【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、ワクチン接種の推進などにより新型コロナウイルス感染症による厳しい状況から徐々に回復しつつありましたが、新たに出現した変異株の感染拡大や、物流の混乱、原燃料高の継続による景気の下振れが懸念されるなど予断を許さない状況にあります。
当社グループの主要な取引先であります紙・パルプ業界は、電子媒体へのシフトや人口減など構造的な変化に加え、感染拡大による経済活動の制限などにより、需要が低迷しておりますが、昨年の急激な落ち込みから一部で需給の回復傾向も見られます。
このような状況におきまして、当社グループは取引先への訪問が制限される中、積極的な営業・技術サービス活動に努めた結果、売上高は「収益認識に関する会計基準」の適用による売上計上方法の変更が影響したものの、7,339百万円(前年同期比1.4%減)を計上することができました。
また、国内向け紙・パルプ用フェルトの売上高が増加したこと、生産性の向上や販売費及び一般管理費を中心としたコストダウンを進めたことなどにより営業利益は467百万円(前年同期比247.1%増)、経常利益は661百万円(前年同期比91.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は特別損失に投資有価証券評価損129百万円を計上しましたが389百万円(前年同期比187.7%増)となりました。
なお、当期より「収益認識に関する会計基準」を適用しており、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
①フェルト事業
紙・パルプ用フェルトの売上高につきましては、国内は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて減少した紙・板紙の需給に一部回復の動きが見られたことで売上高が増加し、4,712百万円(前年同期比10.1%増)となりました。一方、国外は中国での電力供給制限や新型コロナウイルス感染症による景気減速で生産調整が行われた取引先があったことで売上高が減少し、1,162百万円(前年同期比12.2%減)となりました。工業用その他の売上高は「収益認識に関する会計基準」の適用による一部仕入商品の売上計上方法の変更に伴う399百万円減少の影響などがあり1,019百万円(前年同期比28.4%減)となりました。以上の結果、セグメント利益は743百万円(前年同期比74.9%増)となりました。
②不動産賃貸事業
本社ビルのテナントフロアを増床したことにより、賃貸収入が増加し、売上高は445百万円(前年同期比7.1%増)となりました。この結果、セグメント利益は227百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ33百万円減少しております。
これは、現金及び預金が114百万円、リース投資資産が38百万円、有形固定資産が88百万円、無形固定資産が38百万円、投資有価証券が259百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が377百万円、商品及び製品が79百万円、原材料及び貯蔵品が36百万円増加したことなどによるものです。
負債は前連結会計年度末に比べ29百万円減少しております。
これは、リース債務(流動及び固定)が40百万円、未払法人税等が46百万円、退職給付に係る負債が78百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が86百万円、繰延税金負債が47百万円増加したことなどによるものです。
純資産は前連結会計年度末に比べ4百万円減少しております。
これは、その他有価証券評価差額金が91百万円減少した一方、利益剰余金が93百万円、為替換算調整勘定が71百万円、非支配株主持分が21百万円増加したことなどによるものです。また、自己株式の取得を106百万円、譲渡制限付株式報酬として12百万円の自己株式の処分をしております。
なお、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は74.9%となり、前連結会計年度末から変動はありませんでした。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、73百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。