【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況(経営成績の概況)当第3四半期連結累計期間における国内経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けているものの行動制限も緩和され、個人消費や設備投資を中心に底堅く、景気は緩やかながらも持ち直しました。一方、当社グループを取り巻く環境につきましては、主要需要先である建築向け鋼材需要に関し、中小型物件の回復に力強さが欠けていることに加えて、主原料であるスクラップ価格の高止まりや原油・ガス価格の高騰によるエネルギー購入価格の上昇により製造コストが大幅に増加いたしました。このような経営環境の下、需要家の皆様のご理解をいただきながら販売価格の改善に取組むとともに、徹底的なコスト削減を推進してまいりました。また、インドネシア事業につきましては、原料価格の大幅な変動に加え、製品市況の低迷などから厳しい経営環境となりました。引き続き新規販路の拡大や原料の安価調達ソース拡大など成長へ向けた戦略を継続してまいります。以上の取組みの結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループにおける鋼材売上数量は71万6千トン(前年同期実績83万3千トン)、売上高は857億9千5百万円(前年同期実績751億9千6百万円)、経常利益は55億3百万円(前年同期実績35億8千3百万円)、また、当社大阪事業所恩加島圧延工場の休止等に伴う事業構造改善費用を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は24億4千9百万円(前年同期実績24億3千8百万円)となりました。
(財政状態の概況)① 資産流動資産は、前連結会計年度末に比べ5.5%増加し、1,371億4千9百万円となりました。これは、主として現金及び預金が67億2千8百万円、未収入金が46億8千4百万円、売掛金が37億4千1百万円増加し、預け金が84億8千9百万円減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ4.9%増加し、821億2百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ5.3%増加し、2,192億5千2百万円となりました。② 負債流動負債は、前連結会計年度末に比べ24.5%増加し、588億2千5百万円となりました。これは、主として短期借入金が72億6千8百万円、1年内返済予定の長期借入金が47億9千万円増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ23.1%減少し、76億9千7百万円となりました。これは、主として長期借入金が40億6千1百万円減少したことによるものです。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ16.2%増加し、665億2千3百万円となりました。③ 純資産純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1.1%増加し、1,527億2千8百万円となりました。
(2) 研究開発活動当社は新商品開発、製造プロセス改善、圧延生産性向上、ビレット及び製品品質向上をテーマに上げ、技術開発・操業改善に取り組んでおります。なお、当第3四半期連結累計期間においては、商品開発にかかる研究開発費を5百万円計上しております。