判断がなされておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果が異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下の通りであります。
①棚卸資産の評価
棚卸資産は、販売価格が低下した場合には帳簿価額を時価まで切り下げ、また直近で動きのない場合には滞留期間に応じて評価損を計上しております。販売価格が低下した場合や見込生産していた製品が販売できなくなり過剰在庫が生じた場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
②営業権(のれん)
2017年4月の眞保炉材工業株式会社の連結子会社化に伴い、期末において240百万円の営業権(のれん)を計上しております。同社の業績動向等を踏まえて将来の見積りを行っており、期末時点において減損の兆候等は全くないものと判断しております。なお、この営業権については、子会社化以降現在まで計画通りの償却を進めてきております。
③投資有価証券
投資有価証券について、今後回復の可能性がないと判断した銘柄は、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化、投資先企業の業績低迷等により、今後更に減損の追加処理が必要となる可能性があります。
④繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しております。将来、繰延税金資産の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額、税金費用の追加が必要となる可能性があります。
⑤製造設備等
大阪工場、豊田工場等の製造設備については、期末時点において減損の兆候にあたる事実の有無を工場ごとの損益実績等に基づいて検証し、減損の兆候等はないものと判定しております。
その他に、見積り・仮定の不確実性、あるいは変動による影響等を考慮すべきものはありません。
(5)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
耐火物
3,373,367
△16.1
エンジニアリング
2,583,395
6.0
合計
5,956,762
△7.8
(注)1 金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
耐火物
4,792,647
△17.0
307,800
△2.6
エンジニアリング
2,450,446
△20.8
336,717
△17.0
合計
7,243,093
△18.3
644,517
△10.7
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
耐火物
4,727,671
△17.6
エンジニアリング
2,519,367
△18.6
不動産事業
410,752
1.2
合計
7,657,790
△17.2
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
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