【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きもあり個人消費が持ち直すなど期待感は高まりました。しかしながら、エネルギー・原材料及び物流コストの上昇等の影響による物価高騰などにより先行きは依然として不透明な状況が続いております。
調味料業界におきましては、コロナ禍における内食需要の高まりが継続するとともに、行動制限の緩和等により外食市場の売上も回復してまいりました。
一方、世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策の進展と行動制限の緩和により経済活動の正常化が進んだものの、ウクライナ情勢の長期化、これらに基づくエネルギー価格や原材料価格の上昇など、企業を取り巻く事業環境は厳しく、不透明な状況となっております。
こうした状況の中で当社グループは、「三つの誠実」実現に向けて抜本的な企業体質・経営体制の改革、意識改革による構造改革に取組みながら、引続き業務用調味料市場の開拓、拡大に注力するとともに、生産性の向上に注力してまいりました。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,252百万円増加し10,108百万円(前期比14.1%増)となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べて1,030百万円増加し、5,495百万円(同23.1%増)となりました。これは主に現金及び預金の増加517百万円、受取手形及び売掛金の増加144百万円、商品及び製品の増加251百万円、原材料及び貯蔵品の増加93百万円等によるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べて222百万円増加し、4,612百万円(同5.1%増)となりました。これは主に投資有価証券の増加60百万円、繰延税金資産250百万円等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて207百万円減少し4,503百万円(同4.4%減)となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べて186百万円増加し、3,476百万円(同5.7%増)となりました。これは主に買掛金の増加88百万円、賞与引当金の増加107百万円等によるものです。
固定負債は前連結会計年度末に比べて393百万円減少し、1,027百万円(同27.7%減)となりました。これは主に長期借入金の減少395百万円等によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,460百万円増加し5,605百万円(同35.2%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,250百万円の計上等によるものです。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、13,502百万円(前期比17.5%増)となりました。
日本セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和等により、外食市場向け業務用調味料の販売が引続き堅調に推移していることから、売上高は10,667百万円(同11.1%増)となりました。
米国セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症の収束から外食需要の回復が見られたこと等により外食市場向け業務用調味料の販売が引続き堅調に推移していることから、売上高は3,005百万円(同45.8%増)となりました。
(営業損益)
営業利益は972百万円(同110.8%増)となりました。
日本セグメントにおいては、売上が回復し営業利益は241百万円(同1,073.7%増)となりました。
米国セグメントにおいては、生産性の向上とコスト削減に継続的に取り組んだ結果により、営業利益は712百万円(同66.9%増)となりました。
(経常損益)
経常利益は1,035百万円(同120.7%増)となりました。
日本セグメントにおいては、受取保険金による収入があり経常利益は296百万円(同1,578.7%増)となりました。
米国セグメントにおいては、工場に隣接している土地に関わる受取賃貸料収入が影響し、経常利益は737百万円(同67.2%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純利益は1,250百万円(同171.2%増)となりました。
日本セグメントにおいては、法人税等の計上により、当期純利益は243百万円(同416.4%増)となりました。
米国セグメントにおいては、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額の計上により、当期純利益は1,005百万円(同147.4%増)となりました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する1株当たり当期純利益は1,513円79銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて516百万円増加し1,781百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて778百万円多い1,349百万円の収入となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益1,017百万円の計上、減価償却費458百万円の計上及び仕入債務の増加79百万円等による資金の増加が売上債権の増加121百万円、棚卸資産の増加302百万円等による資金の減少を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて15百万円支出が増加し244百万円の支出となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出245百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて476百万円支出が増加し665百万円の支出となりました。
これは主に短期借入金の返済による支出100百万円、長期借入金の返済による支出440百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
日本(千円)
7,529,192
107.1
米国(千円)
1,812,701
151.5
報告セグメント計(千円)
9,341,894
113.5
その他(千円)
-
-
合計(千円)
9,341,894
113.5
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは、受注生産のほか見込生産も行っております。
また、受注生産につきましても、同一内容の品目において受注生産と見込み生産を行っており、区分して算出するのは困難なため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
日本(千円)
10,496,904
111.3
米国(千円)
3,005,485
145.8
報告セグメント計(千円)
13,502,389
117.5
その他(千円)
-
-
合計(千円)
13,502,389
117.5
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
d.主要な顧客別売上状況
最近2連結会計年度の主要な顧客別売上高は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
総販売実績の10%を超えている相手先がありませんので記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
総販売実績の10%を超えている相手先がありませんので記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、国内・米国の市場動向、原材料等の動向、雇用環境などがあげられます。
日本セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、調味料業界におきましては、コロナ禍における内食需要の高まりが継続するとともに、行動制限の緩和等により外食市場の売上も回復してまいりました。しかしながら、エネルギー・原材料及び物流コストの上昇等の影響による物価高騰などにより先行きは依然として不透明な状況が続いております。
米国セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症のほか、米国の通商政策の動向や米中貿易摩擦の影響などが販売に与える影響も大きく、更に生産性向上には欠かせない優秀な人材の確保が難しい状況が続いております。
こうした状況の中、当社グループは、抜本的な企業体質・経営体制の改革、意識改革による構造改革に着手するとともに、中食、内食市場向けの業務用調味料市場の開拓、拡大に注力し、新商品開発なども積極的に行い、生産性の向上に向けて人材の育成や原価管理の強化を推進し、厳しい環境下でも利益が確保できる体質を構築してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー指標の推移は次のとおりであります。
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
自己資本比率(%)
48.8
43.3
42.8
46.8
55.5
時価ベースの
自己資本比率(%)
27.9
24.0
26.2
26.5
62.8
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
3.7
12.3
9.4
5.0
1.7
インタレスト・
カバレッジ・レシオ(倍)
146.5
42.9
30.5
50.7
127.8
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算をしております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」を用いております。有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、国内・米国事業における主に生産設備を中心とした設備投資資金となります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金または金融機関からの借入により資金調達することとしており、運転資金及び設備資金につきましては、国内、米国子会社のものも含め当社において一元管理しております。
調達コストの低減に努める一方で、取引銀行8行との間で3,500百万円を限度額として当座貸越契約を締結し、資金需要に応えられる調達余力は十分に備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。