【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。なお、当社は2022年7月1日付で綜合食品株式会社の全株式を取得し子会社化いたしました。第1四半期連結会計期間においては貸借対照表のみを連結し、当第2四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2022年7月1日~2022年12月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種政策やワクチンの5回目接種の開始等により、一時持ち直しの動向がみられておりましたが、第7波による感染再拡大、また、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な円安進行により物価高が続くなど依然として先行き不透明な状況が続いております。外食産業におきましても、感染再拡大により来店客数が減少したことに加えて、原材料価格や光熱費等の高騰の影響もあり、厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社グループでは、お客様の価値観や行動様式、ニーズが大きく変化する転換期であると認識し、大胆な変革を行う絶好の機会であると捉え、飲食事業で培った強みを活かし、産地に入り、生産者とともに歩む「産地活性化プラットフォーマー」として「価値ある食文化の提案」を行うべく、水産の6次産業化を達成するため、以下のダイナミックな事業構造の転換に取り組みました。
イ.水産の6次産業化当社グループは、コロナ禍においても収益を確保できる独自の事業ポートフォリオの構築を目的として、既存事業とのシナジーを追求した水産の6次産業化を推し進めております。2020年12月に我入道漁協との業務提携のもと、我入道漁協の組合員となりました。2021年9月には、地方卸売市場沼津魚市場において買参権を取得し、直接の買い付けを開始し、朝獲れ鮮魚や鮮魚加工品を当社直営店舗や他の飲食事業者、スーパー等へ出荷しております。同年11月には浜松市中央卸売市場の水産仲卸・加工事業者である株式会社SANKO海商(静岡県浜松市)を子会社化し、沼津での水産事業と当社飲食店舗との連携が始まりました。さらに、沼津・浜松での取り組みが機縁となり、2022年7月に豊洲市場で7社しかない大卸(荷受)の1社である綜合食品株式会社を子会社化する等、1次産業から2次産業、そして3次産業へとつながるサプライチェーンの構築が一足飛びに進みました。こうした取り組みのなかで、当社は、我が国における沿岸漁業が従事者の高齢化と後継者不足等により衰退の一途を辿っており、大変厳しい状況にあることを目の当たりにしました。そして、この課題を解決するにあたって、安く買いたたくのではなく、市場での魚価の安定や未利用魚の有効活用などを通じて、魚の価値を再定義する必要があること、魚の付加価値を付ける上で日々ご来店いただいたお客様に料理を提供してきた飲食店の料理人や商品開発者が大きく貢献できること等の気づきを得ました。当社グループは、地元漁師や漁協の皆様(1次産業)とともに自身も産地で課題解決に取り組み、これまで飲食事業(3次産業)で蓄積したノウハウを活かした「売れるものを創る」ことで、グループ会社が持つ加工・流通(2次産業)機能を最大化することに注力いたします。このように水産の6次産業化モデルを構築することにより、産地の活性化と漁業の持続性という社会課題の解決に挑戦し、新しい収益の柱として育成してまいります。
ロ.大型・空中階店舗の大規模閉店かつて当社グループの強みであった首都圏駅前一等立地がすでに弱みになっていたことから、2020年以降継続して大型・空中階及び地下階の店舗を中心とする高固定費型店舗の大規模閉店を推し進めてまいりました。こうした事業構造改革が一巡したことで、販売費及び一般管理費が大幅に削減され営業利益の改善に大きく貢献いたしました。
ハ.「アカマル屋」モデルの出店とアップデートテレワークの定着や外出自粛等の影響から、お客様の消費行動の中心は都市部一極集中から郊外に分散されつつあり、この傾向は今後も続くものと想定されます。「アカマル屋」は、郊外に位置する中小型店舗であり、コロナ禍においても、下表のとおり既存店2019年(コロナ禍前)同月対比で100%を超えるなど、お客様から一定以上の支持をいただいております。さらに「アカマル屋」は、これまで串焼きやおでん、煮込み料理を中心とした大衆酒場でお客様から好評を博しておりましたが、水産の6次産業化を目指す当社グループのシナジー効果を最大化し、かつ、お客様に還元するため、業態をアレンジし、新たに「アカマル屋鮮魚店」を開発いたしました。「アカマル屋鮮魚店」は鮮魚店併設型の大衆酒場であり、2022年4月に1号店を大宮で開店して以来、沼津からの朝獲れ鮮魚や浜松のSANKO海商、豊洲の綜合食品と連携したまぐろの解体ショーの実施など、連日お客様で賑わう新しいコンセプトの大衆酒場であります。「アカマル屋」は、投資効率の高いブランドであり、引き続きブランドの磨き上げを行い、商圏及び立地条件を見極めたうえで積極的に出店してまいります。
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2019年(コロナ前)売上高比
111.0%
95.2%
117.4%
129.5%
113.5%
113.1%
ニ.大きな固定投資を伴わない新規事業官公庁等を中心とする食堂施設の運営受託事業を拡大するとともに、弁当等の中食事業の収益化や自社運営サイト「ひとま」(https://hitoma-tuhan.com/)他EC通販事業等の拡大に努めてまいりました。また、他の事業者に対して、メニューの企画・開発や商物流の構築支援を行うなどし、新たな収益獲得策として注力しております。加えて、サービスマインドを持った飲食店社員による除菌・清掃・機器類のメンテナンス等の法人営業の強化は一つの事業領域を形成しつつあります。さらに、水産事業として沼津市のふるさと納税返礼品の商品開発を産地・生産者と協働で行い、沼津市の2021年ふるさと納税寄附金受入額の大幅増加に大きく貢献し、地域ビジネスの活性化に貢献いたしました。今後は、SANKO海商、綜合食品、沼津で行う水産事業及び全国の産地との連携を深め、企画・開発力を強化し、新規事業の柱として水産物の高付加価値化に努めてまいります。
当第2四半期連結累計期間における出退店につきましては、2022年10月にアカマル屋鮮魚店 大山店(東京都板橋区)を出店いたしました。退店につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による影響の変化を個店ごとに慎重に見極めた結果、直営店舗3店舗を閉店いたしました。これにより当第2四半期連結会計期間末における店舗数は、直営店43店舗(うち運営受託店16店舗)、フランチャイズ店(運営委託店舗含む)は海外(香港)3店舗、国内2店舗で計5店舗となりました。
以上により、売上高は29億13百万円(前年同期比212.5%増加)となり、営業損失は3億56百万円(前年同期は営業損失5億58百万円)となりました。また、経常損失は3億51百万円(前年同期は経常利益54百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億61百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益32百万円)となりました。
(2)
財政状態の分析
① 資産、負債及び純資産の状況当第2四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ14百万円減少し22億96百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金2億9百万円減少、有形固定資産47百万円増加および主に綜合食品株式会社を連結子会社としたことによる売掛金1億45百万円増加によるものであります。当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ3億56百万円増加し21億7百万円となりました。この主な要因は、綜合食品株式会社を連結子会社としたことによる買掛金1億51百万円増加および長期借入金(1年内返済予定を含む)2億45百万円増加によるものであります。当第2四半期連結会計期間末における純資産の部は、前連結会計年度末に比べ3億70百万円減少し1億88百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失3億61百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、7億58百万円となり、前事業年度末に比べ2億19百万円減少いたしました。なお、当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果支出した資金は、3億75百万円(前年同期は1億38百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失を3億57百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果獲得した資金は、91百万円(前年同期は1億87百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出85百万円があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が1億23百万円及び貸付金の回収による収入60百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は、63百万円(前年同期は4億95百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入1億円があったことによるものであります。
(3)
経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)
事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)
研究開発活動該当事項はありません。
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