【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当社は、2021年4月1日付で、アクセリード株式会社と共同で株式会社PrimRNAを設立し、核酸医薬の研究開発を実施してまいりましたが、研究開発の進捗により当社の医薬品事業における同社の重要性が高まったことに伴い、当第2四半期連結会計期間から四半期連結財務諸表を作成しております。これにより、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の前年同四半期比較の記載は行っておりません。
当社は、医療の改善が望まれる疾患に新たな治療薬を提供するため、後期臨床開発品の導入を推進しております。また、中長期的な戦略として、自社技術を核とした核酸医薬をはじめとする最先端となる次世代モダリティの取り込みなどM&Aや提携を推進し、創薬事業の拡大にも積極的に取り組んでまいりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当四半期連結累計期間における業績への影響につきましては、当社は医薬品等の研究開発段階にあるため、軽微であったと判断しております。
(臨床パイプラインの進捗状況)
臨床パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。
ENT103:
国内における中耳炎を対象とした第Ⅲ相臨床試験において、主要評価項目である持続する膿性耳漏を有する中耳炎の臨床所見を有意に改善し、2022年4月、セオリアファーマ株式会社(以下「セオリアファーマ」といいます。)が外耳炎及び中耳炎を対象に製造販売承認申請を行いました。
ENT103はセオリアファーマと共同開発中の耳鼻咽喉科領域におけるパイプラインです。今後、薬事承認、薬価収載というステップを経て、2023年度前半の販売開始を見込んでおります。
NC-6300:
2021年6月にファスト・トラック指定※を受け、米国で血管肉腫を対象に例数追加試験を実施し、12例中5例でPR(奏功)が確認され、2022年4月に全患者への投与が完了しております。現在、ライセンスアウトに向けた活動を行っております。
NC-6300は、エピルビシンのミセル化ナノ粒子製剤です。
※ファスト・トラック指定
米国における画期的な新薬について優先的に審査する、優先審査制度です。完治が難しい疾患に対して高い治療効果が期待される新薬を優先的に審査して早期実用化を促すことを目的とした制度です。
<開発中止のパイプライン>
NC-6004:
頭頸部がんを対象に、免疫チェックポイント阻害剤との併用による第Ⅱ相臨床試験を実施してまいりましたが、2022年4月、第Ⅱb相臨床試験の暫定的な解析において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成する可能性が低いと推察されたため、本治験について継続しないことをOrient Europharma Co., Ltd.(以下、「OEP」といいます。)と合意いたしました。
NC-6004は、シスプラチンのミセル化ナノ粒子製剤です。ライセンス先であるOEPと共同で臨床開発を進めてまいりましたが、本製品の開発中止に向けた手続きを進めております。
VB-111:
プラチナ製剤抵抗性再発卵巣がんを対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(OVAL試験)において、当社は日本国内における臨床試験を実施してまいりましたが、2022年7月に受領したトップラインデータでは、無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)の解析において、統計的に有意な改善が認められませんでした。
VB-111はアデノウイルスベクターによる遺伝子治療用製品です。
(核酸医薬の推進)
新たなモダリティである核酸医薬は、低分子医薬や抗体医薬の標的となり難かった転写因子などをターゲットとした新たな治療法の提供を可能とします。当社の核酸輸送技術(YBCポリマー複合体及びポリプレックスミセル)は、核酸医薬の生体内での安定性の向上に資するもので、アカデミアとの共同研究を中心に新規パイプラインの拡充および企業との協働に向けて研究開発を推進しております。
NC-6100:
公益財団法人がん研究会有明病院において医師主導第Ⅰ相臨床試験を実施しております。本試験は治癒的切除不能又は遠隔転移を有する再発・進行HER2陰性乳がんを対象としております。
NC-6100は、慶應義塾大学との共同開発プロジェクトによる転写因子PRDM14に対するsiRNA DDS製剤です。PRDM14は、乳がんの約50%で過剰発現し、その幹細胞性・可塑性に関与することが知られており、新規メカニズムの治療法創出を目指しております。
TUG1:
脳腫瘍の中でも悪性度が高い膠芽腫を対象とした医師主導第Ⅰ相臨床試験開始のため鍵となる非臨床安全性試験を終えるなど準備が進んでおります。
TUG1 ASO(ASO:アンチセンスオリゴ)は、長鎖非翻訳RNA TUG1に対するASO DDS製剤です。本プロジェクトは、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学との共同研究であり、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業に採択されております。
RUNX1:
アクセリード株式会社と共同で株式会社PrimRNAを設立し、医師主導第Ⅰ相臨床試験開始に向け主な非臨床薬効成績の取得を完了、非臨床安全性試験の準備などを進めております。
RUNX1(mRNA)は、軟骨の増殖・分化に関わる転写因子RUNX1のmRNA医薬です。本プロジェクトは、AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業に採択されております。
(販売事業の状況)
株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシア ブライトニング イマキュレート セラム用の当社技術を応用した原材料を供給しております。なお、同社との共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth」事業は、2022年12月末をもって全品の販売を終了いたしますが、引き続き、アルビオン社への化粧品原料供給等を継続してまいります。
また当社は、治療法がない領域に新たな医療を届ける一環として、株式会社エイオンインターナショナルとの契約に基づき、PRP療法を用いた不妊治療をサポートしております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、化粧品材料供給収入、開発マイルストーン収入及びPRP事業に係る売上等により91,992千円、営業損失は697,086千円、経常損失は600,597千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は887,006千円となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間におきまして、以下の営業外収益及び特別損失を計上しております。
・外国為替相場の変動による為替差益83,560千円を営業外収益に計上しております。これは主に、当社の保有する外貨建預金の評価替えにより発生したものであります。
・投資有価証券のうち、取得価額に比べ時価が著しく下落し、その回復可能性があると認められないものについて減損処理を行ったことによって、投資有価証券評価損281,000千円を特別損失に計上しております。
また、当連結会計年度は連結財務諸表の作成初年度であるため、前年同期との比較分析は行っておりません。
財政状態につきましては、以下のとおりとなりました。
① 資産の部
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は5,220,538千円であり、主な内訳は、現金及び預金2,753,525千円、受取手形及び売掛金60,705千円、有価証券2,144,030千円であります。
当第2四半期連結会計期間末の固定資産は1,127,421千円であり、主な内訳は、投資有価証券884,117千円等であります。
② 負債の部
当第2四半期連結会計期間末における流動負債及び固定負債は合計で1,620,888千円であり、主な内訳は未払法人税等15,717千円、転換社債型新株予約権付社債1,150,000千円であります。
③ 純資産の部
当第2四半期連結会計期間末における純資産は4,727,071千円であり、主な内訳は、資本金119,150千円、資本剰余金5,499,591千円、利益剰余金△947,534千円であります。
これらの結果、自己資本比率は74.0%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、1,251,493千円となりました。また、当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税金等調整前四半期純損失885,796千円に、為替差益82,889千円、投資有価証券評価損281,000千円、仕入債務の減少1,488千円等の調整がされた結果、668,777千円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、708,161千円の収入となりました。これは主に、定期預金の預入による支出502,032千円、定期預金の払戻による収入1,447,956千円、有価証券の取得による支出3,540,350千円、有価証券の償還による収入3,800,000千円等によるものです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は602,104千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。また当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。なお当第2四半期連結累計期間における当社の販売実績は、91,992千円であります。
(6)主要な設備
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期連結累計期間に著しい変動があったものはありません。
