【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、度重なる新型コロナウイルス感染拡大の波も断続的に発生しておりますが、感染対策に万全を期し、経済活動の正常化も進み景気の持ち直しが期待されています。ただし、世界的な金融引締め等が続き、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社の事業領域でもあるエンターテインメント関連市場は、屋外でのマスク不着用や入国制限の緩和等、新型コロナウイルス感染症対策のための制限にも変化があり、エンターテインメント業界におきましては大型公演の開催も増加傾向にあります。一方、メディア業界では多チャンネルサービス加入世帯減少、韓国コンテンツの人気沸騰による版権獲得競争の激化が続いているだけでなく、当連結会計年度では稀にみる円安が進んだ結果、版権価格はさらに高騰し、市場環境は厳しい状況にあります。
このような経営環境の中、当社グループの当連結会計年度におきまして、ライツ&メディア事業では、4月にライツ部門とメディア部門を統合し、業務効率化やシナジーの強化を図ると共にKNTVの加入者用冊子の廃止や、保有していた株式会社Beyond Live Corporationの株式37.5%の内32.5%を売却する等、2023年度通年での黒字化へ向け事業構造の大幅な見直しを2021年度に続き努めてまいりました。
エンターテインメント事業では、入国措置の緩和に伴いアーティストの来日障壁が軽減され、約2年ぶりとなるオフラインコンサートを4月より再開させました。中でもNCT127はグループ初となる全国3都市5公演のドームツアーを行い約22万人を動員、また当社主催コンサートにおきましても最大規模を誇る「SMTOWN LIVE2022:SMCU EXPRESS @TOKYO」を約3年ぶりに東京ドームで開催し、3日間で約15万人を動員しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は7,078百万円(前年同期比25.7%増)、営業損失は381百万円(前年同期は648百万円の営業損失)、経常損失は366百万円(前年同期は632百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は303百万円(前年同期は286百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(ライツ&メディア事業)
メディア事業においては、グループシナジーを活用したプレミアムコンテンツの獲得を推進し、SM ENTERTAINMENT所属アーティストが一斉に会する「SMTOWN LIVE 2022:SMCU EXPRESS @HUMAN CITY_SUWON」や「SMTOWN LIVE2022:SMCU EXPRESS @TOKYO」をTV初放送し、年末恒例の韓国地上波による授賞式を生中継も含め5夜連続放送する等、バラエティ豊かな番組を編成し他チャンネルとの差別化を図ってまいりました。大型イベントの中でも特に音楽関連のコンテンツは新規加入促進効果が高く、今後のチャンネル運営におきましても主要となる編成ジャンルの一つです。一方、加入者用ガイド誌の完全WEB化、配信サービス「KNTV+」の計画の見直しを行う等、昨年に続き体制のスリム化を図り、より効率性の高い事業基盤の構築に注力してまいりました。
ライツ事業は、全世界的に韓国コンテンツが人気を博し脚光を浴びる機会が増加、国内でも高いニーズを維持しており、当連結会計年度におきましては、人気俳優出演作や大型時代劇等のドラマを始めグループ会社が制作しSM ENTERTAINMENTアーティストが出演するバラエティ番組を獲得しました。一方、先述したとおり版権価格の高騰が続いている現在、為替動向を鑑みた収支計画の実施や営業努力による円安へのリスク対応のみならず、中華圏作品の獲得も推進し、事業領域を拡大した新たな事業戦略を取り入れております。また、地上波・BS・CSへの放送権販売やVOD権の販売を行った一方、DVD市場が縮小傾向にあることから、DVDの制作及び販売という営業手法からサブライセンス販売へと営業方針を転換しリスクの軽減を図りながら事業展開を行ってまいります。
この結果、売上高は3,360百万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益は148百万円(前年同期比263.2%増)となりました。
(エンターテインメント事業)
コンサート事業は、2020年の株式会社SMEJとの合併によりキャッシュカウを担う予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症により2021年度は開催数0回と多大な影響を受けておりました。しかしながら、当連結累計会計年度では4月よりオフラインコンサートを再開させ、当連結会計年度では97公演およそ75万人を動員しました。東方神起のファンクラブイベントツアー、NCT 127のドームツアー、「SMTOWN LIVE2022:SMCU EXPRESS @TOKYO」等、それぞれ動員が10万人を超える超大型コンサートも実施し、第4四半期におきましてはNCT DREAMが約2年半ぶりとなる日本ツアーを11月に計5公演開催、2023年2月には大阪にて初となるドームコンサートの追加公演も決定し、所属アーティストの日本活動も本格的に再開しています。また、8月にはaespaの初来日ショーケースを始め、新人アーティストのデビューと認知拡大にも注力し、新たなファン層の獲得によるビジネスカバレッジの拡大も引き続き図ってまいります。しかしながら、コンサート市場は復調基調ではありますが、公演数の急増に伴う人材不足や、世界的な物価高と円安による機材・経費等の価格高騰も生じています。
音楽事業では第3四半期までに5タイトルの音源を発売し、全作品5作品がオリコンランキング上位にランクインする等、人気を持続させております。なお、第4四半期では12月15日にSuper Juniorが11枚となるアルバム「The Road:Celebration」をリリースしました。
音楽事業以外の活動におきましては、NCT127に所属する日本人メンバーYUTAの映画初出演や世界的ラグジュアリーブランド「Louis Vuitton」とのフレンドシップ契約、日本テレビとHuluで放送、配信されるNCTの地上波初冠番組「What’s NCT」の放送スタート等、認知度向上による新たなファン層獲得へ向け、音楽事業以外におきましても精力的に活動してまいりました。第4四半期ではNCT DREAMが、11月の日本ツアーに合わせオリジナル飲食やグッズを展開するカフェ「NCT DREAM CAFE In A DREAM」を東京、大阪、愛知の3都市7会場にて期間限定オープンさせた他、NCTにおきましてはSANRIO CHARACTERSとフリューとのトリプルコラボレーションによるオリジナルグッズの販売を2023年1月よりスタートさせ、IPを活用した事業展開を来年度以降も加速させてまいります。
この結果、売上高は3,712百万円(前年同期比74.8%増)、セグメント利益は73百万円(前年同期は161百万円のセグメント損失)となりました。
(その他事業)
その他事業では、売上高は5百万円(前年同期比37.12%減)、セグメント損失は41百万円(前年同期は35百万円のセグメント損失)となりました。
また、当連結会計年度末における総資産は10,067百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,147百万円減少いたしました。流動資産は8,124百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,015百万円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金が344百万円減少したものの、売掛金が1,758百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は1,943百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,163百万円減少いたしました。その主な要因は、投資有価証券が2,963百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は3,374百万円となり、前連結会計年度末に比べ215百万円増加いたしました。流動負債は2,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,242百万円増加いたしました。その主な要因は、買掛金が1,438百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は535百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,026百万円減少いたしました。その主な要因は、繰延税金負債が1,026百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は6,693百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,363百万円減少いたしました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が1,155百万円、非支配株主持分が883百万円、また親会社株主に帰属する当期純損失303百万円により減少したものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ344百万円減少し、3,415百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、113百万円(前期は155百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、仕入債務の増加額1,791百万円、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失289百万円、売上債権の増加額1,882百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、222百万円(前期は29百万円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、貸付金の回収による収入103百万円によるものであり、支出の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出221百万円、無形固定資産の取得による支出89百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、17百万円(前期は148百万円の獲得)となりました。
支出の内訳は、リース債務の返済3百万円、その他の支出13百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、ライツ&メディア事業として、ドラマ等版権事業、放送事業、オンライン配信事業、及びエンターテインメント事業として、マネジメント事業、音楽制作事業、イベント事業、ファンクラブ運営事業、МD事業を主体とする会社であり、生産能力を測定することが困難なため、生産能力の記載は行っておりません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比 (%)
ライツ&メディア事業 (千円)
3,360,565
△3.9
エンターテインメント事業 (千円)
3,712,668
74.8
報告セグメント計 (千円)
7,073,234
25.8
その他事業 (千円)
5,499
△37.1
合計 (千円)
7,078,734
25.7
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
エイベックス・エンタテインメント株式会社
883,968
15.70
1,570,130
22.2
株式会社スカパー・エンターテイメント
(注)
604,363
10.73
-
-
(注)当連結会計年度では10%未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末における総資産は10,067百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,147百万円減少いたしました。流動資産は8,124百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,015百万円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金が344百万円減少したものの、売掛金が1,758百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は1,943百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,163百万円減少いたしました。その主な要因は、投資有価証券が2,963百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は3,374百万円となり、前連結会計年度末に比べ215百万円増加いたしました。流動負債は2,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,242百万円増加いたしました。その主な要因は、買掛金が1,438百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は535百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,026百万円減少いたしました。その主な要因は、繰延税金負債が1,026百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は6,693百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,363百万円減少いたしました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が1,155百万円、非支配株主持分が883百万円、また親会社株主に帰属する当期純損失303百万円により減少したものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度の61.4%から60.1%に減少し、1株当たり純資産は64円74銭から52円23銭と減少しております。また、流動比率、当座比率についても一定の水準を満たしており、当社グループの健全な財務の安定性を維持していると認識しております。
また、当連結会計年度の売上高は7,078百万円(前期比25.7%増)、営業損失は381百万円(前期は648百万円の営業損失)、経常損失は366百万円(前期は632百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は303百万円(前期は286百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 経営成績の状況とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資金需要
当社グループの事業活動における資金需要は、営業活動については、放送事業での番組、版権事業でのコンテンツ事業権等の棚卸資産の購入及び製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資活動については、事業伸長、生産性向上等への設備投資への取得等であります。
c. 財務政策
当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。営業活動及び投資活動とも内部資金を財源として行うことを基本としておりますが、財務状況により機動的な資金の調達先として銀行借入を選択する場合もあります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、下記の重要な会計方針が連結財務諸表の作成に当たって使用される重要な見積り及び判断に大きな影響を及ぼすと考えております。当社グループの経営陣は、連結財務諸表等の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに事業年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行わなければなりません。しかしながら、当社グループの経営陣は、過去の実績、現在の経済環境、その他の様々な要因に基づいて見積り及び判断を行っているため、実際の業績とは大きく異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの事業は、ライツ&メディア事業は大型ドラマ版権の市場価格・流通時期等による事業化の状況、ドラマ等の番組購入価格や放映時期の状況、エンターテインメント事業はアーティストの活動等により、年度毎の業績変動が大きくなる傾向があります。当社は各事業の収益をプロジェクト単位で管理することで迅速な経営判断を行い、事業により利益率の差はありますが、全体での営業利益、営業利益率などの向上を目標としております。
当社グループは、衛星放送契約者数の減少傾向が続くことによる視聴料収入の伸び悩みや大型案件の終了に伴うファンクラブ事業収入への影響等、厳しい経営環境の中において、既存事業の業績改善に積極的に取り組むとともに、一部業務の内製化による費用削減を進め、今後の成長に向けた専門的人材の採用やコンテンツ開発等の先行投資も行っております。今後は各事業の継続的且つ安定的な収益確保に加え、アーティストとメディアとの連携による付加価値の創出、SMエンタテインメントグループとの連携強化等により、継続的な増収増益を目指してまいります。
次期の各事業部門見通しについては次のとおりであります。
(ライツ&メディア事業)
ライツ&メディア事業におきましては、郵送コストのかかる加入者用冊子をWEBサービスへ移行、KNTV+』や『Beyond LIVE』といった新規事業へ人員の配置転換の実施により映像配信サービスと放送サービスのシナジーを強化し、デジタル化を推進する等、引き続き業績回復に向けた収益構造の改善を図ってまいります。
ライツ事業におきましては、特に韓国コンテンツの価格高騰や市場供給量の減少により以前に比べて版権の獲得が厳しい状況におかれています。日本で人気の高い俳優が出演する作品や需要の高い時代劇といった作品の権利獲得・販売のみならず、市場は小規模ながらここ近年人気を高めている中国や台湾等の他アジア圏における良質なコンテンツの獲得・販売にも注力してまいります。また、当社の強みである放送事業者への販売網に加え、配信サービスのニーズも高まっていることから、配信サービス事業者への営業を内製化し関係の強化を図り、利益構造の改善を推進してまいります。
12月に独自のプラットフォームをロンチングした『Beyond LIVE』におきましては、2022年1月1日に開催された『SMTOWN LIVE 2022』を配信し、161ヵ国から数多くの視聴者を集めました。他のプラットフォームに比べ接続の安定性が高く、多言語字幕も提供したことで全世界のK-popファンから高評価を得ております。
今後もオンラインコンサートならではの特色あるコンテンツを含め、既に12月から開始しているオフラインコンサートの同時配信も回数を増やし、配信を拡大してまいります。
(エンターテインメント事業)
エンターテインメント事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を特に大きく受け厳しい状況が続いておりますが、上半期後半からは政府のガイドラインに沿った上での大型オフラインコンサートの開催を予定し、2022年5月、NCT127初のドームツアー『NCT127 2NDTOUR´NEO CITY:JAPAN-THE LINK』を発表する等、段階的な実績回復を進めてまいります。併せて、オフラインコンサートの再開に伴い音楽事業・MD事業も徐々に再開させビジネスの正常化を目指すとともに、オフラインイベントとオンラインイベントの同時開催も行う等、シナジーを発揮させた利益拡大に向け最善を尽くしてまいります。
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