【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当第2四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)における当社グループの財政状態及び経営成績の状況の概要は、次のとおりであります。
(1)経営成績の状況当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、雇用や所得環境の改善により緩やかに回復しておりますが、世界的な金融引き締めの影響や中国経済の先行き懸念、物価上昇等の課題があり、先行きは不透明な状況となっております。このような状況のもと、当社グループでは、第2次日甜グループ中期経営計画(2023年4月~2028年3月) を策定し、「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」を掲げるとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。当第2四半期連結累計期間の売上高は、主に砂糖事業の売上の増加により、前年同期比6.3%増の32,408百万円となり、経常利益は、砂糖事業の増益により、前年同期比24.5%増の1,776百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比27.0%増の1,246百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。<砂糖事業>海外市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり期初22.40セントで始まり、ブラジル通貨のレアル高等により高値傾向で推移し、その後干ばつによるインドの砂糖輸出禁止見通しにより、9月中旬には27セント台まで上昇し、26.27セントで当第2四半期連結累計期間を終えました。一方、国内市況につきましては、期初227円~229円(東京精糖上白現物相場、キログラム当たり)で始まりましたが、海外粗糖相場上昇の影響を受けて、7月に239円~241円に上昇し、そのまま当第2四半期連結累計期間を終えました。ビート糖は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ちこんだ販売量が、清涼飲料、菓子、外食向け等の業務用で回復が見られ、販売価格も上昇したことから、売上高は前年同期を上回りました。精糖は、家庭用の販売量が減少したものの、業務用の販売量の回復と販売価格の上昇が見られ、売上高は前年同期を上回りました。砂糖事業の売上高は前年同期比8.7%増の23,261百万円となり、販売価格の上昇により損益が改善し、営業利益は前年同期比62.3%増の1,413百万円となりました。<食品事業>イーストは、価格改定を実施し、適正価格での販売に努めたことから、売上高は前年同期を上回りました。オリゴ糖等食品素材は、ラフィノースやフラクトオリゴ糖の販売量が減少し、売上高は前年同期を下回りました。食品事業の売上高は前年同期比0.9%増の1,264百万円となり、営業利益は前年同期比82.6%増の27百万円となりました。<飼料事業>配合飼料は、生乳生産抑制の影響により、販売量は減少しましたが、販売価格の上昇により、売上高は前年同期を上回りました。ビートパルプは、販売価格は上昇しましたが、繰越在庫の販売が減少したことにより、売上高は前年同期を下回りました。飼料事業の売上高は前年同期比3.7%増の5,206百万円となりましたが、燃料在庫の棚卸資産評価損計上の影響が大きく、676百万円の営業損失(前年同期は230百万円の営業損失)となりました。<農業資材事業>紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、価格改定等により、売上高は前年同期を上回りました。農業機材は、ビート用移植機等の売上が減少し、売上高は前年同期を下回りました。農業資材事業の売上高は前年同期比9.5%減の1,368百万円となり、営業利益は前年同期比9.2%減の69百万円となりました。<不動産事業>不動産事業は、一部賃貸物件の稼働率低下により、売上高は前年同期比3.1%減の733百万円となり、営業利益は前年同期比4.1%減の460百万円となりました。<その他の事業>その他の事業は、売上高は前年同期比2.9%増の574百万円となり、113百万円の営業損失(前年同期は98百万円の営業損失)となりました。
(2)財政状態当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比7,848百万円減の95,300百万円で、このうち流動資産は、主に棚卸資産の減少により前連結会計年度末比13,243百万円減の43,810百万円となり、固定資産は、主に投資有価証券の時価の上昇により前連結会計年度末比5,395百万円増の51,489百万円となりました。一方、負債の合計は、前連結会計年度末比11,292百万円減の23,722百万円で、このうち流動負債は、主に短期借入金の減少により前連結会計年度末比12,538百万円減の13,186百万円となり、固定負債は、主に繰延税金負債の増加により前連結会計年度末比1,245百万円増の10,535百万円となりました。純資産は、主にその他有価証券評価差額金の増加により前連結会計年度末比3,444百万円増の71,578百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同四半期連結累計期間末に比べ69百万円減少し、6,938百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、15,922百万円の収入(前第2四半期連結累計期間は7,597百万円の収入)となりました。これは主にその他の流動資産の増加7,442百万円等による資金の減少があったものの、税金等調整前四半期純利益1,792百万円、棚卸資産の減少16,178百万円、その他の流動負債の増加3,588百万円等による資金の増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,602百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は613百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,936百万円等による資金の減少があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、17,971百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は11,126百万円の支出)となりました。これは主に短期借入れによる収入1,830百万円等による資金の増加があったものの、短期借入金の返済による支出18,530百万円、配当金の支払664百万円、自己株式の取得による支出559百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は303百万円であります。
(6)主要な設備当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設等は次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完了予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
提出会社
賃貸用商業施設(北海道帯広市)
不動産
商業用店舗新築
246
5
自己資金及び建設協力金
2023年10月
2024年3月
鉄骨造平屋建延床面積993.20㎡
(7)経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前事業年度の有価証券報告書の「対処すべき課題」及び「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの売上高の約7割を砂糖事業が占め、他の事業におきましてもほとんどが砂糖事業に付随又は関連する事業から成り立っていることから、国の農業政策や砂糖業界を取り巻く国際情勢、原料甜菜の生産状況など砂糖事業に特有のリスクが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(8)資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループが事業を行う上で必要となる運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税の支払い等に資金を充当しております。運転資金等の資金需要に対しては、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により資金を調達しており、金融機関からの借入金額は年間の資金計画に基づき適切な水準とし、資金繰りを考慮し返済方法を決定しております。また当社及び子会社の余剰資金を、当社グループ内で融通し合うことにより資金の効率化を図り、グループ外部への資金流出を抑えております。設備投資については、過剰な投資とならないよう当社グループの現況に見合った年間の投資計画を策定し、老朽化した設備の更新のほか、製造コストの削減、製造工程の改善、製品の品質向上、環境対策等を目的とした設備投資又は将来の利益獲得のための先行投資を行っております。重要な資本的支出の予定及びその資金調達方法は、「(6)主要な設備」及び前事業年度の有価証券報告書の「設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、設備の新設・更新については自己資金(一部工事では建設協力金を受け入れ)によっております。