【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況(経営成績の概況)上期における国内経済は、対面型サービスを中心とした個人消費や高水準の企業収益を背景とした設備投資に支えられ、緩やかに回復いたしました。しかしながら、国内の鋼材需要環境につきましては、資材費や人件費、物流費高騰による建設コスト上昇などの影響もあり、当社の主要需要先である建設向けの鋼材需要は前年を下回る水準で推移いたしました。一方、当社が事業を営むインドネシア経済も、堅調な個人消費と輸出により、緩やかに回復いたしましたが、当社インドネシア事業においては、主力品種である形鋼需要が低迷し、出荷数量は伸び悩みました。その結果、当社連結グループの鋼材出荷量は大幅な回復には至りませんでした。コスト面につきましても、原燃料価格が高止まりしたことに加え、物価・人件費上昇の影響が諸資材価格や修繕・外注費などへも波及し、製造コストがさらに上昇する厳しい環境となりました。このような環境の下、主原料に加え、燃料や諸資材等の市況品価格も含めたコスト・マージン管理を徹底することによるマネジメント強化を図り、適正な販売価格の確保を最優先課題として取り組んでまいりました。また、並行して自助努力による徹底的なコスト改善を進めるとともに、盤石な国内事業基盤の構築を推進いたしました。当上期の取組みとしては、昨年度実行した当社岸和田工場における圧延ライン延伸工事や、グループ会社である東京鋼鐵㈱における排ガス分析装置の投資効果による歩留やエネルギー原単位の改善を実行しており、また、品質管理の更なる強化へ向けたシステム基盤整備も継続して取り組んでおります。事業基盤の構築につきましては、昨年度完了した大阪事業所圧延ライン強化対策による工場集約・固定費最適化に続き、本年8月に当社大阪事業所堺工場に省エネ・省CO2 型電気炉設備の設置を決定いたしました。エネルギーコストを中心とした変動費を大幅に改善するとともに、CO2排出量の削減へ向け、2025年の立ち上げを目指し取り組んでおります。また、2024年物流問題へ対応するため、当社西日本熊本工場に製品倉庫を新設することを決定しました。トラック運転手の拘束時間を短縮するとともに、従業員の作業効率化を実現し、働き方改革を推進しております。社会的要請への対応とコスト競争力強化を両立し、持続可能な社会への貢献を図ってまいります。インドネシア事業につきましては、安価ビレットの調達施策や輸出を含む販売拡大施策を推進してまいりましたが、インドネシア国内需要の低迷や市況変動によるマージンの悪化に加え、金利上昇による利息負担の増加などにより、厳しい経営状況が継続いたしました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループにおける鋼材売上数量は49万8千トン(前年同期実績45万5千トン)、売上高は575億5千7百万円(前年同期実績551億9千2百万円)、経常利益 は35億6千2百万円(前年同期実績47億4千1百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億7千8百万円(前年同期実績22億8百万円)となりました。
(財政状態の概況)① 資産流動資産は、前連結会計年度末に比べ6.2%増加し、1,412億5千7百万円となりました。これは、主として売掛金が34億2千1百万円、棚卸資産が33億2百万円増加し、現金及び預金が14億4千2百万円減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ1.1%増加し、811億5千8百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ4.3%増加し、2,224億1千5百万円となりました。② 負債流動負債は、前連結会計年度末に比べ14.8%増加し、640億3千6百万円となりました。これは、主として短期借入金が65億7千4百万円、支払手形及び買掛金が20億7千7百万円増加し、1年内返済予定の長期借入金が12億5千5百万円減少したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ4.8%減少し、41億3千6百万円となりました。これは、主として事業構造改善引当金が2億5千9百万円減少したことによるものです。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ13.4%増加し、681億7千2百万円となりました。③ 純資産純資産合計は、前連結会計年度末に比べ0.7%増加し、1,542億4千2百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ10億5百万円減少し、624億7千2百万円となりました。① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果、当第2四半期連結累計期間において使用した資金は、14億1千万円(前年同期実績27億5千8百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益35億6千2百万円、減価償却費21億7千3百万円、仕入債務の増加額16億9千2百万円、支出の主な内訳は、売上債権の増加額28億3千1百万円、未収入金の増加額25億9千9百万円であります。② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果、当第2四半期連結累計期間において使用した資金は、13億2千4百万円(前年同期実績23億5千3百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、固定資産の取得13億2千7百万円であります。③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果、当第2四半期連結累計期間において得られた資金は、14億4千7百万円(前年同期実績12億5千3百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の増加額39億6千5百万円、支出の主な内訳は、長期借入金の返済19億3千3百万円であります。
(3) 研究開発活動当社グループは新商品開発、製造プロセス改善、圧延生産性向上、ビレット及び製品品質向上をテーマに上げ、技術開発・操業改善に取り組んでおります。なお、当第2四半期連結累計期間においては、当社グループが計上した研究開発費はありません。
(4) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
設備の内容
投資予定金額
資金調達方法
着手及び完了予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
着手
完了
大阪製鐵㈱
大阪事業所堺工場(大阪府堺市)
電気炉設備
11,839
-
自己資金
2023年11月
2025年10月
電力原単位低減等
(注) 上記設備計画については、補助金を受領することとなりますが、投資予定金額は当該補助金収入により 充当される金額を控除せず記載しております。