【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和等により、社会経済活動に持ち直しが見られましたが、変異株による感染再拡大、急激な為替相場の変動やロシア・ウクライナ情勢の長期化に起因する原材料やエネルギー価格の高騰など、景気の先行きが不透明な状況が続いています。
このような状況下、当社グループは、中期経営計画「Evolving Growth Plan」(2022年度~2024年度)に掲げる重点戦略を強力に推進し、企業価値の向上および経営基盤の強化を図るとともに受注・売上の確保に努めました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は107,695百万円(前年同期比18.6%増)となりました。損益面におきましては、営業利益は17,427百万円(前年同期比98.3%増)、経常利益は17,085百万円(前年同期比68.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,266百万円(前年同期比81.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。① 理科学・計測機器事業
各国政府の活発な科学技術投資や半導体や電池関連の民需の伸展などにより電子顕微鏡を中心に、受注・売上が堅調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は57,665百万円(前年同期比 8.3%増)となりました。
② 産業機器事業
半導体市場はスマートフォンやPCなどの消費者向けデバイス需要が減速しましたが、一方でパワー半導体向けの強い需要は継続しました。このような市場環境の中で、半導体市況減速の影響によりマルチビームマスク描画装置の受注は軟調となりましたが、シングルビームマスク描画装置の受注・売上は堅調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は37,034百万円(前年同期比 59.6%増)となりました。
③ 医用機器事業
国内市場における生化学自動分析装置を中心とした引合いは堅調に推移しました。一方で海外市場においては中国ロックダウンの影響などもあり受注・売上ともに低い水準にとどまりました。
この結果、当事業の売上高は12,995百万円(前年同期比 9.4%減)となりました。
また、財政状態は次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末から4,651百万円増加し194,213百万円となりました。主なものとしては、棚卸資産が14,670百万円増加し、現金及び預金が7,968百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,444百万円減少しております。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末から6,806百万円減少し96,850百万円となりました。主なものとしては、電子記録債務が2,567百万円、契約負債が1,897百万円増加し、支払手形及び買掛金が1,233百万円、未払法人税等が1,729百万円、賞与引当金が745百万円、設備未払金の減少等により流動負債のその他が3,851百万円、長期借入金が3,618百万円減少しております。
一方、当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、利益剰余金の増加に伴い97,363百万円となりました。以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は前連結会計年度から4.8ポイント増加して50.1%となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6,805百万円であります。