【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
当第2四半期業績の概要は以下のとおりであります。
当期の世界経済は半導体などの調達難に緩和の傾向が見られるものの、高まる地政学リスクの長期化により不安定な国際情勢が継続し、欧米におけるインフレの長期化や金融引き締め政策の継続、中国での不動産開発投資に端を発する内外需要の低迷による景気減速など、先行き不透明な状況が続いております。国内経済は新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に引き下げられたことを背景とした感染リスク低下による消費活動の活発化やインバウンド需要の急回復、半導体不足の解消などを要因とした回復が見られましたが、為替市場の円安や物価上昇などもあり、景気の先行きが見通しにくい情勢となっています。 電子部品業界におきましては、世界的な金利高止まりや中国経済の景気回復減速の影響から、スマートフォンやパソコンなど民生向けにおいては需要回復基調にはあるものの、期初見込みほどの需要増は見られませんでした。クラウド/データセンター向けや半導体装置/FA機器などの産業機器向けにおいては、生成AI向けなどで需要の伸びが見られましたが、総じて投資の調整局面にあり、需要回復には至りませんでした。車載用電子部品については、半導体不足の緩和とEV1台あたりの搭載数増加による継続的な需要増はあるものの、緩やかな回復となりました。
当社におきましては、プリント基板・半導体搭載基板用めっき薬品の販売について、生成AI向けなど一部の最先端半導体パッケージ向けなどで需要増が見られましたが、スマートフォンやパソコン向け、およびこれらのメモリ向けで低調に推移し、当初期待されたほどの受注回復には至りませんでした。コネクター用めっき薬品の販売については、当社製品の技術優位性から産業機器向けで需要増が見られましたが、 スマートフォン向けの需要低迷を補うには至りませんでした。リードフレーム用めっき薬品の販売について、スマートフォンやパソコン向けの需要低迷の影響を受け販売が低調に推移し、さらにパラジウム価格下落の影響も受けて減収となりました。
その結果、売上高は6,042百万円(前年同四半期累計期間比33.3%減)、営業利益は153百万円(前年同四半期累計期間比63.5%減)、経常利益は262百万円(前年同四半期累計期間比49.4%減)、四半期純利益は202百万円(前年同四半期累計期間比46.9%減)となりました。
売上高の用途品目別内訳は、プリント基板・半導体搭載基板用2,271百万円、コネクター・マイクロスイッチ用1,221百万円、リードフレーム用2,346百万円、その他202百万円です。
(2)財政状態に関する説明
(単位:百万円)
2023年3月末
2023年9月末
増減額
主な増減理由
流動資産
7,832
7,847
15
現金及び預金+202、受取手形及び売掛金+58、
商品及び製品+49、原材料及び貯蔵品△58、
その他△235
固定資産
7,778
8,120
341
投資有価証券+342
資産合計
15,611
15,968
356
―
流動負債
237
276
39
買掛金+36、未払法人税等+47、その他△44
固定負債
1,868
1,966
97
繰延税金負債+97
負債合計
2,106
2,243
136
―
純資産合計
13,505
13,725
220
その他有価証券評価差額金+234
負債純資産合計
15,611
15,968
356
―
①資産
総資産は15,968百万円となり、前事業年度末比356百万円の増加となりました。
流動資産は現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加しましたが、その他流動資産の減少もあり、全体では15百万円増の7,847百万円となりました。固定資産は、主に投資有価証券の時価の上昇により341百万円増の8,120百万円となりました。
②負債
負債総額は2,243百万円となり、前事業年度末比136百万円の増加となりました。
流動負債は、主に買掛金、未払法人税等の増加により39百万円増加し276百万円となりました。固定負債は、投資有価証券の評価差額に係る繰延税金負債の増加により97百万円増の1,966百万円となりました。
③純資産
純資産合計は13,725百万円となり、前事業年度末比220百万円の増加となりました。
(3)キャッシュ・フロー状況の分析
(単位:百万円)
2022年
4月~9月
2023年
4月~9月
増減額
主な増減理由
営業活動による
キャッシュ・フロー
1,184
459
△725
売上債権の増加△659、税引前四半期純利益△257、
仕入債務の増加+131、未収消費税等の減少+32
投資活動による
キャッシュ・フロー
△8
△30
△21
有形固定資産の取得による支出増△18
財務活動による
キャッシュ・フロー
△291
△227
64
配当金の支払減+62
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
884
202
△682
―
現金及び現金同等物の期首残高
3,729
5,465
1,735
―
現金及び現金同等物の四半期末残高
4,614
5,667
1,052
―
当四半期末の現金及び現金同等物の残高(以下、資金残高と言う)は5,667百万円となり、前年同四半期比1,052百万円、前事業年度末比202百万円の増加となりました。前期に売掛金回収が進んだことに加え、当四半期の売上債権が微増であったため資金残高は高いレベルを維持しております。なお、当期におけるキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは459百万円となり、前年同四半期比725百万円の減少となりました。税引前四半期純利益の減少と売掛債権の減少幅の縮小が主な要因です。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは30百万円の支出となり、前年同四半期比21百万円の支出増となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が18百万円増加したことによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは227百万円の支出となり、前年同四半期比64百万円の支出減となりました。前々期末の記念配当(1株あたり10円:2022年6月支払)が前年同四半期に含まれていることから、配当金の支払が62百万円減少しました。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期累計期間の研究開発費の総額は160百万円であります。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。