【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績に関する分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は全体として緩やかな回復となったものの、特に2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの影響が広範囲に及び、輸出および生産が弱含むなかで、製造業を中心に減速感が一段と増すなど、極めて厳しい状況で推移しました。
当社グループを取り巻く関連業界におきましては、主要取引先である自動車関連産業は、輸出が落ち込んでおり、国内生産台数・販売台数に関しても昨年夏から秋にかけて前年比減少に転じるなど、停滞感が一段と強まりました。
鉄鋼産業は、国内粗鋼生産量の前年比減少が続いていることに加え、中国の高水準の粗鋼生産や米国の鉄鋼輸入制限措置などの需要下振れリスクもあって、製鉄所の再編に関する発表が相次ぐ事態となりました。
このような極めて厳しい経済情勢のなか、当社グループは営業と技術が一体となり、主力製品や新製品の拡販活動を積極的に推進してまいりましたが、当連結会計年度の売上高は92億4千3百万円と前年同期比4.9%減少いたしました。
利益面では、営業利益は3億8千6百万円(前年同期比30.8%減)、経常利益は4億1千2百万円(前年同期比31.5%減)となりました。鋳造市場、鉄鋼市場ともに比較的利益率の高い製品の売上が減少したこと、主要な原材料価格の高止まり傾向が続いたことなどが、減益の主たる要因であります。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の台風21号・24号の被害による受取保険金を特別利益に、また確定被害額を特別損失に計上したこともあり、3億7百万円(前年同期比24.2%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は226.97円(前年同期比72.36円減)、自己資本利益率は6.6%(前年同期比▲2.5ポイント)となりました。
事業セグメント別の業績は、以下の通りであります。 耐火物事業の売上高は、57億4千万円(売上高比率62.1%)と前年同期比8.6%減少し、営業利益は3億4千6百万円(前年同期比40.5%減)となりました。
耐火物事業のうち鋳造市場向けについては、自動車関連産業の落ち込みを受け、売上高は39億8千4百万円(売上高比率43.1%)と前年同期比7.8%減少いたしました。特に、自動車部品の製造過程で使用されるフィルター、韓国向けのサーモチューブ等の売上が減少しております。
耐火物事業のうち鉄鋼市場向けは、一部製鉄所の高炉休止等の影響を主因に高炉の樋の補修等に使用される耐火材の受注が減少し、売上高は13億7千4百万円(売上高比率14.9%)と前年同期比9.2%減少いたしました。 エンジニアリング事業の売上高は、30億9千7百万円(売上高比率33.5%)と前年同期比1.8%増加し、営業利益は3億5千8百万円(前年同期比18.7%増)となりました。
エンジニアリング事業のうち溶解炉市場向けについては、上期はタイを中心に海外での受注・出荷が堅調に推移いたしましたが、下期は景気後退局面のなかでお客さまの設備投資が延期されるなど国内外ともに新設炉の受注が伸び悩み、売上高は24億5千4百万円(売上高比率26.5%)と前年同四半期比7.1%減少いたしました。
エンジニアリング事業のうち環境関連市場向けについては、焼却炉のメンテナンス工事を中心に好調な受注を継続できたことから、売上高は6億4千2百万円(売上高比率7.0%)と前年同期比60.8%増加いたしました。特に、大手プラントサービス事業者との連携を通じて、各地の大規模焼却設備への拡販が進んだことが大きく寄与しております。
不動産事業の売上高は、4億6百万円(売上高比率4.4%)と前年同期比2.2%増加し、営業利益は2億1千7百万円(前年同期比2.5%増)となりました。本社ビルの賃貸料の改定、太陽光発電設備の償却負担減等が寄与したものであります。
(2)財政状態に関する分析
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末比1億9千4百万円(2.9%)減少し、65億4千5百万円となりました。主として、受取手形及び売掛金の減少によるものです。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末比1億8千7百万円(4.1%)減少し、43億8千2百万円となりました。主として、製造設備の減価償却によるものです。のれんについては、計画通り22百万円償却しております。
これにより、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比3億8千万円(3.4%)減少し、109億2千7百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末比1億9千1百万円(4.7%)減少し、38億8千9百万円となりました。主として、電子記録債務の減少によるものです。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末比3億7千9百万円(14.0%)減少し、23億1千7百万円となりました。主として、長期借入金の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比1億8千9百万円(4.2%)増加し、47億2千1百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の40.1%から43.2%となりました。期末発行済株式数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末比140.08円増加し3,492.71円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容等
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比2億9千1百万円増加し、17億6千2百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4億3千8百万円、減価償却費3億6千8百万円、売上債権の減少5億6百万円、仕入債務の減少2億4千1百万円などにより、8億6千3百万円の収入となりました(前年同期は5億8千万円の収入)。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得1億9千8百万円などにより、2億2千4百万円の支出となりました(前年同期は4億9千3百万円の支出)。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済4億1千8百万円などにより、3億4千7百万円の支出となりました(前年同期は2千7百万円の支出)。
当社グループは、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことを財務戦略の基本方針としております。
営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げることで、設備投資及び株主還元の原資を確保するとともに、計画的に長期借入金を返済することで、引き続き良好なバランスシートを維持するとともに、中長期的に資本効率を高めていくための投資活動を行ってまいります。
設備投資については、減価償却額の推移も意識しつつ、工場製造設備、技術開発の両面において中長期的な視点で戦略的に進めてまいります。
なお当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び総合的な株主還元策の一環として、本年3月27日から4月24日までの間に15百万円の自己株式の取得を行いました。利益配当政策については、「提出会社の状況」の3「配当政策」の項をご参照ください。
当社グループにおける資金需要は、主として設備投資に係る資金と経常的な運転資金が中心であり、取引金融機関からの借入による調達を基本としております。なお、今後の成長に寄与するシナジー効果の高いM&A案件については、投資効果、資本効率、財務バランス等を総合的に勘案のうえで、資金調達面も含め戦略的に検討してまいります。
(4)重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、様々な見積りによる判断がなされておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果が異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下の通りであります。
①営業権(のれん)
2017年4月の眞保炉材工業株式会社の連結子会社化に伴い、期末において262百万円の営業権(のれん)を計上しております。同社の業績動向等を踏まえて将来の見積りを行っており、期末時点において減損の兆候等はないものと判定しております。なお、同社は子会社化時の事業計画に対し順調な業績を継続しており、現在まで予定通りに営業権の償却を進めてきております。
②投資有価証券
投資有価証券について、今後回復の可能性がないと判断した銘柄は、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化、投資先企業の業績低迷等により、今後更に減損の追加処理が必要となる可能性があります。
③繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しております。将来、繰延税金資産の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額、税金費用の追加が必要となる可能性があります。
④製造設備等
大阪工場、豊田工場等の製造設備については、期末時点において減損の兆候にあたる事実の有無を工場ごとの損益実績等に基づいて検証し、減損の兆候等はないものと判定しております。
その他に、見積り・仮定の不確実性、あるいは変動による影響等を考慮すべきものはありません。
(5)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
耐火物
4,020,543
△3.0
エンジニアリング
2,437,691
3.4
合計
6,458,234
△0.7
(注)1 金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
耐火物
5,772,820
△10.1
316,084
△16.1
エンジニアリング
3,094,190
0.6
405,639
△0.6
合計
8,867,010
△6.6
721,723
△8.1
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
耐火物
5,740,223
△8.6
エンジニアリング
3,096,759
1.8
不動産事業
406,058
2.2
合計
9,243,040
△4.9
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
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