【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。(1)経営成績の状況 当社グループは「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションのもと、人生の大半を過ごすことになる「働く」という時間において、ただ生活の糧を得るためだけではなく、1人でも多くの人がより楽しく、自由な創造性を存分に発揮できる社会を実現することを目指し、仕事の効率化や創造的な働き方を実現するサービスの開発・提供に取り組んでおります。 このようなミッションのもと、現在の主力サービスであるビジネスチャットツール「Chatwork」は国内中小企業を中心とした顧客企業の労働生産性の向上や働き方の多様性を提供しており、国内利用者数NO1(注1)のサービスとなります。中長期のビジョンとしてこのビジネスチャットの中小企業市場における圧倒的なシェアを背景に、あらゆるビジネスの起点となるビジネス版スーパーアプリとしてプラットフォーム化していく事でさらなる中小企業のDX化に貢献してまいります。 当第3四半期連結累計期間においては、引き続き「Chatwork」の普及とビジネスチャットのプラットフォームを活かした周辺サービスの拡大に投資をおこなってまいりました。価格改定によるARPUの上昇、2023年2月に連結子会社化した株式会社ミナジンによる人事労務領域へのサービス拡張など事業は順調に進んでおります。2023年6月にはBPaaS(注2)の新規自社サービスとして「Chatwork アシスタント」をリリースしており、さらなる事業拡大を目指してまいります。 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高4,613,647千円(前年同四半期比39.3%増)、EBITDA(注3)226,376千円の損失(前年同四半期は295,460千円の損失)、営業損失675,955千円(前年同四半期は474,852千円の営業損失)、経常損失680,668千円(前年同四半期は471,311千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失680,770千円(前年同四半期は445,933千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りです。
(Chatworkセグメント) 売上高は4,462,052千円(前年同四半期比42.3%増)、セグメント損失は715,167千円(前年同四半期は527,530千円のセグメント損失)となりました。 なお、当セグメントが当社の主力事業であり、本社機能も含めて各間接費の全てが当セグメントの維持・拡大のために費やされていることから、間接費の全額を当セグメントにおける費用として計上しております。
Chatworkアカウント事業のARR(注4)、課金ID数、ARPU推移
2020年12月期第4四半期
2021年12月期第4四半期
2022年12月期第4四半期
2022年12月期第3四半期
2023年12月期第3四半期
ARR(百万円)
2,279
3,447
4,425
3,986
5,871
課金ID数(万)
45.7
54.7
66.8
60.6
72.4
ARPU(円)
409.9
529.4
547.4
539.3
627.4
(セキュリティセグメント) セキュリティセグメントについては、引き続き当社としては積極的な事業拡大は行わない方針としております。その結果、売上高は151,594千円(前年同四半期比14.7%減)、セグメント利益は39,212千円(前年同四半期比25.6%減)となりました。 なお、当セグメントのセグメント利益については、前述のとおり間接費を全てChatworkセグメントにて計上していることから、当セグメントの売上高より当セグメントに要した広告宣伝費、販売促進費及び業務委託費等の直接経費のみを控除した金額を計上しております。
(注)1.Nielsen NetView 及びNielsen Mobile NetView Customized Report 2023年5月度調べ月次利用者
(MAU:Monthly Active User)調査。調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS
Skypeを含む44サービスをChatwork株式会社にて選定。 2.Business Process as a Serviceの略。ソフトウェアの提供ではなく、業務プロセスそのものを提供する
クラウドサービスであり、クラウド経由で業務アウトソーシング(BPO)が可能 3.EBITDA=営業損益+減価償却費及び無形固定資産償却費+株式報酬費用 4.Annual Recurring Revenueの略。毎年継続して発生する収益 MRR(Monthly Recurring Revenue、
毎月繰り返し得ることのできる売り上げ)の12倍
(2)財政状態の分析(資産) 当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べて569,736千円増加し、5,970,123千円となりました。これは主に、のれんが773,758千円増加、ソフトウエアが382,768千円増加、投資その他の資産が366,808千円増加、現金及び預金が1,154,793千円減少したことによるものであります。(負債) 当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,121,650千円増加し、3,652,105千円となりました。これは主に、長期借入金が402,289千円増加、契約負債が348,885千円増加、1年内返済予定の長期借入金が164,128千円増加したことによるものであります。(純資産) 当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて551,914千円減少し、2,318,017千円となりました。これは主に、資本金が72,738千円増加、資本剰余金が72,738千円増加、利益剰余金が680,770千円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は38.5%(前連結会計年度末は52.4%)となりました。
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