【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態の状況当第3四半期会計期間末における資産合計は14,390百万円で前事業年度末に対し97百万円増加しました。流動資産は4,920百万円で主に現金及び預金が211百万円減少し、売掛金が387百万円、原材料及び貯蔵品が85百万円増加した結果、前事業年度末に対し231百万円増加しました。固定資産は9,469百万円で主に有形固定資産が127百万円、繰延税金資産が46百万円減少し、投資有価証券が43百万円増加した結果、前事業年度末に対し133百万円の減少となりました。負債合計は9,392百万円で主に支払手形及び買掛金が121百万円増加し、長期借入金(1年内返済予定含む)が42百万円、賞与引当金が108百万円減少した結果、前事業年度末に対し40百万円減少しました。純資産合計は4,998百万円で主に利益剰余金が105百万円、その他有価証券評価差額金が32百万円増加した結果、前事業年度末に対し137百万円増加しました。この結果、当第3四半期会計期間末における自己資本比率は34.7%、1株当たりの純資産は2,387円89銭となりました。
(2) 経営成績の状況当第3四半期累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における北海道の経済環境は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、経済活動の回復傾向が進み緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異ウイルスの感染者増、物価高の進行、為替変動や地政学リスク等の懸念もあり、先行き不透明な状況で推移しました。当業界におきましては、お客様の節約志向が強まる市場環境のなか、主原料の小麦粉、糖類、包材等の原材料価格や、ガス、電気等のエネルギーコストの上昇に加え人手不足感の強まりもあり、収益が圧迫される厳しい経営環境となりました。このような情勢下におきまして、当社は、「おいしく、北海道らしく。」の方針と、日々お客様へ安全・安心な製品を安定して供給する使命に基づき、科学的根拠に基づく感染防止対策に全社を挙げて取り組みつつ、日常業務の着実な遂行に努めてまいりました。また、生産、販売、管理の各部門における業務の見直しや諸経費の抑制に努め、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。製品別の売上状況につきましては、食パン部門は、主力の「絹艶」シリーズにおいて、新製品「絹艶 山型」を投入し品揃えを強化したことにより伸長したほか、「イギリス食パン」や低価格食パンが伸長し、前年同期の売上を上回りました。菓子パン部門は、「The Takasui」シリーズのドーナツや、複数個入り食卓ロール「もっちり道産米粉」シリーズ等が寄与したほか、値頃感のある製品を積極的に開発、拡販し、前年同期の売上を上回りました。和菓子部門は、北海道産原料を使用したロングライフ製品「福かまど」シリーズが好調に推移するとともに、しっとり食感を追求した「極(きわみ)」シリーズ新製品の饅頭や蒸しパンの寄与もあり、前年同期の売上を上回りました。洋菓子部門は、「北海道牛乳のレアチーズケーキ」シリーズやロールケーキ等のチルド製品を積極的に拡販しましたが、シフォンケーキや「クラフトベイク」シリーズ等スナックケーキ類の伸び悩みもあり、前年同期の売上を下回りました。調理パン・米飯部門は、主力の「絹艶サンド」、具材をたっぷり入れた食べ応えのある「具だくさんおにぎり」や丼もの製品が順調に推移したことに加え、セットおにぎりの「海老天むす」が寄与するなど、前年同期の売上を上回りました。以上の結果、当第3四半期累計期間の業績につきましては、売上高は13,111百万円(対前期比101.4%)、営業利益は171百万円(対前期比69.6%)、経常利益は217百万円(対前期比86.3%)、四半期純利益は136百万円(対前期比80.1%)となりました。2022年7月から食パンと一部の菓子パンの価格改定を実施するとともに、和菓子、洋菓子を含めて、お客様のニーズに沿った高付加価値製品やお買い得感のある製品を積極的に展開し業績の確保に努めてまいりましたが、特にエネルギーコストの高騰分を吸収しきれず増収減益となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原料費、労務費、経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備新設、改修等によるものであります。当社は事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当第3四半期会計期間末における借入金の残高は3,143百万円となっております。また、当第3四半期会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,978百万円となっております。
(4) 研究開発活動当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は116百万円であります。