【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、混迷するウクライナ情勢や欧米の銀行破綻に伴う信用不安、円安リスクを孕む為替相場、世界的なインフレ圧力など、景気減速が懸念される不透明な環境が続く一方、新型コロナウイルス禍からの社会・経済活動の正常化に伴い、外食やインバウンド消費の回復を中心に、影響の大きかった企業の業績改善など明るい材料もみられました。かかる中、情報サービス産業におきましては、ビジネスモデル変革を伴うデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)関連の投資や、さらにグリーントランスフォーメーション(GX)への取り組みなど、堅調な状況が続きました。このような状況のもと、当社グループは総じて堅調に推移したDX投資や半導体開発分野のお客様ニーズに着実に対応するとともに、プロジェクトマネジメントの徹底により継続的な生産性の向上に努めてきました。当連結会計年度の業績につきましては、受注高は48,780百万円(前年同期比13.0%増)、売上高は46,188百万円(同6.3%増)、営業利益は5,387百万円(同9.5%増)、経常利益は5,442百万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,090百万円(同17.9%増)となりました。
当連結会計年度の報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
<エンタープライズソリューション>売上高につきましては、小売業向けや官公庁・団体向けのシステム開発が堅調に推移したものの、システム機器販売の減少により若干の減収となりました。利益につきましては、収益性の高い案件の貢献により増益となりました。これらの結果、受注高は16,188百万円(前年同期比18.2%増)、売上高は14,777百万円(同0.8%減)、営業利益は2,099百万円(同6.7%増)となりました。
<サービスソリューション>売上高につきましては、デジタルソリューション、クラウド・インフラサービスともに堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、一部の低採算案件の影響や事業拡大に向けた体制強化および戦略的投資により減益となりました。これらの結果、受注高は13,806百万円(前年同期比11.5%増)、売上高は12,995百万円(同9.6%増)、営業利益は509百万円(同3.1%減)となりました。
<エンベデッドソリューション>売上高につきましては、オートモーティブ・モビリティ分野、通信・設備機器分野を中心に好調に推移し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う売上総利益の増加により増益となりました。これらの結果、受注高は9,759百万円(前年同期比6.5%増)、売上高は9,794百万円(同11.2%増)、営業利益は1,404百万円(同16.4%増)となりました。
<デバイスソリューション>売上高につきましては、半導体設計・開発分野が堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う売上総利益の増加により増益となりました。これらの結果、受注高は9,026百万円(前年同期比13.8%増)、売上高は8,621百万円(同9.2%増)、営業利益は1,373百万円(同12.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、有形固定資産の取得や配当金の支払などの支出を営業活動の結果得られた資金により賄い、前連結会計年度末と比べ175百万円増加し、15,352百万円となりました。当連結会計年度の活動別概況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,998百万円(前年同期比1,734百万円の収入の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,439百万円に対し、減価償却費414百万円、売上債権の増加額1,765百万円、棚卸資産の増加額674百万円、仕入債務の増加額544百万円があったことに加え、法人税等の支払額2,024百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、1,010百万円(前年同期比666百万円の支出の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出344百万円、敷金及び保証金の差入による支出405百万円、長期前払費用の取得による支出159百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、818百万円(前年同期比210百万円の支出の増加)となりました。これは、配当金の支払額818百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
エンタープライズソリューション
14,715
97.9
サービスソリューション
13,178
108.0
エンベデッドソリューション
9,830
110.9
デバイスソリューション
8,604
108.1
合計
46,328
105.1
(注) 1 金額は販売価格で表示しております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入実績(百万円)
前年同期比(%)
エンタープライズソリューション
2,204
106.3
サービスソリューション
756
146.3
エンベデッドソリューション
2
46.2
デバイスソリューション
2
―
合計
2,967
114.2
(注) 1 金額は仕入価格で表示しております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
c. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
エンタープライズソリューション
16,188
118.2
6,265
129.0
サービスソリューション
13,806
111.5
6,333
114.7
エンベデッドソリューション
9,759
106.5
2,346
98.5
デバイスソリューション
9,026
113.8
2,700
117.6
合計
48,780
113.0
17,645
117.2
(注) 1 金額は販売価格で表示しております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
d. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
エンタープライズソリューション
14,777
99.2
サービスソリューション
12,995
109.6
エンベデッドソリューション
9,794
111.2
デバイスソリューション
8,621
109.2
合計
46,188
106.3
(注) 1
金額は販売価格で表示しております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。3
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
日本電気㈱グループ
6,095
14.0
5,613
12.2
ソニー㈱グループ
―
―
4,667
10.1
(注) 前連結会計年度のソニー㈱グループに対すに対する販売割合は、10%未満であるため記載を省略して おります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績の分析当連結会計年度は、売上高につきましては、サービスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業およびデバイスソリューション事業において、顧客企業の活発なIT投資需要を背景に事業を拡大し、堅調に推移しました。利益につきましては、収益性を高めたエンタープライズソリューション事業、エンベデッドソリューション事業およびデバイスソリューション事業が好調に推移したことにより全体を牽引しました。これらの結果、売上高は46,188百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益は5,387百万円(同9.5%増)、経常利益は5,442百万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,090百万円(同17.9%増)となりました。
当連結会計年度の報告セグメント別の経営成績の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
<エンタープライズソリューション>売上高につきましては、小売業向けや官公庁・団体向けのシステム開発が堅調に推移したものの、システム機器販売の減少により若干の減収となりました。利益につきましては、収益性の高い案件の貢献により増益となりました。これらの結果、売上高は14,777百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は2,099百万円(同6.7%増)となりました。
<サービスソリューション>売上高につきましては、デジタルソリューション、クラウド・インフラサービスともに堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、一部の低採算案件の影響や事業拡大に向けた体制強化および戦略的投資により減益となりました。これらの結果、売上高は12,995百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は509百万円(同3.1%減)となりました。
<エンベデッドソリューション>売上高につきましては、オートモーティブ・モビリティ分野、通信・設備機器分野を中心に好調推移し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う売上総利益の増加により増益となりました。これらの結果、売上高は9,794百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益は1,404百万円(同16.4%増)となりました。
<デバイスソリューション>売上高につきましては、半導体設計・開発分野が堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う売上総利益の増加により増益となりました。これらの結果、売上高は8,621百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は1,373百万円(同12.8%増)となりました。
b.財政状態の分析当連結会計年度末における総資産は、40,663百万円となり、前連結会計年度末比3,850百万円の増加となりました。これは主に、売掛金の増加(1,612百万円)、商品の増加(579百万円)、投資その他の資産の「その他」に含まれる敷金・保証金の増加(398百万円)、繰延税金資産の増加(354百万円)、現金及び預金の増加(175百万円)、建物及び構築物の増加(152百万円)があったことによるものであります。総負債は、10,784百万円となり、前連結会計年度末比487百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等の減少(292百万円)、未払消費税等の減少(199百万円)があったものの、買掛金の増加(535百万円)、流動負債の「その他」に含まれる未払金の増加(189百万円)及び未払費用の増加(172百万円)があったことによるものであります。純資産は、29,878百万円となり、前連結会計年度末比3,362百万円の増加となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ1.5ポイント増加し、73.5%となりました。
c.経営成績に重要な影響を与える要因および経営戦略の現状と見通し当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。情報サービス産業におきましては、AIの進化に伴うデジタルトランスフォーメーションのさらなる加速や、脱炭素化に向けたデジタル技術の活用など、需要の底堅さがみられる一方で、依然不透明な海外情勢や半導体のグローバルな在庫調整などによる景気減速懸念からの新規投資抑制の動きなど、楽観できない材料も残る状況にあります。このような状況のもと、第58期は中期経営計画の2年目となりますが、引き続きお客様とのビジネスの共創に努め、事業の成長と変革を加速するとともに、デジタル技術を通してサステナブルな社会の実現に向け貢献してまいります。
d.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、経常運転資金、成長を持続させるための設備及びM&Aを中心とした投資資金を自己資金による調達を基本とし、必要に応じて金融機関からの借入金により調達していく方針です。当連結会計年度末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はありません。当社グループは、その健全な財務状態、営業活動により得られるキャッシュ・フローから当社グループの成長を維持するための将来必要な資金を調達することが可能と考えております。
また、新型コロナウイルス感染症を起因とする懸念も少ないと判断しております。
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