【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社グループでは、求人情報メディアをはじめとする複数のインターネットメディアを運営しております。当連結会計年度においては「コーポレートビジョン『あたりまえを、発明しよう。』追求に向け、持続的成長に向けた既存事業の収益力強化と、新規事業の基盤確立」をテーマとして事業を推進いたしました。
当連結会計年度においては、求人ニーズの上昇に加え、既存事業において顧客への拡販を積極的に推進したこと等により、売上高は4,757,968千円(前期比13.8%増)と増収になりました。また、利益面においては、既存事業が売上高の増加に伴い増益となったことに加え、不採算事業の撤退や固定費削減等の取り組みにより、営業利益は284,005千円(前期は1,112,384千円の営業損失)と、期初の計画より前倒しで黒字転換を実現いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、税効果会計上の繰延税金資産の回収可能性を見直したことにより法人税等調整額を計上した結果、537,538千円(前期は943,944千円の親会社株主に帰属する当期純損失)と大きく増加しました。
・既存事業の収益力強化
当連結会計年度においては、黒字体質への再転換に向け、アルバイト求人サービス「マッハバイト」、競争入札型転職サービス、「転職ドラフト」転職口コミサイト「転職会議」のさらなる事業成長や、新たなマネタイズポイントの創出に取り組みました。
当連結会計年度においては、上記の主要3事業が全て前期比増収となりました。また、増収に伴い既存事業の利益も伸長しており、事業成長及び収益力の強化が順調に進捗いたしました。
「マッハバイト」においては、各業種における顧客の採用ニーズの回復に合わせて積極的に拡販を行いました。併せて、セールス・マーケティングの連携による高効率な集客を行うことで顧客ニーズを満たし、取引を拡大しました。
「転職ドラフト」は、参加ユーザーが経験やスキルを登録すると企業から年収付きで指名が届く、ITエンジニア向けの転職サービスであります。ITエンジニアの採用ニーズの高さを背景に、参加会員及び参加企業数は前期比で増加基調が続いております。料金体系の改訂も寄与し、大幅に増収となりました。
「転職会議」はサイト改善により閲覧者数が増加したほか、セールスにより大口提携先の予算枠を獲得いたしました。
また、新たなマネタイズポイントの創出として、「転職会議」では口コミを無制限に閲覧できるサブスクリプション商品「口コミパス」の販売を開始し、有料会員数が増加しております。また、不動産情報サービス「IESHIL」では、中古不動産の買取再販事業の検証を行っております。
・新規事業の基盤確立
将来の収益の柱となる新規事業を立ち上げるべく、当連結会計年度においては、成長のための事業基盤の確立に取り組みました。
当連結会計年度においては、提案型マッチングサービス「knew」、面接最適化ツール「batonn」のプロダクト改善および検証が進捗いたしましたが、顧客獲得には課題を残しております。
「knew」は、持続的に拡大可能な集客モデルの確立を目的とした検証が進捗いたしました。マッチングにおけるアルゴリズムやUXの改善、広告の検証などを行い、有料会員数やマッチング数が増加いたしました。一方、集客モデルの確立にはさらなるプロダクト及びマーケティングの改善が必要な状況であります。
「batonn」は、サービスの有償化と顧客企業の獲得を目的とした検証に取り組みました。文字起こしや採用担当者の負担軽減といった機能面の開発が進捗し、顧客企業の有償利用も開始いたしました。一方、顧客企業の獲得ペースは当初想定を下回っております。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。当連結会計年度における主要メディアの売上高は以下のとおりであります。
<主要メディアの売上高>
・マッハバイト:
2,943,631千円
(前期比
17.0%増)
・転職会議:
954,576千円
(前期比
49.8%増)
・転職ドラフト:
620,054千円
(前期比
93.6%増)
②財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、777,827千円増加し、4,116,849千円となりました。主な内訳は、現金及び預金854,969千円増加、売掛金49,509千円増加及び「その他」の未収入金114,468千円減少等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ183,952千円減少し、351,322千円となりました。主な内訳は、繰延税金資産148,998千円増加及び投資有価証券348,540千円減少等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、396,697千円増加し、1,087,625千円となりました。主な内訳は、賞与引当金62,301千円増加、前受収益193,127千円増加、未払法人税等55,219千円増加及び「その他」の未払消費税等101,668千円増加等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、60,660千円減少し、23,697千円となりました。主な内訳は、繰延税金負債69,657千円減少及び長期借入金4,900千円増加等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、257,838千円増加し、3,356,849千円となりました。これは、利益剰余金540,404千円増加及びその他有価証券評価差額金282,566千円減少によるものであります。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より854,969千円増加し、3,560,051千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、731,034千円(前年同期は361,009千円の支出)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益424,935千円、株式譲渡に伴うライセンス収入の受取額350,000千円及び売上債権の増加49,286千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により得られた資金は128,835千円(前年同期は19,345千円の収入)となりました。
これは主に、敷金及び保証金の回収による収入150,038千円、敷金及び保証金の差入による支出16,488千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により支出した資金は4,900千円(前年同期は15,002千円の収入)となりました。
これは、長期借入れによる収入19,600千円及び長期借入金の返済による支出24,500千円によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を広告宣伝費及びサービス運営に係る人件費等に充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,560,051千円であり、将来の資金需要に対して十分な手許流動性を確保しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
⑤生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当する情報がないため記載しておりません。また、販売の実績については、「①経営成績の状況」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
「(1)経営成績等の状況の概要 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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